1546年(天文15年)11月中旬、松千代、本願寺との初取引にてノドグロ発見!
本願寺と立花家及び同盟大名家は交易を始める事になりました。
御坊内で初取引が始まります。
1546年(天文15年)11月中旬
立花家、同盟大名家の軍勢は本願寺の歓待を受けて2日間滞在しました。
滞在2日目は本願寺と立花家及び同盟大名家との交易に関する話し合いが行われ、大まかな事柄が決まりました。詳細については後日、堺の立花家の商館にて担当者と調整する事が決まりました。
取り敢えず本願寺と立花家及び同盟大名家との交易が始まる事になりました。
本願寺の宗派の勢力は加賀国、能登国、越前国、若狭国、近江国、大和、和泉国、摂津国、河内国、紀伊国、丹波、播磨国の広範囲に及び、多数の信者を抱えています。それぞれの産地の商品が大阪本願寺に集まリます。
立花家及び同盟大名家の交易品は関東、東北、蝦夷地の交易品が主流になり、一部は讃岐高松、博多、鹿児島からの交易品が手に入ります。
互いの商圏から交易品が集まれば大きな取引になる事は確実です。
「ぶはははは!日本海側の新たな交易品が手に入るなら、良き取引になるぞ!」
立花義秀が喜びます。
本願寺側も東国の商品が手に入り、互恵関係が成立します。
「東国の商品は魅力があるぞ!清酒に焼酎、鰹節に蝦夷地の最高級昆布が手に入るぞ!」
などと、法主、証如も喜びました。
立花義秀は手始めに同行している商人達に御坊内の商家を訪ねて買い付けを命じました。
諸国から集まった商品を次々に買い付けて荷台や馬に乗せて持ち帰る事になりました。
日本海で獲れる鮭、鱈、ニシンなど魚の干物、燻製や漬物、各種野菜の種や芋類、漆器に壺、桐箪笥、越後上布等が集められ、最初の取引としては上々の良い品物を購入する事が出来ました。
立花家や同盟大名家の人々は商人達が買い付けた商品を確認する事になりました。
松千代が探していた天王寺周辺の蕪とその種が確保され、松千代が確認すると天王寺周辺の蕪の葉は大きく、野沢菜らしき雰囲気がありました。
松千代は嬉しくてニコニコしています。
「お爺!天王寺周辺の蕪の葉は野沢菜の雰囲気あり!
これから栽培が楽しみだよ!」
「そうか、良かったな!旨い漬物が増えるぞ!
松千代!日本海産の干物も旨そうだぞ!」
松千代と祖父、義秀が楽しそうに購入下商品を確認しています。商品には名札が添えてありました。
鮭、鱈、ニシン等の燻製や干物が並ぶ中にアカムツがありました。
「あれ?もしかして!アカムツ(別名ノドグロ)!?
ヒャッハー!アカムツ!アカムツ!ノドグロだー!」
確かに名札にアカムツと書いてありました。
平成、令和の時代に特に有名になる日本海の高級魚、深海に生息する為、漁獲量は限られています。
松千代は前世で大好物だったので大喜び、義秀はその旨さを知りませんでした。
「ぶはははは!何だ?松千代アカムツ?そんなに喜ぶ程旨いのか?」
「きゃははは!お爺!アカムツの干物を焼いて食べたら虜になるよ!ノドが黒いから別名ノドグロなんだよ!試しに夕食に焼いて食べようね!」
「よっしゃ!ならば今夜は干物を食べ比べるぞ!
鮭、鱈、ニシン、ノドグロとやらを食べ比べるぞ!」
そして夜になり、夕食には鮭、鱈、ニシン、ノドグロ等の燻製や干物が出されてどの食材も唸る程の上等な食材でした。
「何だこの旨さは!?松千代!ノドグロは最高だ!」
「お爺ぃー!ノドグロ最高だよー!」
松千代と義秀が楽しそうにノドグロを味わいます。
周りの立花家、同盟大名家の僅かな人達だけが、ノドグロの旨さを知りました。
ノドグロは貴重品の為、数に限りがありました。
「お爺!ノドグロの干物をもう少し増やせないのかな?深海魚だから難しいかなぁ?」
「そうだなぁ、ダメ元で打診するが、期待してはならんぞ、我らが要請した為に漁民に負担が掛かるならば避けなければならぬからな!」
「お爺ありがとう!お爺大好き!」
「まぁ、干物の類は夏場を避けての取引になるだろうから、まだ大きな期待は出来ぬぞ!
日本海側の産地から大阪の本願寺経由で府中に到着する迄、商品として安全に食べる為の工夫をせねばならぬ、まぁ商人達の知恵を信じて任せるとするぞ!」
「流石お爺!かっこいいー!」
その日の夕餉は和やかに、本願寺滞在最後の夜を過ごしました。
立花家、同盟大名家の軍勢は11月13日、14日の2日間滞在した大阪本願寺御坊から15日、上洛の本拠地、4里(16キロ)先の浅香山宿営地に向かいました。
松千代が希望した野沢菜らしき食材を確保しました。
更にはノドグロを見つけて大満足となりました。




