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第一話
人と話すのが苦手な野崎晴斗は、今日も一人で公園のブランコに座り、空を眺めていた。
すると、キラリと光る何かが視界に入った。
晴斗は気になり、その光を追いかけ山に行く。
彼が山の中を歩いていると遠くから先ほどと同じ光が見えた。
「さっきの光だ」
草むらをかき分けると、そこには頭にカタツムリのようなものが生えた少女がいた。
「なんだこの子!」
彼は驚いた。
すると、少女が唸り始め、体が毒のような紫色に変色し始めた。
「うわぁ!」
彼は恐怖を感じたが、怪我をしている少女を放っておけるような人間ではなかった。
彼は勇気を出して声をかけた。
「ねぇ、大丈夫?」
「ねぇ!大丈夫なの!」
大きな声で聞いてみても彼女は反応しなかった。
そこで彼は少女の身体を揺する。すると、彼女が目を覚ました。
「よかった!怪我はない?」
「なんで返事してくれないの?もしかして、耳を怪我しちゃったのかな?」
耳に傷がないか確認しようと髪の毛をかきあげると、彼は驚いた。
「君、耳がついてないじゃないか!」
バサバサとカラスが飛び立った。
その音も、晴斗の声も彼女には届かなかった。
彼女の世界には音が無かった。




