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1546年(天文15年)5月16日、大堀川陣営の攻防戦!足利晴氏の身柄確保!

古河公方、足利晴氏が捕虜になり、古河公方家を取り仕切る簗田親子が今後の対策を考えます。

1546年(天文15年)5月16日


簗田親子は足利晴氏の旗本の兵士からの報告を聞いて愕然としながら、今後の対応を考えました。

足利晴氏の身柄は立花義秀の大堀川陣営にあり、旗本60名が一緒に身柄を確保され、一部が各地の軍勢に停戦を命じる伝令として派遣されました。


古河公方家の当主が実質的な捕虜になり、人質になっています。

立花家との交渉は圧倒的に不利になります。

4月上旬に高城家の領内に侵攻して以来、支配地域を広げましたが、足利晴氏が立花軍に捕らわれた為、全てを返還する事になりそうです。


大堀川陣営の立花家から各地の古河公方軍は速やかに高城家の領内からの退去が指示され、高城領内での乱暴狼藉を禁じて兵糧、財貨の持ち出しを禁じました。


簗田高助は各地で戦う古河公方軍に晴氏の件を伝え、戦闘を停止して大堀川陣営近くへ集結を命じました。

それに対して息子の晴助が心配します。

「父上?軍勢を集結させると立花家に対する敵対行為になり、公方様の身が危うくなりませんか?」


「晴助、危険な駆け引きだが、まだ戦える戦力を示す必要がある!

立花家に舐められ無い程度に兵力を誇示するのだ!」


「それで万が一、公方様が自害など強要されませんか?」


「自害なされたら強要した立花家が悪者になるだけだ。こちらは新たな公方を擁立出来るから全く構わぬ。我が娘が晴氏の子供を産み、18歳になるからな、簗田家の血筋を引き継いだ足利政孝に古河公方家の跡目を相続させる!」


「承知致しました。父上の考え方に従います。政孝が跡目なら楽しみでございます!」


古河公方公方として資質に問題が有る晴氏に比べて、幼い頃から簗田家に教育された政孝には期待し得る資質が見受けられ、簗田晴助も期待する少年でした。


一方の足利晴氏は旗本の兵士達と共に武器を没収されて立花軍の大堀川陣営に移送されると、側近三名と一緒に食事が与えられました。

接待役には松千代の護衛の美人侍女五名が隣に座り、焼酎を与え、酔わせて古河公方軍の不平不満を引き出して、巧みに内情を聞き出しました。

古河公方家では簗田一族に権力集中しており、財力を背景に仏教諸派を纏めて僧兵の軍事組織を作らせた事や仏教宗派を支配する簗田家の手法等の情報が得られました。


─大堀川陣営─

─立花義秀、鹿島政家─


「ぶははは!

松千代の美人侍女達が役に立つ様だな?

足利晴氏と側近達は酔わされて古河公方家の内情をすんなり喋るとは有難い事だ!

なにより、畠山勢、日奉勢や騎兵、水軍衆が連携して足利晴氏を生け捕りにしてくれた事に感謝しなきゃならんな?

最大の功労者は畠山忠國の判断に尽きる!

政家、畠山忠國を呼べ!」


鹿島政家に呼び出されて畠山忠國が現れました。義秀は足利晴氏を生け捕りにした事を見事な判断だと褒めました。

「殿、それは松千代様に助言を頂きました。

自分の判断ではございません!

松千代様は不動明王様が足利晴氏を死なせず、生け捕る様にお告げがあったと仰有られたので、お告げに従ったに過ぎません!」


畠山忠國は正直に語りました。


「ぶははは!そうか、だとしても足利晴氏を生け捕りにした功績は大きいぞ!

畠山忠國!見事であった!」


「殿!恐れながら足利晴氏を生け捕りに出来たのは、同じ戦場の日奉勢、騎兵達の協力と我が軍勢の後方で弓矢、火薬玉の補給に努めて支えた水軍衆の協力が有っての事にございます!」


「良くわかった!皆に褒美を与える!

古河公方家の当主を生け捕りにした功績は高く評価するぞ!」


そこに松千代がやって来ました。

「お爺!湊の株券を報奨にしたら?

年に四回、四半期毎に配当金が入るから家族も喜ぶよ!」


「そうか!功労者を湊の株主にしてやるのも良かろう、株主である限り、子々孫々、立花家の湊から纏まった配当金が支払われる!

これは大きな功績に対して良い前例になるだろう!松千代は良い処に目をつけたぞ!」


立花義秀の一声で古河公方、足利晴氏の生け捕りに貢献した将兵に立花家が経営する湊の株券を与える事が決まりました。

3ヶ月毎に収益から配当金が支払われる仕組みで一般の庶民でも投資目的で購入ができます。時期当主、立花義國が前世の金融知識を駆使して株券を発行して民間のお金を集め、経済的な発展をもたらしています。


「なぁ、松千代、畠山忠國から聞いたぞ、不動明王様からのお告げで足利晴氏を生きて捕らえる事を助言したらしいな?」


「お爺、畠山勢が出撃する時に頭の中に不動明王様の声と姿が見えたから伝えました。

死なせたら立花家に非難が集まり良くない事になるから止めました。

お爺、足利晴氏殿は間も無く地位を失い、次の古河公方には簗田家の娘が産んだ晴氏殿の嫡男が擁立されるから、立花家はそのつもりで簗田高助と交渉する事が肝心だよ」


「そうか、松千代には古河公方家の当主が代替わりするのが見えるのだな?」


「不動明王様に見せて頂いたから、お爺に伝えた。後はお爺の仕事だよ!」


「ぶははは!任せろ!

不動明王様に叱られぬ様にきっちり仕事をするから安心しておれ!」


立花軍の大堀川陣営から簗田高助の元に使者が訪れ、終戦交渉の為、簗田高助に大堀川陣営に来る様に通告がなされました。





松千代に不動明王様からのお告げがありました。古河公方家に変化がありそうです。

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