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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)5月18日、未払金回収!簗田家の財力発動!

簗田家の財力は古河公方家を支えています。

簗田家の財力の源が明らかになりそうです。

1546年(天文15年)5月18日


大堀川陣営周辺に立花家と同盟大名家の軍勢が集まり、合わせて90000の軍勢になりました。昨夜は立花義秀が諸将を集めて祝いの宴になりました。


早暁に目覚めた松千代は立花家の諸将と兵士達に気の緩みを感じました。

護衛役の瀬沼信勝に指示を出して直属の兵士200名を集めて朝の儀式を決行する事にしました。


夜が明けて、地平線から太陽が上がり、周囲が明るくなりました。

掛け声で立花家の軍勢を叩き起こします。


「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」


大堀川陣営の周囲に掛け声が響きました。


「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」


二度の掛け声が響き、周囲で寝ていた兵士が少しずつ目を覚ましました。

松千代の声が響きます。


「我が立花家と!同盟大名家の兵士達よー!

正義と!民の安寧と!関東静謐の為に!

魂を捧げよ!

我が魂を大國魂おおくにたまの大神様に捧ぐー!

君が代、斉唱ぉー!」


松千代の澄んだ声が響きました。

200名の兵士達が斉唱します。


「君が代はー!千代にーい、八千代に、さざれー石のー!厳となーりて、苔のー蒸すーう、まーああでー!」


太鼓が響きます。

ダダダン!ニッポン!

ダダダン!ニッポン!


おぉー!おぉー!にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!

おぉー!おぉー!にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

ダダダン!た、ち、ば、な!

ダダダン!た、た、ば、な!


起き出した兵士達が寝起きで跳び跳ねて参加しました。


おぉー!おぉー!にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!

おぉー!おぉー!にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

にぃーぃっぽぉーぉん!

ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!

ダダダン!た、ち、ば、な!

ダダダン!た、ち、ば、な!


数万の兵士達が声をあげて応援歌に参加しました。

大堀川陣営周辺の敵味方の将兵全員が起床する事になりました。


応援歌を歌いながら跳び跳ねた兵士達は目が覚めて清々しい朝を迎えます。

二日酔いの諸将も叩き起こされ、目覚める事になりました。


祖父、立花義秀は松千代が兵士達と君が代斉唱斉唱と応援歌で気合いを入れてると理解してニコニコ笑顔になりました。


─立花義秀、鹿島政家─


「ぶははは!松千代が緩んだ雰囲気に気合いを入れてくれたぞ!」


「はい、見事にございます」

二人の顔が緩みました。


やがて松千代が現れ、義秀に朝の挨拶をすませると考えていた事を話します。


「お爺、簗田高助に常陸国の僧兵3000が立花家に仕官する事は知らせたの?」


「おっ?してないな、政家?…」


「はっ、失念してました!支払い保証書まで要求して発行したのに、簗田高助に知らせずに済ませておりました!」


「お爺、直ぐに通告!

それから未払金の支払い保証書は有効だから支払いを要求する!

拒否するなら簗田親子を捕らえて罪人として都に護送して朝廷に引き渡す!

脅して何かの譲歩を引き出すだけ、金銭の受け取り拘らなくて良し!」


「何ぃー!……ぶははは!そうか!

先手を打たなきゃ相手の論理が優位になる!

難癖でも良いから先手を打てば良いのだな?」


「お爺正解!使者は誰にする?」


「おっ?松千代、厳しいな…二日酔いで頭が回らぬぞ!政家!使者には誰が良いのだ?」


「それならば、私が参りましょう!

支払い方法を具体的に決めて参ります!」

筆頭宿老、鹿島政家が自ら申し出ました。


「政家が行ってくれるか?

松千代?政家なら良いかな?」


「はい、政家叔父様にお願いします!」

松千代が承諾しました。


「決まった!政家!頼んだぞ!」


「では、行って参ります!」


早朝に関わらず、鹿島政家が簗田高助との面談に向かいました。


「お爺、総大将を父上(立花義國)に任せたよね、作戦の立案から実行に至る評価、連携の良し悪し、反省点など、課題を把握して次に繋げる事をしなきゃならないよね?」


「ぶははは!松千代は厳しいなぁ…

解った!政勝!(鹿島政家嫡男)聞いてたか?」

側に控えていた鹿島政勝に尋ねました。


「はい、監査役の報告と各部隊の武将から確認が必要になりますが、父の采配にて既に着手しており、本日中に纏まります!」


「解った!さすが政家だな、松千代これで良いかな?」


「はい、さすが政家叔父様!

さて、お爺は次に岩槻太田家との攻防戦の後始末に行くんだよね?」


「情報把握して先手を打つ必要があるが、

まず、高城家領内の駐留軍総大将を決めなきゃならんな?」


「正解!お爺、先日、本多広孝叔父様が亡くなり、後を託すのは誰が最適なのか?

選んで、僧兵部隊の配置と佐竹勢の配置を決めるのに時間を割くから、岩槻太田家との戦いの後始末には先行して誰かを派遣しなきゃならないよね?」


「そうだな、岩槻太田家の事なら将広か?

宿老の佐伯勝長だな!」


「それでお爺は岩槻太田家の後始末に先行させるのは誰が良いのかな?


「即決して大きな仕事を託すなら将広だがな、日頃から近衛府の長官として円満に調整が出来る佐伯勝長が相応しいと思うがどうだ?」


「お爺凄い!正解!満点だよ!」


「ぶははは!

まるで松千代は俺の軍師みたいだな?」


「単なる孫だよ!きゃははは!」


松千代と義秀のやり取りに側近達がクスクス笑います。

松千代は美人侍女を従えて陣営近くの諏訪神社にお参りに向かいました。


簗田高助の陣営に出向いた鹿島政家は常陸国僧兵3000が立花家に仕官する事を通告しました。さらに未払金の支払い保証書は有効だとして、具体的な支払い方法を求め、従わなければ簗田高助を拘束して都の朝廷に罪人護送すると回答を迫りました。


簗田高助は早朝から松千代の朝の儀式に叩き起こされ、寝不足の状況で鹿島政家の訪問を受けて、脅迫紛いの交渉に戸惑いました。

立花家の軍勢は90000、簗田親子の軍勢ではどうにもなりません。

要求に応じるしかありません。

嫡男の軍勢を居城の関宿城に戻して往復して支払金を運ぶなら3日必要です。


「父上!早馬で関宿に使いを出せば船便で輸送して夕刻までに深井湊で支払い出来ます!

本日は立花家と武器と甲冑の売買取り引きの為の準備に多数の商船が集まりますから便乗出来ます!」


「ぶははは!晴助!俺は寝不足で頭が回らなかったぞ!良くぞ、申した!

鹿島殿!本日中に支払い致しましょう!」


「ほぉ、古河公方家が支払うべき金額を簗田家が単独で支払えるのか?」


「鹿島殿、簗田家の財力は荒川、江戸川、利根川流域、霞ヶ浦の水運を握り、下野国、上野国、武蔵国、常陸国、下総国の陸路の輸送と流通を握る故、古河公方家を支えている事をご理解願いたい!

古河公方家には大した財力は無し、大概は簗田家が立て替えているのが現状であります。

まぁ、支払いに対して、立花家から必ず領収書を発行して頂きますぞ!」


「ほぉ、それでは深井湊にて支払いなさるなら、領収書を出しましょう!」


鹿島政家は常陸国僧兵の未払金の支払いを確約させて大堀川陣営に戻り、立花義秀に報告しました。


「ぶははは!なんだと?本日中に深井湊で未払い金を支払うだと?

簗田家の財力はなかなか凄いじゃないか?」


「はい、荒川、江戸川、利根川、霞ヶ浦の水運と古河公方家の支配地域の陸路や流通を支配下に財を成したと豪語しておりました」


「そうか、僧兵の軍勢を養う財力の源は水運と陸路の流通!だとすると関東の大半が簗田家の商圏だな?それに深井湊の武器、甲冑の売買も簗田家が買い付けるのだな?

10000名分の武器と甲冑だぞ!

簗田家単独で購入出来る財力は凄いぞ!」



「はい、侮れません」


「まぁ、簗田家の財力の源が理解出来たし、未払い金が手に入るから良かったじゃないか?」


「はい!面白い展開になりました」


簗田高助との交渉は意外な結果になりました。本日は深井湊で立花家と古河公方家の武器、甲冑の売買が行われます。


早朝から最後の捕虜の引き渡しが終了すると、古河公方軍から没収した10000名分の武器を深井湊で売却する為の輸送が始まりました。

馬と荷車に積みきれない甲冑などは兵士が担いで輸送します。輸送と護衛に30000の兵士が携わり、古河公方家の御用商人と立花家の御用商人が取り引きを行います。


深井湊に30000の立花軍の圧力で立花家の御用商人が有利な取り引きになります。

立花義秀は売却した利益は商人の取り分以外は全て被害を受けた高城家の領内の復興資金に当てる事を決めています。

義秀は高城義春を陣営に招き、筆頭宿老、鹿島政家から説明します。


「高城殿、本日から深井湊にて古河公方家の捕虜などから没収した武器、甲冑を売却します。立花家と高城家の御用商人達の手数料を差引いた金額を全て高城家の領内復興資金に提供いたします。

その金額とは別に2000貫(20億円)を無償で提供いたします。自由にお使い下さい」


「はい、感謝致します!古河公方軍の侵略から救って頂き、さらに復興の手助けまでして頂き、誠に申し訳なく!伏して感謝申し上げます!」


平伏して感謝を述べる高助義春に立花義秀が声を掛けます。

「いや、高城殿、貴殿の領内は古河公方家との最前線にあり、北は簗田高助の領地、東に千葉家の領地に挟まれ、立花家の生命線になっております。高城家の復興が今後の戦いに影響する故、宜しくお願い致します!」


「義秀様、立花家の支援は終生忘れません!

高城家末代まで立花家にご奉仕させて頂きます!」


「高城殿、高城家は立花家の同盟大名家にて、臣下にあらず!まぁ、立花家を同盟の盟主と考えて頂ければ充分でありましょう」


「はい!高城家は立花家を同盟の盟主と仰ぎ、古河公方家と戦います!」


「ぶははは!それでお願い致します。

今後は亡き駐留軍総大将、本多広孝に代わり、新しい駐留軍総大将を任命します。

さらに千葉家から奪った新領地、小野田城周辺に駐留軍を展開する故、20000の駐留軍を配置する事になりましょう」


「はい、感謝致します!これで安心して復興に努めます!今は亡き、本多広孝殿には本当にお世話になりました。

御悔やみ申し上げます!」


「亡き、本多広孝の事は立花家の大きな損失であった。彼の魂を偲び、鎌ヶ谷城近くに分骨する故、供養を頼みたいが宜しいだろうか?」


「お任せください!恩人の為に喜んでお世話させて頂きます!」


高城家領内の後始末が加速します。

駐留軍人事や新領地の軍勢配置が急がれます。


深井湊の存在が大きくなりました。

立花義秀が松千代の意見に従い、没収しなかった事が大正解となりました。

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