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夏の大三角形  作者: 風祭トキヤ
12/14

Anger

どもども

今日のはちょっとすくなめです

ごめんなさい

明日はちょっと長めの予定です!

よろしくお願いします

その後、僕への攻撃は無くなった。

水樹はクラスカーストを気にしなくなっていて、学校でも僕と一緒にいる時間が多くなった。

しかしまだ問題は終わってなどいない。

上条が言ってたこと。

僕の中では未だに信じられないが、咲良のあの表情からすると真実だろう。

僕は一人屋上へと向かった。

もう呼び出している人物はいるだろう。

もちろん新川咲良だ。

出会った頃と同じままのショートヘアで髪を耳にかけた。


「こんにちは」

「こんにちは」


挨拶を交わす。

別に他愛もない行動だ。

ただ彼女は寂しそうな顔をしていた。


「話って多分、上条くんの言ってたアレだよね」


彼女が言ったアレを僕は分かっていた。

そのまま彼女は寂しげな顔で喋り始めた。


「中二のとき......かな。私、地位が欲しくなっちゃって」

「また地位か」

「え、これ話したっけ?」

「いや、こっちの話」

「そう.........。それでさ上条くんってさ中一の頃からカーストトップでしょ?」

「僕は上条に興味なかったから知らないよ」

「それでさ、私そのときまだこんなんじゃなくて...けど地位が欲しかった。だから上条くんの彼女になれば私もカーストトップになれると思ってさ......体と引き換えに私は一時的に上条くんの彼女になったわけ」


言葉を発せなかった。

咲良も水樹も佑樹も上条についていたということになる。

あんなクズ男に。

訳が分からなかった。

そこまでして何故地位にこだわる?

体を引き換えに何故地位を手に入れたいと思った?

いじめられたくなかったからか?

でも結局いじめられてるじゃないか。


「けどさ一ヶ月くらい経った頃...かな。私は体としてしか扱わなかった。毎日体を触られ、自分の性欲処理としてしか使われなくなった。そのときから私へのいじめが始まった。ほかの男子たちもそういうことされるようになっちゃってさ......私は地位が欲しかっただけなのに」


その言葉を聞いた瞬間僕の何かは切れた。

凄まじい怒りが込み上げてくる。


「それは咲良が体を引き換えにしたからだろ。自分の体なんてどうでもいいと思って、地位と引き換えに売っちまったからだろ!!少なくとも僕は地位なんて必要ない。そんなものなくても充実していたから。なんでそんなことも分からねえんだよ」


初めて彼女にそんなことを言った。

中三の始めに出会い、話して、笑いあって、守りあって、協力してきた彼女に。

彼女は呆然としていた。

僕がこんなこと言わないと思っていたのだろう。

だって僕は彼女の全てを肯定してきた。

なのにいきなりこんなこと言われて僕は腹が立った。

こんなに腹が立つのは初めてだった。

それが何故なのかは僕にも分からない。

ただ彼女は怒りもせず、泣きもせず、ただただ黙って下を向いていた。


「そう......だよね。ごめんね」


彼女は屋上から立ち去った。床を見ると水滴が落ちていた。涙だ。

僕は背もたれに体を預け、崩れ落ちた。

ただ僕はこんな彼女だけど、泣かせたくはなかった。

こんなやり方しかできない無知な僕を恨んだ。

気づくと雨が降っていた。

雨で彼女の涙は掻き消された。

彼女がいなくなった気がして怖かったのだ。

ただ僕はこの雨が早くやめとは思わなかった。


そして明日か明後日に僕の大好きな恋愛マンガのワンシーンのオマージュ入れる予定なのでお楽しみに!!!

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