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そんなつもりじゃなかった、んだけど図書室で本を借りることになった。前編

そんなつもりじゃなかったのに! 皆さんの星のおかげでランキング上がりまくって感謝感謝感謝です!そんなつもりじゃなかったのにどんどん続き書いてます!

 夕暮れの図書室で本を探す男子はかっこいい。


 異論は認めない。


 特に海外文学なんて見てたらかっこよすぎるだろう。


 う~ん……よく分からん。


 とりあえず、顎に手を当ててうんうん頷いておく。


 よし、十分かっこいい空気は出せたから帰るか。


 そう思って松葉杖を突きながら海外文学かっこいいエリアを出ようとした時、ヤツがいた。


「こ、こ、小谷君……こ、これ、全部おすすめ……はあはあ……!」


 呼吸が荒い元・太陽の曇り女子、朝霞ひかりが大量の本を抱えて俺を見てにちゃっと笑ってた。


 何故こうなってしまったのか……?


 『本でも読むか』『お、お供、しま、する……』


 以上。


 いつも通り俺がかっこつけ不用意な発言をしたばっかりにどろどろ尽くし朝霞が俺を図書室へとご案内。ていうか、武士かよ。ちょっと面白かったけど。



 だが、面白いがあれば面白くないもあるのが人生。


 ソイツは俺達と廊下ですれ違う。

 雨野だ。


 大川はメンタルやられたみたいで学校に来なくなっていたけど、雨野は暫く休んだ後また通い出した。ただし、別クラスに。なんか色々話し合いがあったみたいだけど結局来るようになった。教育委員会か学校か知らんが仕事しろよ。


 そして、相変わらず雨野は仲間に囲まれていた。ただ、雨野の仲間もがっつり雨野と……って感じではなく、雨野が道連れにしそうで怖いからって感じだった。そんなんで高校生活たのしいかって感じだが、まあ、知ったことではない。


 雨野は俺たちをじっと見て何か言いたそうだったが、さすがに悪態はつかずに去っていった。

 だが、そんな雨野を凄い目で見ているのは曇りに曇った我らが朝霞さん。


『アイツ、小谷君のことじっと見てたね……また何か言おうとしてたね。何か言われたら絶対に教えてね。わたしが、消すから』


 漏れそうだった。長男だから我慢したけど。

 黒く染め直した髪より真っ黒な目をした朝霞さんをなだめてなんとか図書室に。そして、各々何か読みたいものを見つけてこようと解散した結果……何も得られませんでした! という俺と、はあはあ山盛り本持ち朝霞。


 本により朝霞の胸部がちょっと強調されて視線に困っちゃう俺。だが、朝霞はそんなこと気づかずに俺にはあはあ言いながら近づいてくる。え? これ、どっちがけしからんの? ねえ?


 夕暮れがまぶしくて目を細めたふりをする俺。よし、視界がぼやけて見えづらくなった。


 見たくないわけじゃない! だけど、なんか曇りまくって怪我させた責任感で俺に尽くす朝霞をそういう目で見るのはなんか違うじゃん!


 なので、ぼんやり朝霞に話しかけることにす。


「えーと、朝霞、多くない?」

「え、お、多い、です、かな?」


 老執事かよ。知らんけど。

 しかし、本をいっぱい持ってる朝霞には正直違和感しかない。


「いや、朝霞って元気いっぱいキャラで、あんまり本を読んでるイメージなかったから」


 そういうと朝霞は、何故かあっという顔をしてしどろもどろに答え始める。


「あ、あの……わたしの友達がです、じゃなくて、友達が、中学の時の友達が、小学校の時からすごく本が好きで、でも、中学は部活が結構キツくてあんまり読めてなかったんだ、らしいんで、だす、でね」


 しどろもどろであった。何故かよく分からないが、正直俺から見た朝霞はぼんやりしてるので何もかもがぼんやりしている俺達。

 太陽時代、明るい茶色のショートでイケイケ運動部の朝霞はなんか流行りのおしゃれ雑誌とかの話をしてたので、朝霞の友達が教えてくれたというのは納得。今の黒朝霞であれば、まあ、似合わなくないが、太陽の印象が強すぎて違和感がやはりある。


 しかし……。


「朝霞は中学時代も人気者だったんだな。運動部以外でもそんな文学少女的な友達もいたとは……」

「うえ!? え、あ、でも、ていうか、あ、う、うん、と、友達の話だから……」


 そんなに友達だったかあやしいのか朝霞が曖昧に笑う。まあ、俺も中原が友達かと言えばあやしい。黒朝霞が俺の周りに出現してから一切自分からかかわってこなくなったし。


「しかし……」


 俺は積み上げた本を見てあわあわしている朝霞を見る。朝霞は、友達なのだろうか。俺は、朝霞の友達なのだろうか。飛び降りから始まった関係で友達と言えるかは分からない。


 それでも、俺は曇りきった朝霞を救いたいと思うし、今のあわあわして、制服を何故かパタパタ叩いている、素っぽい朝霞を完ぺきに取り戻したいと思う、んだけど……。


「朝霞……この中で、ハッピーエンドな本ってある? ネタバレになってもいいから教えてくれ」

「あ~……ない、かも。この中には、えへへ……」


 うむ、かわいい。だけど、小谷君は心配だよ! そんな曇り小説を、表紙が黒かったり怖かったりタイトルが真っ赤なの選んじゃう朝霞チャンが!


お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


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