表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

363/466

1546年(天文15年)5月17日、未払金請求!般若心経大合唱!

泥酔軍師、立花将広は常陸国の僧兵が抱える古河公方家の報酬金未払い問題救済の為、直談判へ向かわせました。

1546年(天文15年)5月17日


簗田高助は終戦交渉で立花義秀の策に嵌まり、泥酔した足利晴氏を罵倒してしまいました。更に足利晴氏に対する不満を露にして立花義秀に悪意を見せてしまいました。

見事に踊らされ、終戦交渉は立花義秀に主導権を握られ、要求を全て承諾する事になりました。


但し、幸いにも簗田一族が開削した利根運河(利根川と江戸川を結ぶ運河)流域の利権と流域の領地、深井城と深井湊は安堵されました。

簗田家の大きな収入源を奪われる事無く済んだ事が不思議でした。

簗田高助は交渉を終えて嫡男、簗田晴助に合意した文書を見せました。

晴助は父が屈辱的な合意をさせられ、無念の想いで帰陣した事を悟りました。


翌早朝、簗田親子の軍勢は般若心経の大合唱で目を覚ましました。

「かんじーざいぼーさつ、ぎょうじんはーらーみったーじー、しょーうけんごーうんかいくーどーいっさいくーやくー!」


簗田親子の軍勢の直ぐ側に立花将広が仕掛けた常陸国の僧兵3000の般若心経の大合唱が始まりました。

里見家の反乱に介入した古河公方家に雇われたが、報酬未払いに怒り、立花将広の協力を得て、簗田高助に直談判を狙ってやってきました。

「ぎゃーていぎゃーていはらそーぎゃーてい、ぼーじーそーわーかーはんにゃーしんぎょうおーおー!」


夜明けの橙色の空に響く般若心経の大合唱はやがて立花軍の将兵全体が協力して聞きなれて合唱出来る部分を一緒に合唱しました。

大堀川陣営周辺には少なくとも50000の立花軍の将兵が集結しています。


松千代が周りの兵士達にけしかけます。

「ぎゃーていぎゃーてい、はらそーぎゃーてい、か、ね、は、ら、えー!

はんにゃーしんぎょうおーおー!」

立花軍の兵士達が面白がって笑いながら合唱します。

「ぎゃーていぎゃーてい、はらそーぎゃーてい、か、ね、は、ら、えー!

はんにゃーしんぎょうおーおー!」

爆笑しながらの大合唱が続きました。

立花軍50000の金払え!の般若心経は延々と合唱が続きました、


─立花義秀、鹿島政家─

「ぶははは!松千代が般若心経の、か、ね、は、ら、え!ぶははは!笑わせてくれるじゃないか?政家、常陸国中で般若心経の金払え!の大合唱をやったらどうだろうか?」


「殿、意外に効果があるかもしれません。

しかし、笑えますなぁ、般若心経に合わせて、か、ね、は、ら、え!

松千代様はお笑いにすり替えて見事でございます!」


そこに立花将広からの使者が到着しました。将広からの書状が届き、常陸国の僧兵達を大堀川陣営に向かわせるから、古河公方家の報酬未払い問題の仲介を依頼する内容でした。


「ぶははは!房総半島半島の反乱平定の英雄の頼みとあらば、仲介しようじゃないか?

簗田高助をやり込めてやるぞ!

政家!簗田高助と常陸国僧兵の代表を陣営に招くぞ!手配を頼む!」


鹿島政家から簗田高助、常陸国僧兵の軍勢の元に伝令が走り、大堀川陣営に招かれました。


簗田高助と常陸国僧兵部隊主将、蒼空が大堀川陣営に到着しました。

鹿島政家が進行役になり、双方からの主張を聞き取りました。

簗田高助は常陸国の簗田一族の責任者から支払っていると主張します。

常陸国の僧兵は誰も支払いを受けていないと主将の蒼空が主張します。

詳しく聞くと簗田一族の経理担当から仏教宗派幹部に渡った金銭のやり取り辺りに不明瞭な点がある様です。

仏教宗派側の誰に報酬金が渡ったのか?

争点が絞られます。

鹿島政家は簗田高助から引き出した情報から仏教宗派幹部が簗田一族と突き止めました。


立花義秀が反応します。

「これは怪しいな?古河公方家の経理担当が簗田一族で里見家の反乱介入の為に雇う僧兵側の金銭の受け取りしたのが仏教宗派幹部の簗田一族だと?

互いに大金を扱う簗田一族同士で横領したのではないか?」


「互いに簗田一族であるならばその様な不正は無いと信じており、断じてあり得ない!」

簗田高助は否定しますが、雲行きが怪しくなりました。


「ほぉ、信じるのは良いがなぁ、タダ働きさせられた僧兵3000を前にして言い切れるのか?試してみるか?

お前が正しいなら僧兵達が納得するはずだろう?」


義秀の提案に簗田高助は答えに詰まりましたが、反論します。

「立花殿!古河公方家の内情に口を挟まないて頂きたい!僧兵達は小野田城の攻防戦で我が軍勢を攻撃した裏切り者ではないか!」


「ほぉ、開き直るか?

裏切る原因は報酬未払いが原因だろうが?

ならば、政家!簗田高助を僧兵達の前に突き出せ!お前が僧兵達に納得出来る説明をして参れ!政家!僧兵達には納得出来ぬなら成敗して構わぬと布告しろ!」

義秀が声を荒げました。


「待たれよ!それは困る!」

簗田高助は困って拒否しますが、義秀は代案を提案します。


「ならば、どうだ?3000の僧兵を納得させる手段として、支払い保証書を作れ!

古河公方家の公式文書として筆頭宿老、簗田高助の署名捺印して3000名分の報酬金額、一人あたりの金額と総額を明記して常陸国僧兵の主将、蒼空殿に手渡せ!

僧兵達が古河公方家の軍勢と戦った事は不問とせよ!」


「支払い保証書?…」


「古河公方家が騙すつもりが無いなら発行しなきゃならんぞ?

既に下総公方家のお前の弟、簗田直助が大掾正興に命じて僧兵や国衆への未払い問題を調査しておるのだ。

お前の弟が調査せねばならん状況を理解しろ!」


「承知するが、文書の作成に時間が掛かる事を承知願いたい!」


「古河公方家は仕事が遅い様だな、立花家は文書作成には慣れておるからな、支払い保証書なら直ぐに作成するぞ!

政家!常陸国僧兵の支払い保証書と、常陸の国衆とその他の報酬未払いに対する支払い保証書を二通、合計三通作れ!

ひとつは常陸国僧兵主将、蒼空殿に渡す!

ひとつは下総公方家に届ける!

ひとつは仲介した我が立花家が預かる!

簗田殿、異存は無いだろうな?」


立花義秀の殺気に簗田高助は圧倒され、承諾するしかありません。

古河公方家の支払い保証書は立花家が文書を作成する事になりました。


「さて、簗田殿、まだ後始末があるのだがな、古河公方軍の死者と、捕虜の兵士から回収した武器、甲冑が推定10000名分あるのだが、深井湊の商人を通じて売り払うつもりだが、今、古河公方軍は武器と甲冑が喉から手が出る程欲しいだろう?

立花家側の商人が立ち合い、正規の値段で取引するが良いな?」


「承知した!」


「捕虜が5000、各地から集まり、順次解放する故、治安対策として、帰国の進路は深井城方面に限定する。

簗田勢は捕虜や後始末が完了するまで滞在する事を承知して貰うぞ!」


「承知した!」


文書が作成される間に食事が出されました。

あじフライと大根の雑炊ですが、簗田高助は

旨さに驚きました。

立花家の食事は二度目になりますが、

アジフライの旨さと雑炊の旨味に驚きました。蒼空は立花将広の軍勢に同行していた為、慣れていましたが、余りの旨さに雑炊のお代わりをしていました。


やがて古河公方家の支払い保証書三通が出来上がり、簗田高助が署名捺印して公式文書が発行されました。


簗田高助は不機嫌に帰陣しましたが、常陸国僧兵の主将、蒼空は義秀に平伏して感謝の言葉を述べました。


「蒼空殿、我が弟、立花将広より貴殿達の事は聞いている故、今後の事については立花家に仕える可能性を含めて将広と相談してから決めるが良いぞ!

取り敢えず、小野田城攻略の功績に対しての報酬に、ひとり3貫(30万円)、常陸国僧兵の報酬に9000貫(9000万円)を与える!

本日中に手渡すから楽しみにしてくれ!」

義秀が褒美を提示しました。


「立花様!数々の温情に感謝致します!

古河公方家の支払い保証書も頂きました!

今後につきましては皆と相談して参ります!」


「良かったな、さぁ早く仲間に吉報を知らせて参れ!」


蒼空は平伏すると、満面の笑みを浮かべて仲間の元に戻りました。


「殿、見事なお裁きで御座いました。

これで、常陸国の僧兵と国衆に恩恵を与える事になり、立花家の印象は格段に上がります。将来、常陸国に進出する時に必ず役立ちましょう。」


「だろうな、更には簗田高助の弟が取り仕切る下総公方家に支払い保証書を届けると、真相を明らかにしなければ常陸国が炎上するだろう。さらには下総公方家が立花家に肩入れしてる疑惑が深まるだろうな?」


「それから殿、終戦交渉で深井城と深井湊、利根運河の流域を没収しなかった意味が漸く理解出来ました。

敵側に残す事で、利用価値が高い事が解りました!」


「利用価値は勿論だがな、松千代に残せと忠告されて気が付いたのだ!

深井城と深井湊、利根運河は利根川と江戸川を繋ぐ簗田家の財力を支える生命線だから、取り上げても必死で奪い返しに来るからと言われてなぁ、納得したから残したのだ」


「なるほど、慧眼にございます!」


「ぶははは!松千代は夢のお告げ以外に、先を見る智力も育ちつつあるぞ!」


「はい!家臣一同、松千代様の成長が楽しみにございます!」


「ぶははは!今回の戦いも松千代無くては負けていた戦いがあったのは間違い無し!

松千代が援軍に呼んだ水軍衆が無くては昨日の戦いで大堀川陣営は陥落していた。

大勝利に見えて薄氷の勝利であったぞ!」


「はい、確かに救って頂きました!」


「政家、松千代に頼らずに勝てる様にならんといかんな…」


「はい、精進致しましょう!」




立花義秀は足利晴氏と簗田高助の関係を崩し、簗田高助の滞在期間を伸ばして帰国した足利晴氏に時間を与えています。

さらに支払い保証書の発行で簗田高助と下総公方家の関係にも疑念を抱かせる仕掛けを組み込みました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ