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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)11月上旬、立花義秀、武蔵守護職、従三位左近衛大将叙任!

立花家、猿渡家が朝廷から特別な計らいで叙任されます。立花家が400年余、猿渡家は700年余の間、皇室、近衛家、九条家の荘園を守り続けた事を称えます。



1546年(天文15年)11月上旬


11月5日、立花義秀の武蔵守護職の叙任の日になりました。朝廷は立花家と大國魂神社の大宮司、猿渡家の功績に配慮して両家の5名に新たに官位を授けます。

その為に早暁から東福寺では立花家、猿渡家、同盟大名家の軍勢が出発の準備を進めています。

今回の護衛は東福寺の僧兵1000だけに限定、立花家と同盟大名家の軍勢3000が行軍します。


叙任の儀式の前に身を清める為、立花義秀、立花将広、猿渡盛胤の3名は井戸水を浴びて水垢離を行い、心と体を浄めました。

やがて早朝、日が昇る時刻(6時半頃)に軍勢は東福寺を出発、北へ2里(8キロ)先の下鴨神社に向かいました。


下鴨神社に向かった事には訳がありました。それは2日前に下鴨神社を参拝した後、松千代の夢に下鴨神社の神様が現れ、朝廷から叙任を受ける当日早朝に下鴨神社に参拝する事を求めました。神様は起請文を奉納して宮司の祈祷を受ける様にと神託があった為でした。


松千代から話しを聞いた祖父、義秀がご老公様(猿渡盛胤)を通じて下鴨神社に仔細を説明して早朝から祈祷をして頂く事になりました。

東福寺から出発した軍勢は下鴨神社まで2時間程で到着しました。

辺りには紅葉の美しい山の姿があり、早朝の澄んだ空気に包まれた糺のただすのもりを抜けて楼門から境内に入ります。軍勢の大半を待機させて護衛を含めた200名が本宮にて参拝、起請文を奉納して宮司の祈祷を受けました。


祈祷を受けた後、糺の森からの帰路、松千代が祖父、義秀に尋ねました。

「お爺、起請文に何を書いたの?」


「聞きたいか?

天下統一などとは書いておらんぞ!

日本全国の民の安寧を願い、立花家、猿渡家、同盟大名家を支援してくれる人々の為に最善をつくして正義の為に働くと誓いを記しただけだ…松千代、起請文は簡単に書ける物では無いぞ…何回も書き直しを繰り返したからなぁ…ぶはははは!寝不足だ!」


軍勢が糺の森を抜けると鴨川沿いに南下、御所の東側を通過して丸太町通りから御所の玄関口、堺町御門に到着しました。

立花家、同盟大名家の軍勢3000が御所に入り、建礼門から先は立花家、猿渡家、同盟大名家から選ばれた30名と護衛10名だけが通されて紫宸殿に入りました。


紫宸殿に招かれたのは立花家、立花義秀、立花将広、立花松千代、鹿島政家、鹿島政勝、立花頼政、瀬沼信勝、佐伯勝長、藤原家長、日奉宗政、大國魂神社猿渡家、猿渡盛胤、猿渡盛春、世田谷吉良家、吉良頼高、吉良頼貞、青梅三田家、三田綱秀、三田綱重、滝山大石家、大石定久、大石盛将、江戸太田家、太田景資、太田資貞、船橋高城家、高城義春、馬込和長、秩父藤田家、藤田重綱、藤田康邦、房総里見家、里見義弘、土岐為頼、甲斐武田家、武田信繁、小山田信有、小田原北条家、北条玄庵、北条時長の30名に加えて護衛10名が昇殿しました。


紫宸殿には本来、五位以上の官位がなければ入れませんが、皇室、朝廷に数百年に渡り多大な貢献をした立花家、猿渡家の為に特例として昇殿が許可されました。


上座には五摂家筆頭、近衛稙家、九条稙通が控え、その先に御簾みすが下ろされています。

御簾の中に後奈良天皇と関白、一条房通が現れ、叙任の儀式が始まりました。


まず、一条房通が立花家と猿渡家は数百年に渡り、皇室と近衛家、九条家の荘園を守って来た功績を称え、立花家と猿渡家に叙任の栄誉を与えると宣言しました。

朝廷の楽士が演奏を始めます。

宮廷雅楽の音色が響き、叙任の儀式が始まりました。

立花家には立花義秀に武蔵守護職、従三位左近衛大将、嫡男、立花義國に従四位下左近衛中将、立花将広に従四位弾正大弼が与えられました。

猿渡家にはご老公、猿渡盛胤に正三位神祇大伯、嫡男、猿渡盛村に従四位下神祇伯が与えられました。


雅楽の演奏が終わり、最後に帝から特別な言葉がありました。

「立花家、猿渡家の誠意は数百年、今も続いている事を朕は心に刻み、感謝を忘れない」


立花家、猿渡家、同盟大名家の一同に帝が特別に声を聞かせました。

異例の事に一同全員が平伏して帝の声に感激する事になりました。


叙任の儀式が終わり、一同は宴席が行われる陽光殿に移動します。

松千代が義秀に声を掛けます。

「お爺、帝の声を聞けるなんて思わなかったから感激したよ!」


「そうだな、帝の謁見に加えてお声を頂いた事実は後々の宝になるだろう。

さらには武蔵守護職を朝廷から戴いた事は幕府も悔しいだろうが、本来は朝廷の権限であり、守護職の任命権は幕府に貸し出されていたに過ぎぬ、幕府に実力無き今は指を加えて屈辱に耐えるしかあるまい!」


「お爺、朝廷から栄誉を戴いたけど、慢心に気をつけなきゃね、宴席で浮かれたらダメだよ!」


「ぶはははは!わかっておるぞ、天狗にならぬ様にしなきゃならんよな?」


孫に諭される様子に周りの人々が温かく見守ります。

陽光殿にて立花家、猿渡家の叙任を祝う宴席が始まりました。



上洛の最大の目的、武蔵守護職と官位の叙任の儀式が終わり、上洛の日程は後半に差し掛かりました。

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