Anger
どもども
今日のはちょっとすくなめです
ごめんなさい
明日はちょっと長めの予定です!
よろしくお願いします
その後、僕への攻撃は無くなった。
水樹はクラスカーストを気にしなくなっていて、学校でも僕と一緒にいる時間が多くなった。
しかしまだ問題は終わってなどいない。
上条が言ってたこと。
僕の中では未だに信じられないが、咲良のあの表情からすると真実だろう。
僕は一人屋上へと向かった。
もう呼び出している人物はいるだろう。
もちろん新川咲良だ。
出会った頃と同じままのショートヘアで髪を耳にかけた。
「こんにちは」
「こんにちは」
挨拶を交わす。
別に他愛もない行動だ。
ただ彼女は寂しそうな顔をしていた。
「話って多分、上条くんの言ってたアレだよね」
彼女が言ったアレを僕は分かっていた。
そのまま彼女は寂しげな顔で喋り始めた。
「中二のとき......かな。私、地位が欲しくなっちゃって」
「また地位か」
「え、これ話したっけ?」
「いや、こっちの話」
「そう.........。それでさ上条くんってさ中一の頃からカーストトップでしょ?」
「僕は上条に興味なかったから知らないよ」
「それでさ、私そのときまだこんなんじゃなくて...けど地位が欲しかった。だから上条くんの彼女になれば私もカーストトップになれると思ってさ......体と引き換えに私は一時的に上条くんの彼女になったわけ」
言葉を発せなかった。
咲良も水樹も佑樹も上条についていたということになる。
あんなクズ男に。
訳が分からなかった。
そこまでして何故地位にこだわる?
体を引き換えに何故地位を手に入れたいと思った?
いじめられたくなかったからか?
でも結局いじめられてるじゃないか。
「けどさ一ヶ月くらい経った頃...かな。私は体としてしか扱わなかった。毎日体を触られ、自分の性欲処理としてしか使われなくなった。そのときから私へのいじめが始まった。ほかの男子たちもそういうことされるようになっちゃってさ......私は地位が欲しかっただけなのに」
その言葉を聞いた瞬間僕の何かは切れた。
凄まじい怒りが込み上げてくる。
「それは咲良が体を引き換えにしたからだろ。自分の体なんてどうでもいいと思って、地位と引き換えに売っちまったからだろ!!少なくとも僕は地位なんて必要ない。そんなものなくても充実していたから。なんでそんなことも分からねえんだよ」
初めて彼女にそんなことを言った。
中三の始めに出会い、話して、笑いあって、守りあって、協力してきた彼女に。
彼女は呆然としていた。
僕がこんなこと言わないと思っていたのだろう。
だって僕は彼女の全てを肯定してきた。
なのにいきなりこんなこと言われて僕は腹が立った。
こんなに腹が立つのは初めてだった。
それが何故なのかは僕にも分からない。
ただ彼女は怒りもせず、泣きもせず、ただただ黙って下を向いていた。
「そう......だよね。ごめんね」
彼女は屋上から立ち去った。床を見ると水滴が落ちていた。涙だ。
僕は背もたれに体を預け、崩れ落ちた。
ただ僕はこんな彼女だけど、泣かせたくはなかった。
こんなやり方しかできない無知な僕を恨んだ。
気づくと雨が降っていた。
雨で彼女の涙は掻き消された。
彼女がいなくなった気がして怖かったのだ。
ただ僕はこの雨が早くやめとは思わなかった。
そして明日か明後日に僕の大好きな恋愛マンガのワンシーンのオマージュ入れる予定なのでお楽しみに!!!




