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第54話 少年と肉


「やっほーっ! 川だぁっ!」


 キラちゃんが楽しそうにはしゃいでる!


「川、山……自然の中でのBBQ、何だか楽しみ」

「おぅっ! 肉が俺を呼んでるぜっ!」


 そう、今日はみんなでバーベキューに来たよっ!


「うっ日差しが……レイくんは色白の子が好きだと言うのに……」


 え? いやどうだろ?

 つばきちゃんなら何でも好きだけど!


「さぁ~て、いい男はいるかな~!」

「かきぴー! そういうのやめてよね! 私たちを巻き込まないでっ!」

「えーっ!? 何だよつまんねぇなぁ……」


 いい男……僕はまだいい男じゃないみたいだ……。

 頑張っていい男になるぞ!


「あら、輝蘭羅さんは確かこの夏に恋人を見つけるって言ってなかったかしら?」

「つーちゃん!? もういいのその話は……あはは~……」


 恋人……キラちゃんに、恋人……。

 うっ、何だこのもやもやは……。


「へぇ~、何でいいんだ?」

「……へぅっ!?」

「気になるなぁ。もしかして――」


 ぴーちゃんとニアちゃんがキラちゃんに詰め寄る。


「好きな人でも――」

「できちゃった?」


 な、ん……だと……?


「えっ!? ぁ、ぇ……ぇえっ!?」

「ぷぷっ! きょどりすぎ!」

「そういえばこの前会ったんでしょ? どうだったの?」


 !?


 キラちゃんには……既に恋人が……!?


「あ、うん……優しかった、よ?」

「へぇ~」


 ぐはっ!?


「それと、何だか照れ屋でかわいかった!」

「……ふ~ん……」


 かわっ!? かわっ! かわぁ……。

 あぁ……もう、だめだ……。


「それとね、今度一緒に――」

「もういい、もうやめてくれ……! 1人身の私が聞いていい話じゃなかった……っ!」

「……同じく」


 僕も辛い……もう今日はダメかもしれない……。

 キラちゃんの顔を見ることもできないや……。


「へぇっ! キララにそんなやつがいるなんてなっ! 誰だ、教えろよっ!」

「うっそだろお前……脳みそまで筋肉かよ……」

「豪……さすがに僕でもわかるぞ。もう少し物を考えて生きろ」


 ぼ、僕もわかんない……まさか、ゴーと同レベルってことっ!?


「まじかよ……」

「終わった……」

「あ? 何でレイくんも落ち込んでんだ?」

「ふふ、何でかしらね」


 つばきちゃん……!


「うぅ、助けてつばきちゃん!」

「ん~……今回ばかりは、助けてあげな~い。ふふ」


 そんなぁっ!


「あの余裕の構え……強敵だぞキララ!」

「これぞ正妻による制裁……ぷぷ」


 だれか、タスケ……。


「もぅっ! そんなことはいいからさっ! お肉焦げちゃうよっ!」


 オニク……お肉っ!


「肉っ!」

「わぁーいっ!」

「あ、豪とレイくんが生き返った」


 お肉っ! 僕、お肉大好き~!

 この体で食べたことないけどっ!


「――うんめぇ……!」

「――おいしー……!」


 霊体の隅々までいきわたるような肉のうまみ! 自然を感じながらかみしめるこの味っ!

 命……命だっ!


 僕が食べてるのは――命なんだっ! 


「お肉っ! おいしーっ! うまっ! うまっ!」

「うんめぇっ! うんめぇよおいぃぃっ!」

「ははっ! 野菜も食べないと大きくなれないぞ、レイくん!」


 わかったよとーるママ!


「豪のやつ、やってることがレイくんと一緒じゃないか……」

「ふふ、何だか可愛いね――レイくんが!」


 お肉っ! 野菜っ! お肉っ! 野菜っ!


「肉っ! 肉っ! 肉っ!」

「――おまえ、まさかっ!? いや、やはりと言うべきか……」

「レイくんが! レイくんのことだからっ!」


 野菜――……あれ?


 何だか……。


 やばい……かも。


「ふふふ、さぁレイくん。あっちに行きましょう?」

「つ、つばき……ちゃあん……」


 お腹がっ……あれぇ……?


「つーちゃんどこいくのーっ?」

「ふふ、ちょっとそこまで……うふふふふ……」


 助け……いや、助けないでぇぇっ!


 ……。

 ……。

 ……。




 ら、らめぇぇぇ! みないでぇぇぇっ!

 でちゃうぅ~……いのちがぁ……!


 れちゃうよぉぉ~~~ああああん!

お読みくださりありがとうございます!


命がも”ったいだいっ!!!!

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