第32話 少年と白い人
――翌朝。
「恭子さん、ありがとうっ!」
「ふふ、じゃあ私は依頼先に向かうから。無茶しちゃダメよ?」
きょう子さんの車で2つめの目的地に到着したよっ!
今回は普通のホテルにおとまりだって。
「今回は田舎じゃないというか、普通に町なんですね~」
「……残念ながら車で10分も走れば……自然豊かな場所よ」
田舎ってことみたい。
「それじゃあね」
「ありがとう、恭子さん」
恭子さんと別れ、タクシー乗り場に移動する。
「今日の目的はどんな霊なのかしら」
「ん~、何か白くてくねくねしてるやつだってっ!」
なにそれ弱そう。
▼▼▼
「きらリン☆ キラキラチャンネルー! さぁさぁ、今日も行きますよっ!」
「よろしくね」
「よろしくっ!」
<TOR:昨日の夜見られなかったっ! 呪われないかな?>
<柿ピー大好き:0感は大丈夫じゃね?>
<ギギギギギギギ:今日は……すっげー田舎www>
大丈夫、ちゃんと除霊したよっ!
ギギギさんが言うように、今は辺り一面畑、畑、畑、たまにお家、な田舎に来てるよっ!
「今日のターゲットは……何だか白くてくねくねしてる幽霊ですっ!」
「照れ屋なのかしら」
<DarknessSunday:あー……ね>
<8月32日:わしの婆さんも、出会った頃は白くてくねくねしとったのぅ>
「何だか見たらいけない系の幽霊みたいなので、安全が確認できるまで映さないようにしますっ! 代わりに私たちを眺めててねっ!」
「一応双眼鏡を持ってきたのはご愛嬌ね」
<きらリン推し:美少女(色気0)>
<aaaa:いやー眼福だなー。ジャージ姿>
<イマスグモドレーヌ:レイきゅんをたくさん映して!>
<霊感少女型おいたん:見る気満々じゃないか。でも本当に見ちゃダメだよ?>
「仕方ないじゃない! 動きやすさ重視なんだからっ! 幽霊を舐めてると死んじゃうんだよっ!」
<aaaa:配信なんかしてるのが舐めてる証拠なんだよなー>
<ギギギギギギギ:確かに>
「うっ!」
「痛いところを突かれてしまったわ」
<(^q^)プッ:そうまでして人気になりたいのかよ>
「……へへっ! あっ! 何だかあっちの方に白いのが見えないっ!?」
「ん~……あれは白い車ね。ナンバーは映しちゃダメだけど」
うん、車だね。
けど……さっきから何だか嫌な予感がするよ。
<ギギギギギギギ:残念、違ったか>
<紳士的なお兄さん:ただの散歩動画でくさ>
「否定できないわね」
「ってことでっ! 今から『キラッ☆ 美少女に質問タイムっ!』 を開催しちゃうよっ!」
<きらリン推し:なんか始まったぞ>
「今から私たちに何か質問があれば答えられる範囲で――」
<イマスグモドレーヌ:レイきゅんの好きなタイプは? 好きな食べ物は? どうすればレイきゅんのお嫁さんになれますか?>
<柿ピー大好き:早すぎてくさ>
<週休7日制導入しました:初手から美少女じゃないじゃん!>
「そうだよっ! レイくんは少女じゃないでしょ!」
<イマスグモドレーヌ:でも美少年でしょ?>
「そりゃ……かわいいわよね」
<イマスグモドレーヌ:好きなの?>
「そりゃ……好きよっ!」
<イマスグモドレーヌ:コ〇ス>
「こわっ!」
「モドレーヌさんもまだまだね。自分の好きな人が他の人にも好かれているなんて、素敵じゃない」
<イマスグモドレーヌ:それじゃあ私も好きでいていいんだ……嬉しい……>
「あ゛?」
<ギギギギギギギ:こわっwww>
<DarknessSunday:秒で手のひら返すやん>
ん? 何だか嫌な感じが強くなってきたかも……!
「あの……私たちへの質問を……これじゃモドレーヌさんとのトークショーだよ……」
<週休7日制導入しました:あの、質問いいですか?>
<aaaa:このスレッドは1000を超えました。もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいですの!>
<8月32日:テンプレじゃの>
……近い気がするっ! かなり強いやつだ!
「好きなタイプ? 最近は元気でかわいい年下の子が気になっちゃうかもーっ!」
「ぐぬぬっ……」
<ギギギギギギギ:『ぐぬぬ』ってリアルで初めて聞いたかもw>
<柿ピー大好き:煽っててくさwコ〇されるなよ!>
「へへっ――」
「――止まってっ!」
まだゴマ粒くらいだけどっ! あれだっ!
<ぴょんはピョンピョンだぴょん:今北ぴょん。くねくね? まじぴょん?>
「――っ、い、いいい、いましたっ! まだ小さいけど……白いのがっ!」
「何だかくねくねと揺れているような気がするわね」
<ギギギギギギギ:ガチ?>
<霊感少女型おいたん:双眼鏡で覗いたり近くで見ちゃダメだよっ!>
「見ちゃダメって言われると……くっ!」
「僕が見てみるよっ!」
まだ遠いけど……意識を集中して――っ!?
<ぴょんはピョンピョンだぴょん:レイぴょん! やめとけ!>
<闇より井出氏:それでこそ覇道を征くもの>
「……」
「どう?」
<霊感少女型おいたん:おいおいおいっ! レイくんと言えどヤバいんじゃないの?>
<ぴょんはピョンピョンだぴょん:おいっ! レイぴょん!>
「……」
「レイくん?」
<イマスグモドレーヌ:レイきゅん、大丈夫……?>
「……」
「こ、こうなったら私も――」
「見ッナい方ガ、イイ……」
お読みくださりありがとうございます!
読んでも死なないホラー()小説です。
もう1つ小説を投稿しています。異世界転生モノです。
そちらもよかったらぜひお願いします!




