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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)11月下旬、織田信秀反撃!小田井城攻略!

古渡城の危機が去り、織田信秀側の反撃が始まります。史実とは少し違う状況になりそうです。

1546年(天文15年)11月下旬


11月27日、早朝から始まった古渡城の攻防戦は城方が開戦から2時間過ぎた頃、織田信秀配下の軍勢と立花家の軍勢が来援して窮地を逃れました。

正午過ぎには古渡城周辺に10000を超える軍勢が集結、選抜された兵士達が手伝い、放火された倉庫や蔵、馬房に本丸御殿の後片付けが始まりました。


一部の倉庫、蔵や馬房は全焼、本丸御殿は半焼で済みましたが、本丸は使い物にならない状態になりました。

本丸に宿泊していた斯波家と織田大和守家の来客は大半が死亡、数名が捕虜になり、侵入していた織田大和守家の兵士は数名が捕虜になり壊滅しています。

捕虜の証言から敵の首謀者は織田大和守家の重臣、坂井大膳、主人の織田信友に宴の油断を突く必勝の策だと説得して奇襲して来た事が判明しました。

城内各所は未だ煙が上がり、再燃防止に水掛けを続けていました。


織田信秀は信長を呼出し、何故敵の奇襲を察知したのか聞きました。

信長は松千代が熱田神宮の大神様のお告げを聞いた事は言いませんでした。

「父上!守護代、織田大和守家の家臣の分際で国主みたいな態度の生意気な織田信秀が宴会で油断している様子を知れば奇襲して消し去りたくなるでしょう?

だから密かに探らせておりました!」


「そうか、そこまで先を読んでいたのか?!

ぐははは!俺は跡継ぎに恵まれたようだ!」


信長は「松ちび、済まぬ…」

心の中で松千代に謝ります。

父、信秀に真相を話しても信じて貰えぬと考えました。

織田信秀は満面の笑みでその場を離れ、二の丸御殿の広間に諸将を集めました。

広間には織田信秀の配下の武将達と立花家と同盟大名家の諸将に松千代、信長も呼ばれました。


集まった諸将に織田信秀は声を掛けました。

「古渡城の危機に駆けつけてくれた諸将に感謝申し上げる!主家、織田大和守家は信頼を裏切り、賓客の歓迎の宴の直後を狙う卑劣な手段で奇襲を仕掛けて参った!この所業に対して諸将のご意見を賜わりたい!」


信秀の言葉に諸将の大半は反撃するべきだと主張しました。古渡城を攻撃した敵の総大将、坂井大膳の軍勢は小田井城へ逃げ込んだ事が判明しています。

小田井城は古渡城から2里強(10キロ)にあり、敵が守備を固める前に攻める事が肝要です。


敵の織田大和守家の総兵力は3000程と推定されます。さらに加勢する可能性がある岩倉織田家の推定兵力は4000程と考えられます。

織田信秀の手元に集結した兵力が10000、但し、その中には織田大和守家と岩倉織田家から預かっている寄騎の軍勢1000ずつ、合計2000が含まれていました。


隣国の大勢力、今川家に対抗する為、尾張国では陪臣の身分にありながら織田信秀に各勢力が軍勢を託していました。

織田信秀直属の軍勢は5000、預かって居る与力の軍勢が5000と半分を占めています。

その為、織田信秀は寄騎の武将達に配慮しなければなりません。


しかし、織田大和守家の武将と岩倉織田家の武将は織田信秀の直属の武将、直属の軍勢に雇うなら主家の攻撃に参加すると宣言しました。

織田信秀側に参加すれば勝てるのは明白、この場で態度をあやふやなままにすれば信秀の配下の武将達から粛清の対象にされてしまう可能性があります。

彼らもギリギリの選択で態度を鮮明にしました。


織田信秀は意外な展開に意表を突かれましたが、大勢の武将達の手前、織田大和守家、岩倉織田家の武将と彼らが率いる軍勢2000を雇う事を心に決めました。

「ぐははは!お二人の気持ちは承知致しましたぞ!

織田信秀は貴殿らの申し入れを喜んで受け取り、全員を雇いましょう!」


太っ腹な言葉に諸将から賞賛の声が上がりました。

その後に諸将から敵側の奇襲を退けた勝因を尋ねる声が上がりました。

そこで織田信秀は信長から敵の奇襲を告げられた事を公表しました。

さらには立花家の護衛200名の弓の支援が無ければ援軍が来る前に負けていたと正直に明かしました。


「兄上!それで小田井城をどうなさる?

明日になれば状況は変わりますぞ!

素早く攻めねば効果が薄れる故、我が身に先鋒を任せて頂きたい!我に織田大和守家と岩倉織田家の軍勢を加勢に頂ければ即座に落として見せましょう!」

信秀の弟、織田信光が先鋒に立候補しました。


織田信秀は弟の言葉に笑います。

「ぐははは!新規に雇う織田大和守家と岩倉織田家の軍勢を率いてくれるか?

よし、織田信光!織田大和守家、岩倉織田家の軍勢に加えて3000を与える!

合計5000の軍勢で小田井城を奪って参れ!」


「ちょっと待ったー!」

そこに織田信長が手を上げて立ち上がりました。


「信長、何だ?軍議の席だぞ、控えておれ!」


「父上!敵の奇襲を知らせた功績の見返りに、我に初陣の機会を所望致します!

信光叔父の軍勢に加えてくだされ!」


「なんだとー!?初陣?

それは来年、元服を済ませてからだ!事前にあれこれと準備があり、武家の作法を守らねばならぬ!」

信秀は却下しようとしましたが、弟の織田信光が援護します。

「兄上!お任せあれ!先鋒を託されたついでに可愛い甥に初陣を飾らせましょう。 

作法など良いではありませんか?

信長、見事な決意だ!

兄上!良いじゃないか?」


「うぬぬ…わかった!信長!初陣を許す!」


「父上!感謝致します!」


「信光!信長を頼んだぞ!」


「お任せあれ!」

織田信光が満面の笑みで信長の初陣の援護を引き受けました。


織田信光が率いる軍勢5000は信長を連れて小田井城に向い、後詰に信秀が3000を率いて出陣しました。


夕刻、小田井城に到着した織田信光の軍勢は無事に織田信長の初陣を飾らせて小田井城を攻略、本丸御殿は火に包まれ、周囲に陥落した事を示しました。

後詰の織田信秀の軍勢が到着する前に既に決着がついていました。


小田井城の先、北西1里(4キロ)に織田大和守家の本拠地、清洲城が存在します。

小田井城が火に包まれる様子が報告され、清洲城内と城下町は騒然となりました。

日没後も小田井城の炎は消えず、清洲の町に恐怖が伝わりました。













小田井城を攻略しました。

織田信秀の反撃は主家の本拠地、清洲城に迫ります。


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