1546年(天文15年)5月24日、川口方面駐留軍、川越方面駐留軍配置決定!そして上洛計画浮上!
2ヶ月続いた古河公方家との戦いは秩父、川越、房総半島、柏方面の広範囲になりました。
苦戦しながらも立花家は同盟大名家と協力して勝利しました。
立花義秀と鹿島政家は残務処理に追われていますが…
1546年(天文15年)5月24日
昨日、岩槻城から関宿城には朗報が届きました。足利晴氏が率いる軍勢は太田資正、重臣、河野秀康を討ち取り、1日で岩槻太田領の大半を制圧、岩槻太田家の滅亡を知りました。晴氏は古河公方家を嫡男、足利政孝に譲り、岩槻公方家を創設したいと希望が伝えられました。
─関宿城─
─簗田高助、簗田晴助─
「晴助、公方様を強制的に隠居させるつもりが意外な事になったな。
公方様と遺恨を作らずに済んだ…
公方様は身を引いてくれたのだ…
野田弘明の手腕も見事だ!」
「父上、岩槻太田家が消滅したお陰で駐留軍を常時配備出来ます!立花家と戦うには好都合です!」
「そうだな、まずは立花家と国境を接する事になり、国境周辺に新たな城を普請せねばならぬ、古河公方家の継承手続きと岩槻公方家の創設も幕府に申請せねばならぬ、論功行賞に戦いの後始末も有り、暫く多忙になるぞ!」
簗田高助は先日の戦いで負傷して以来続いていた微熱が収まり、体力も回復しました。
簗田親子は午前中に関宿城を出発して古河城に昼前に到着、留守中の残務整理に着手しました。
江戸太田家の本拠地、江戸城では古河公方家に対抗して川口方面に駐留軍する軍勢の協議が行われて配置が決まりました。
─川口方面駐留軍24000─
総大将、立花義弘7000
副将、伊集院忠久5000
諏訪頼宗3000
江戸太田家、太田資貞3000
世田谷吉良家、奥沢秀政3000
青梅三田家、来住野泰知3000
駐留軍は川口城周辺の城にに分散して駐留します。新たに幾つかの城普請をする事も決まりました。
続いて川越方面駐留軍の協議が行われ、大筋の配置が決まりました。
─川越方面駐留軍30000─
総大将、立花義國10000
副将、東郷信久5000
福島正義4000
髙梨義成3000
山口頼継3000
滝山大石家、田野倉英明3000
青梅三田家、師岡和春2000
川越は城下町の四割が放火による焼失の為、多数の作業従事者が必要になります。
30000の軍勢は復興作業と周辺警備を託されました。
─江戸太田家、江戸城─
─立花義秀、鹿島政家─
「ようやく戦の後始末は峠を越えたな?
川越は城下町復興を最優先にするぞ!」
「はい、同盟大名家も快く駐留軍を出してくれました。立花家と交易を共同出資した事で財政に余裕が有り、兵力増員が軌道に乗ってる様でございます」
「後は府中に戻ったら房総半島、市原方面の駐留軍の見直しと、遠征用の軍勢の整備だな?」
「はい、それから川越、秩父、房総半島、柏、各々四つの戦場の論功行賞がございます」
「ぶははは!それが一番大変だな?」
「殿、既に大半の功績は纏めてございます。
現在、監査役の者達が諸将と確認を進めております」
「後は2ヶ月に渡る戦いの経緯を纏めて朝廷に報告するぞ!川越城を手に入れた我が立花家は武蔵国の大半を領有するに至った!
政家!武蔵守護は誰だ?」
「はっ!?それは…伝説の名将、太田道灌の在りし頃、山内上杉家、現在の前橋上杉家が武蔵国を領有していた頃までは山内上杉家が武蔵守護でありましたが、戦乱が続いて空位になってるはずにございます」
「それでは現在の武蔵守護代は誰だ?」
「それは殿、立花義秀様にございます!
まさか?殿?」
「ぶははは!武蔵国の大半を領有したからな、いつまでも守護代ではつまらぬ!
幕府は分裂しており、都の管領の細川と近江坂本に引きこもる名ばかりの足利義晴が対立して何も出来ぬ!
朝廷に武蔵守護職を請願するぞ!」
「殿!?守護職の任命権は幕府に有りますが、朝廷が任命するのは前例がございません!朝廷が任命した場合、それは幕府と決定的な対立となりますが宜しいのですか?」
「今の幕府はな、資金不足で、最高権力者の細川晴元にも大した事は出来ぬ!
政家、元々は朝廷が守護職を任命していたのだが、平清盛、鎌倉幕府、室町幕府が成立した時に任命権を預けていたに過ぎぬ!
朝廷には立花家が届ける皇室、近衛家、九条家の荘園の産物や献上金、献上品により財政に余裕がある程だからな、今なら請願が成就する可能性があるぞ!」
「承知致しました。
朝廷に送る使者を考慮せねばなりません。
前回は一年半前、横浜湊から義国様と猿渡のご老公様(大國魂神社、前大宮司)と私が堺の町へ参りましたが、如何いたしますか?」
「将広(立花将広)と松千代、政家!お前にも行って貰うぞ!さらにご老公様には俺が大國魂神社に出向いて打診してみるが、前回堺に自ら行くと申されたから、今回も筋を通して知らせなきゃいかんからな!」
「松千代様を行かせるのですか?!」
「ぶははは!実はな、武蔵守護職の請願は松千代が大國魂神社の大神様の夢のお告げを受けたからなのだ!
人選も大神様のご指名なのだ!」
「殿、大神様の夢のお告げなら間違い無く希望は成就いたしましょう。
武蔵守護職!楽しくなりそうでございます!」
そこに美人侍女五名を引き連れて松千代が現れました。
「お爺!お昼寝してたら大神様からね、都に上洛する方法教えて貰ったよ!」
「上洛!?松千代、堺の湊から京の都までは治安が悪くて無理だろ?」
「お爺!大國魂神社は関東の八幡神社の最高位だよね?それは朝廷も御存じだよね?
その関東最高位の大國魂神社の元大宮司のご老公様が都に上洛なされる。
大神様はね、堺に先触れの使者を派遣するならば、和泉国、河内国、摂津国、山城国等の八幡神社から召集された神兵が護衛になり、都に上洛出来るから朝廷に武蔵守護職の請願を出しなさいと仰るんだよ!」
「おぉ!上洛出来るのか?
松千代!政家!上洛して帝に拝謁したならば、立花家の立場は帝、朝廷が後押しする特別な存在になるぞ!」
「お爺!楽しみだよ!帝に拝謁出来たら良いけど…都の景色を楽しんで来るよ!」
「殿、畏れ多くて目が回りそうです!」
「ぶははは!凄く良い気分だ!」
「お爺、上洛する人数決めて衣装も統一して、護衛の兵士の軍装も神兵らしく格好いい物を用意しなきゃね!
立花家の印象を良くするには上洛の人数が多い方がよいかも?
立花家の軍旗に馬も必要!100頭?200頭?馬にも特別な軍装をしなきゃならないよね?」
「そうだ!豪華にしなきゃならんぞ!
政家!豪華に派手にやるぞ!」
「はい、承知致しました!」
武蔵守護職請願の為に上洛計画が浮上しました。果たして実現するでしょうか?




