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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)12月中旬、関東管領、前橋上杉家の処分確定!

前橋城は古くは厩橋(まやばし)城と呼ばれていました。

わかり易くする為に前橋城の名称を使っています。


関東管領の職務を世襲していた山内上杉家(やまのうちうえすぎけ)を理解しやすい名称を考えて関東管領、前橋上杉家の名称を採用しています。

1546年(天文15年)12月中旬


勅使、万里小路頼房は前橋城の東側の大手門から入城すると本丸御殿に入り、大広間に案内されました。

万里小路頼房は関東管領の威厳を示す立派な城構えに感心しながら気を引き締めました。


本丸御殿の大広間には前橋上杉家の当主、上杉英房、筆頭宿老、長野業政など50名が平伏して勅使、万里小路頼房と立花家の護衛、加賀美利久らの従者20名を上座に迎えました。


万里小路頼房は勅命を読み上げる前に当主、上杉英房に尋ねました。

「上杉英房殿、館林城主、長尾元長から朝廷に対して謝罪文と誓約書を準備する様にと聞いておるか?」


「はい、準備は出来て御座います」


「それから、古河城にて古河公方家の兵士達が我が勅使の行列に投石した事件も聞いておるだろう?」


「はっ!承知しております」


「古河公方家に対して、朝廷からの勅命は古河公方の職務停止と謹慎三年であったが、投石事件の責任を取り、古河公方家は自主的に二年を加えて職務停止及び謹慎五年を申し入れた事を聞いておるか?」


「はっ!伺っております」


「古河公方家には言い渡したが、古河公方家の配下の全ての者が連座して五年間の謹慎!軍事行動を禁じる事に相成った!それも知っておろうな?」


「はっ、承知しております」


「つまり、古河公方家の配下である前橋上杉当主、上杉英房!これより五年間!関東管領の職務を停止!謹慎、軍事行動を禁ずる事になるが、連座して処分される事に不満はあるか?」


「はっ、不満など御座いません!」


「それでは勅命は三年間、関東管領の職務停止と謹慎、軍事行動を禁ずる処分であるが、古河公方家に習い、更に二年を加えて五年間の職務停止、謹慎、軍事行動禁ずる事を自主的に申し入れるのだな?」


「はっ、自主的に二年を加えて五年間の処分を申請致します!」


「良し!良くぞ申された!」

万里小路頼房は上杉英房を誘導する様に追い込み、自主的に五年間の処分を申請させました。

万里小路頼房は勅使として勅命を読み上げ、三年間の処分に加わて二年を加えた五年間の職務停止、謹慎と軍事行動を禁ずる処分を宣言しました。


「それでは上杉英房!明日の朝までに関東騒乱を招いた謝罪文と、誓約書を提出せよ!

特に滝山大石家の家督相続や秩父藤田家の相続に横槍を入れて軍事力を行使した事を踏まえて大いに反省せよ!」


「ははっ!承知致しました!」

厳しい追及に上杉英房は素直に従うしかありません。

筆頭宿老、長野業政に発言する隙を与えず、当主を操り、前橋上杉家を従わせました。


二年前、滝山大石家は嫡男を失い、悲しみに暮れる最中に前橋上杉家は一族から養子を送り込み、滝山大石家を乗っ取る事を企てましたが、滝山大石家は立花家から養子を受け入れた為、前橋上杉家は怒って大軍を率いて滝山城を攻撃しています。

滝山城には立花家の援軍が駆けつけて前橋上杉家は大敗しています。 

当時の当主、上杉憲政が一騎打ちの末に生け捕りになった事がありました。


更に一年前、秩父藤田家から嫡男に家督相続の申請が有りながら認めず、傀儡当主を新領主に送り込み、秩父藤田一族は領地の大半を没収されて虐げた事実がありました。

秩父藤田家は立花家の援軍に助けられ、前橋上杉軍を秩父方面から追い出して全領地を回復しています。

少なくとも最近数年で前橋上杉家は我儘な振る舞いを犯して関東騒乱の原因になっていました。


「筆頭宿老、長野業政!滝山大石家の相続に介入した件と秩父藤田家の相続に介入した件について反論はあるか?」


「はっ!…御座いません!」

万里小路頼房から突然の問いかけに長野業政は反論の余地がありませんでした。


「潔し!長野業政!其方は滝山城攻めの当時、当時の当主、上杉憲政に大義名分無しと諫言した事により、謹慎を命じられ、戦いに参加していなかったな?」


「はっ、謹慎を命じられ、戦いに参加しておりません!」


「さらに、秩父藤田家の相続に介入した事に関しては当時の筆頭宿老、長尾憲長の独断で行ったのは本当か?」


「万里小路様!其の当時、長野業政は長尾憲長の館林城に監禁されて関与しておりませぬ!

長尾憲長を止められ無かった私に罪が御座います!」

当主の上杉英房が長野業政を庇いました。


「ほほぉ、上杉英房、当主でありながら、筆頭宿老の暴挙を止めなかった罪は重いぞ!

関東管領の職務に違反した行為である!

その罪を償うのに五年の月日で朝廷や関東の民や諸将に態度で示されよ!」


「ははっ!承知致しました!」

素直に平伏する上杉英房…

万里小路頼房は上杉英房、長野業政にしっかり反省を促し、その他の重臣や家臣達に罪の重さを知らしめました。



万里小路頼房、勅使として臨機応変、交渉力に優れた能力を発揮しています。

朝廷の権威を保ち、古河公方家、関東管領、前橋上杉家を厳しく裁きました。

立花家に好意を持ち、味方になれば極めて頼もしい人物でありました。

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