俺が太陽を曇らせたらしい
前の作品を修正し、連続作品として上げなおしました。
曇らせ初挑戦作品です。
松葉杖はなんかかっこいいし、ギブスは響きがいい。
その思考が俺という人間を表現するのにちょうどいい。廊下を歩くたびに松葉杖のコツコツという音がして、すれ違うやつらが一瞬俺を見る。それがなんとも言えない感情を生み出す。
3か月ぶりの登校だった。
いくつかの骨折にくわえ、内臓もいっちゃってるー状態だったらしいので医者にはもう少し安静にしろと言われていたが、さすがに限界だった。『もう限界なんですぅー!!』と泣き叫び、医者から無理矢理許可を取った。だが、本当に限界だった。病院はめっちゃさみしい。看護師さんにちやほやされるかと思ったけどみんなベテランさんでてきぱき忙しく働いていたし、患者の人たちとの会話は俺だけガキなので結構しんどかった。
だから、俺は帰ってきた! 学校に!
「お……小谷、久しぶり」
「おー」
「あ、や、八雲じゃん? 足大丈夫か?」
「まあまあ」
そういうやりとりを5回くらい繰り返す。
誰も見舞いに来なかったくせにとは思いながらも、今心配されるのはめっちゃうれしい。
小谷八雲帰ってまいりました!
教室にはいり、自分の席へ向かう。今は窓際の、後ろから三番目らしい。椅子が引かれ俺が席に着くと、その子は校門から持ってきてくれた荷物を置いて、微笑む。俺は久しぶりに見る教室の天井を見上げ、ふぅーっと息を吐くと、彼女を見る。
バスケ部らしいスポーティーなショートカットは伸び、色も黒く染め直していた。
三か月前にはウチの太陽と呼ばれていた明るくて人気者の女子。
「あのさ、朝霞さん」
「は、はい……なんですか。こ、小谷君」
デカすぎるけどそれがまたかわいいと評判だった声は、今じゃ静かで低い。
そして、俺が何かを命じるのを待っている。まるでメイド。だけど、俺は彼女をどうしたいというのもなければ正直こんなことしてほしくないし、元の美少女でクラスのみんなとキャイキャイしていてほしい。
「あの……もういいよ?」
「よ、よくありません。わたしは……」
どうしてこうなってしまったのか。
「わ、わたしは、こ、小谷君の為に何かしたいんです」
三か月前にはこうなるとは思っていなかった。
「いえ、というより」
そんなつもりじゃなかった。
「小谷君の為ならなんでもします」
教室の窓から朝日が差し込む。白い光が微笑む彼女を照らす。だけど、俺にはその光が作った影の中で揺れる彼女の瞳ばかりが気になった。
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