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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)11月下旬、伊勢神宮参拝

立花家と同盟大名家の一行は鳥羽湊に到着しました。

念願の伊勢神宮参拝に向かいます。

1546年(天文15年)11月下旬


11月22日、志摩国、鳥羽湊に到着した立花家、同盟大名家の一行は翌23日を休息日にしました。

鳥羽周辺には古代から温泉が湧いており、立花家や同盟大名家の軍勢は分散して温泉に入り身体を癒しました。


志摩国、鳥羽周辺を支配しているのは鳥羽水軍と名乗っていましたが、立花家と提携した九鬼一族が勢力を拡大して最大勢力になり、やがて九鬼水軍と名乗る事になりました。

史実の九鬼一族は1570年頃に織田信長に仕えます。1578年には第二次木津川口の戦いにて織田家の水軍の主力として毛利家の水軍と戦い、活躍する筈でしたが、立花家と深く繋がり、一族が飛躍した事から、織田信長に仕える事は無くなり、信長は史実と違う状況に遭遇する事になりそうです。


松千代と祖父、立花義秀は九鬼家の別邸にある温泉に浸かり、未来について語ります。


「お爺、史実通りなら、この先の未来で織田信長は上洛を果たして三好政権を倒して近畿地方を制覇するよね?」


「そうだな…史実通り信長に近畿地方を大掃除して貰い、信長が本願寺と戦う頃には立花家は関東を制覇してなきゃならんよな?」


「お爺、史実では織田家の水軍の中核になる筈の九鬼水軍を立花家が味方にしてる。さらには熊野水軍、雑賀水軍が味方に付いてる。史実では雑賀水軍が間もなく鉄砲の製造に成功して量産するよ。

立花家が雑賀鉄砲衆を纒めて雇うのも良し、史実でも本願寺に味方して信長を苦しめる雑賀衆を味方に付けたから、立花家が信長と対立しても有利になりそうだよ!」


「ぶはははは!…関東を制覇して武田信玄と北条家を従えて信長と決戦となれば、本願寺を含めた信長包囲網が出来そうだな?」


「お爺、夢は夢、未来が少し開けただけ、まだまだ努力の積み重ねが大事だよね?」


「ぐふふふ…未来が少し開けただけか…うむ、慢心せずにコツコツやらなきゃならんな…」


「お爺、古河公方家と関東管領家は朝廷の指示に従い、五年間の謹慎に耐えられるのかな?」


「うーむ、朝廷は関東争乱の責任を追及して五年間の謹慎を命じると聞いたが、果たして奴らが従うか否かわからぬ。五年間も我慢してくれたら立花家と同盟大名家の内政は充実するから有り難いが…」


温泉に癒された立花家と同盟大名家の一行は歓迎の宴に鳥羽の海の幸で舌と腹を満たしました。

翌11月23日早暁、立花家と同盟大名家の一行は鳥羽から北へ3里弱(10キロ)離れた二見浦に向かいます。古来より伊勢神宮参拝の前に北へ10キロ離れた二見興玉神社前の海に入り身を浄めてから伊勢神宮に参拝するのが正式な参拝作法とされていました。


護衛を含めた200騎と歩兵300名は日の出直前に二見浦に到着、午前六時半頃の日の出と共に伊勢神宮へ参拝する200名が首まで海に浸かり、冬の海で身を浄め、目前の二見興玉神社ふたみおきたまじんじゃに参拝、さらに南西に3里弱(10キロ)の伊勢神宮へ向いました。


二見興玉神社の周囲には独特の霊気が漲り、冷たい海水で浄めた身体が不思議と暖まりました。

一行が伊勢神宮に近づくにつれて新たな霊気に包まれ、やがて伊勢神宮外宮の参道に入りました。

外宮の入り口、火除橋の前には伊勢神宮、最高職の祭主、大宮司、少宮司などの神職20名程が立花家、同盟大名家の一行を出迎えました。


総員下馬、徒歩にて外宮へ入ります。

伊勢神宮には大宮司の上の最高職として内宮、外宮を管理する最高職の祭主が全てを取り仕切ります。

伊勢神宮の祭主が出迎えるのは帝または朝廷の勅使が訪れる時に限られ、異例の歓迎となりました。


「お爺、霊気と言うか、神気が凄いよ!

秩父の三峯神社みたいに凄いよ!」

歩きながら松千代が祖父、義秀に伝えます。


「おぉっ!鈍感な我が身も感じるぞ! 何かに包まれる感覚があるぞ!」


「お爺、伊勢神宮の神気が満ちているよ!

これはねぇ、豊受大御神様の神気だよ!」


「うぬぬ?」


「お爺、伊勢神宮の外宮の神様だよ!

伊勢神宮の内宮、天照大御神あまてらすおおみかみの神様のお世話をする神様でね、豊受大御神の神様は食べ物と子宝の神様なんだよ!

今はねぇ、お空の上から微笑んでるよ!


「何?空に神様が見えてるのか?」


「見えてるよ。お爺には見えないの?」


「見たいけど見えないぞ!」


周りの兵士達がくすくすと笑っています。

念願の伊勢参りで松千代の神霊を観る能力が高まったのかもしれません。

伊勢神宮の歴代祭主は皇族もしくは五摂家などの地位の高い公家の血を継承する人物に引き継がれています。

令和の現代は徳仁天皇陛下の妹、黒田清子(くろださやこ)様が祭主に就任しています。

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