第22話 少年と水子
「それとな……少し視て貰いたい人がおるんじゃが……」
少し休けいした後、そしてスイカを食べてまた休けいした後、ゴーのお父さんがそんなことを言いだした。
「さ、さすがに今日は配信はいいかなっ。あはは~っ!」
「そうね、レイくんも疲れてるわよね」
僕はそんなに……と思ったけど、よく考えたら僕のエネルギー元はつばきちゃんなんだった……。
「うんっ! 僕疲れたーっ!」
「元気な『疲れた』だね」
ニアちゃん……ほっといてよ。
「ま、スイカも1玉、羊かんもたくさん食べるくらい、ってことだね」
「……美味しかったわ」
うぅ……つばきちゃん、ありがとうごめんね……。
「……あら、レイくん。どうしてそんな顔をするのかしら? 私は嬉しいのよ?」
「つばきちゃん……!」
がしっ!
「……バカップルは置いといて、申し訳ないのですが、そういう事なんです……」
「むむ。視るだけでも構わんのじゃ。わしの勘が正しければ……いや、大したことはないと思うのでの……」
たいしたことがないのに視て欲しいの?
「けど――」
「私は構わないわ。レイくんがよければだけれど」
んー。
つばきちゃんが疲れないようにすれば……。
「見るだけなら……」
▼▼▼
「こちらの方じゃ。説明は……ご自身でして貰えますかな?」
そして会ったのは若いお兄さん。
見るだけ、ということで配信はないみたい。
「は、はい……実は俺、呪われてるんじゃないかって……!」
ん~……確かに、ちょっとだけ霊力を感じるけど……。
けど、なぁ~……。
「以前から体調を崩していたのですが、ここ最近特に酷くって……多分ですけど、元カノの呪いなんです!」
「……詳しく聞かせて貰えますか?」
……。
……。
……。
「つまり、元カノを妊娠させて逃げ、更に今は別の女と付き合ってる、と。クズだな」
他にも言っていた気がするけど、とーるが短くまとめてくれたぞ!
「仰る通りです……」
「(……少し体調が悪くなったくらいで……本当に反省してるかなー)」
「(しないでしょ。どうせ今の彼女も捨てるんじゃね)」
ニアちゃんとぴーちゃんが後ろでこそこそ言ってる。
うん、僕はそんなことしないぞっ!
「(しかも今の彼女さん、元カノと付き合ってる時から仲良くしてたんでしょ? 絶対二股だよっ)」
「(それな。元カノを家に呼んだことないって……絶対ヤリモクじゃんっ)」
……絶対しないぞ!
けど……何だかうらや――はっ!?
「……」
「……」
つつつ、つばきちゃんがニコニコしながら僕を見てるけど……。
ごめんって!
「そ、それで……俺はやっぱり呪われてるんでしょうか……!?」
「呪われてろって言いたい気分だけど、さっきの後じゃあね……どう?」
ん~……。
「確かに何かいるけど……そんな強い子じゃないよ?」
「確かについてはいますが、あまり強い霊ではないですね」
こう、ちょっとおなかをいたくするくらいじゃない?
あ、もしかしてこのお兄さん、僕のこと見えてないのかな。
つばきちゃんが代弁してくれてる。
「やっぱり! 払ってくれ! お礼は必ずするから!」
「ん~……まぁ……」
あまりやりたくないな。
だって……きっとこの子って……。
「……あいや、その話を聞く限りこの方々のお手を煩わせるほどでもないようですな。わしがお経を読み上げる程度でもよろしいかと」
「そんな……っ!」
お兄さんはなっとくできなさそう。
「えぇ、大丈夫でしょう。恐らくこの霊はきっかけ……他に何か原因があるのかも知れませんね」
「そうなんだよ! 病院では血圧が異常に上がってたり血中の――」
……うん、なんだって?
「でしたら、まずは健康的な生活を送っては如何かしら。女性関係の悪い部分も見直したり」
「あ? ――っち。んだよっ! 言いたいことばっか言いやがってっ! もういいわっ!」
「――あっ」
おこったお兄さんは行ってしまった。
「……レイ殿、先ほどの方に憑いていたというのは……?」
お兄さんを見送って戻ってきたゴーのお父さんが聞いてくる。
つばきちゃんに代弁して貰おう。
「『小さな……赤ちゃんの幽霊だよ。でも小さい、本当に小さい。悪さなんてほとんどできないと思うよ』」
「……やはり、そうですか。それは……払わなくてもよかったかも知れませんな」
……そう、かな。
「恐らく、水子――生まれることのできなかった子の霊でしょう。そういう霊は……レイくんのような除霊ではなく、ゆっくり成仏させてあげたいと私は思うのです」
除霊……そうか。
いろいろな方法があるんだね。
「悪かったですのぅ、このような話に巻き込んでしまって」
「いや……いえ、ありがとうございます」
お読みくださりありがとうございます!
彼の本当の体調不良の原因は何でしょうね……というお話でした。
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