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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)5月15日、魔術師、立花将広の慈愛?!東部方面制圧へ!

高柳ケ原の夜戦は立花将広が吉良勢と新納勢を援軍に向かわせた事が勝敗を左右しました。

その波紋が立花軍に流れを呼び込みます。

1546年(天文15年)5月15日


高柳ケ原の夜戦に勝利した立花軍義國は伝令を走らせ、佐津間城と藤ケ谷城に勝利を伝えました。


佐津間城主の佐津間紀勝は高柳ケ原付近で逃れて来た立花軍兵士達を収容しており、彼らの証言から立花軍が負けていると思っていました。佐津間城の将兵は勝利したと聞いて喜びの声をあげました。


佐津間城から伝令が走り、鎌ヶ谷城、小金城、松千代と立花義秀が所在する大堀川陣営にも朗報が届きました。


大堀川陣営では追撃中に反撃を受けて危機にあった佐伯勝長と鹿島政勝も無事に帰還していました。肝心の立花家総大将の消息が掴めず、不安になっていた時に朗報が届きました。


伝令の使者は勝利を告げると高柳ケ原の戦いの詳細を語りました。

序盤は義國の策が嵌まり、優勢でしたが、古河公方、足利晴氏の軍勢が逃亡するのを追撃した事から展開が暗転、包囲されて窮地に陥る経緯、吉良勢と新納勢の活躍で逆転勝利した流れを聞きました。

さらに主な武将の無事が確認されて安堵の空気が流れました。


─大堀川陣営─

─立花義秀、鹿島政家─

「殿!厳しい戦いに義國様は耐えました。

おめでとうございます!」


「あぁ、かなり危なかった様だな…

後で戦いの経緯を検証せねばなるまい。

勝ったから良いわけでは無い…

政家、援軍の吉良勢と新納勢の活躍で逆転勝利したんだな?

ならば、将広(立花将広)の指示で義國以下の武将達を救った功績は大きいぞ!」


「はい、勝利の要因は将広様の軍勢が藤ケ谷城周辺を確保した事にあります。

さらに、義國様の軍勢の支援を続けた事が勝利に繋がりました」



「ぶははは!政家、将広の褒美には何が良いのか贅沢な悩みになりそうだぞ…」


「はい、4月上旬から房総半島に軍勢を率いて遠征しまして、里見家の反乱軍と便乗した古河公方軍を鎮圧した帰り道に遥々こちらの戦場に立ち寄り、立花家の後継者の窮地を救われましたから…

褒美の内容は大いに注目されましょう…」


鹿島政家は含み笑いの笑顔を返します。

そこに軍装した美人侍女を従えた松千代が

現れました。

スタスタ歩いて義秀に抱きつきます。

「お爺!さぁ、忙しくなるよ!」


勝利に沸く大堀川陣営の空気は緩んでいました。

「お爺、地図を見て!高柳ケ原で負けた古河公方軍は北へ逃げるでしょ?」


「そうだな、幸谷城、柏城、大井追花城、戸張城等に逃げ込むだろうな?」


「お爺、ここの大井川陣営はその4つの城の北西に有り、1里(4キロ)以内に高田城、松ケ崎城が有るから朝までに封鎖したら古河公方軍の退路を遮断出来るよ!」


「ぶははは!参ったぁ!

勝利に浮かれて大事な事を忘れていたぞ!

松千代に諭されたぞ!

ぶははは!政家!佐伯勝長と鹿島政勝に名誉挽回の機会を、与えたいがどうだ?」


「はい、本人達も望んでおりましょう」


「良し!佐伯勝長に高田城、鹿島政勝に松ケ崎城の攻略を任せる!仮眠を取り、早暁に出立せよ!」


「殿、二人に成り代わり感謝申し上げます!

元の失態の原因は追撃を許した私の判断の甘さにございます!」


鹿島政家は留守を任されて佐伯勝長、鹿島政勝に敵を追撃する事を許した末、逆襲されて二人が負けた事に責任を感じていました。


「気にするな!俺も同じ立場なら追撃の判断をしただろう。肝心なのは失敗の後始末だ!

今から後始末に全力を尽くそうぞ!」


「ははっ、承知致しました!」

頭を下げて義秀に挨拶を済ませると、鹿島政家は後始末の手配に掛かります。


鹿島政家に呼び出され、佐伯勝長は高田城攻略へ、嫡男、鹿島政勝には松ケ崎城攻略を伝えました。

任務を命じられた二人は義秀の配慮に救われました。負けた直後に挽回の機会が与えられ、二人の武将と指揮下の将兵達の士気が高まりました。


一方、藤ケ谷城にも伝令から勝報が届き、藤ケ谷城周辺に集まった将兵が喜びに湧きました。

立花将広9000

楢島正臣5000

立花頼将1000

立花義弘7000

高城義春2000

合計24000

藤ケ谷城周辺は多数の篝火と松明で明るく照らされています。

伝令から戦いの詳細が説明され、窮地の義國の軍勢を立花将広が派遣した吉良勢と新納勢の援軍が逆転勝利に貢献したと知り、集まった将兵から勝鬨があがります。

「エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!」


─藤ケ谷城─

─立花将広、立花頼将─

「父上、凄い事を遂げられましたね。

義國兄様は包囲されて危うい状況だったとか…

父上には先の先まで見えているのでしょうか?」


「ぶははは!全部は見えぬ、しかし、少し先だけなら見えるぞ!

それよりなぁ、今回は吉良勢を援軍に出した後なんだが、日没前に未だ援軍が足りぬかもしれぬ、と不安になっていた時に居眠りをしてしまったのだが、夢の中に松千代が不動明王様の腕に抱かれて現れてなぁ、迷うなー!前に進めー!と叫んだら目覚めたのだ…

それで新納勢を援軍に出したら逆転勝利になった…ぶははは!夢のお告げに救われたぞ!

さて、軍議を召集する!諸将を集めろ!」


立花将広は諸将を集めて軍議を開きました。

地図を開き、城と主な軍勢の配置を駒と数字で示しています。


高柳ケ原で負けた古河公方軍は柏から野田を経由して関宿に入り、利根川を渡り、古河城を目指すと考えられます。

将広の説明が始まります。


「柏から北へ向かう古河公方軍は兄上(立花義秀)の軍勢が北から封じるだろう。

今宵、負けた古河公方軍は闇夜を迷走して最寄りの幸谷城、柏城、戸張城、大井追花城の何れかに辿り着くが、明朝、義國達の主力の軍勢が攻撃するだろう。

そこで義國の直属の立花義弘(立花義國弟)には主力軍の攻撃範囲の大井追花城に向かって貰うぞ!主将を任せるぞ、良いな!」


「はい!叔父上!」

立花義弘が嬉しそうに返事をしました。


「高城義春殿は我が甥、立花義弘の為に副将を頼みたいが宜しいか?」


「将広様!ここは我が領地、立花家に救われた身でございます!副将はご辞退させて頂き、単なる案内役で宜しければ、喜んでお引き受け致します!」


「それでは高城殿、尚更副将をお願い致します。我が軍勢は時に驕りを見せて度々失敗をしております。貴殿の視点から見える事が我らの為になります。

それから倅の立花頼将を同行させますからご指導をお願い致します」


「将広様、有り難く拝命致します。

高城家の名誉を引き立てて頂き、誠に感謝申し上げます!」


遠慮しながらも、将広の配慮を受け入れて、軍議は円満に進みました。


「残る我らの軍勢は東に存在する岩井城、小森城、鷺野谷城、手賀沼城を攻略する。

この辺りには本日撃破した古河公方軍、綾部勢、宇佐美勢が潜んでいる可能性がある為、後始末をしなければならんからな」


─大井追花城攻撃部隊─

主将、立花義弘7000

副将、高城義春2000

立花頼将5000

合計14000


─岩井、小森、鷺野谷、手賀沼攻略部隊─

立花将広5000

楢島正臣5000

合計10000



立花将広は合流した軍勢を二つに別け、さらに嫡男、立花頼将に5000を与えて主戦場に望む経験を積ませる事にしました。


立花軍総大将、立花義國宛てに伝令を出しました。軍勢を分けて進路と任務を分けた事を連絡します。


「さて、各部隊は仮眠を取れ!

明日は早暁から始動するぞ!

寝坊するなよ!」


将広の言葉で締め括られ、軍議が終わりました。将広は娘婿の楢島正臣に声を掛けました。

「正臣、明日は主戦場から外れる脇役の仕事をせねばならぬ。関東最大の大名、古河公方家と戦う限り、脇役の仕事も重要だ」


「はい、義父上と一緒に働ける事が光栄にございます!以前は泥酔軍師と呼ばれてらしたが、最近の義父上は魔術師と呼ばれております!

高柳ケ原の夜戦の勝利に義父上の送り出した吉良勢と新納勢が決め手になり、魔術師と囁かれております!」


「ぶははは!魔術師も良いじゃないか?

俺がやる事が魔術に見えるのか?…

でもなぁ、吉良勢を援軍に向かわせた後に不安になってなぁ…日没になるが更なる援軍を出すべきか?悩んでいたら居眠りしてしまったのだが、夢に松千代が不動明王様に抱かれて現れたのだ。

悩むなー!前に進めー!と松千代が叫ぶと夢から目覚め、新納勢を援軍に出す事に決めたのだ!不思議な夢だったぞ!」


「義父上、夢のお告げにございます!

松千代様と不動明王様のお告げをご覧になり、援軍を出した結果の勝利です!」


「ぶははは!夢のお告げ?

まぁそうだな…となると、謎が深まるぞ?

松千代は夢の中に入れるのか?

不動明王様との繋がりは?…」


「義父上、松千代様に聞かれては如何でしょう?」


「ぐははは!それは楽しくなりそうだ。

数日中に逢えたら聞いてみるぞ!」



立花将広から総大将、立花義國の陣営に伝令の使者が到着、明日の行動予定が知らされました。

大井追花城に立花義弘以下14000を向かわせて、立花将広は10000を率いて手賀沼周辺を制圧すると知らせました。


─高柳ケ原陣営─

─立花義國、東郷信久─


「信久、将広叔父からの指示だ…大井追花城と藤ケ谷城から東を制圧してくれるそうだ…」


「はい、指図と思わず、将広様の慈愛と思えば宜しいかと…」

笑みを浮かべて答えます。


「まぁ、叔父上が吉良勢と新納勢を援軍に呉れたから生き延びたからな、文句は言えぬがなぁ……信久、昼間に夢に出て来た松千代と不動明王様はどんな繋がりなんだ?」


「はい、若殿と同じ夢を見た事が不思議でなりません。霊感に無縁ですから…」


「まぁそれより明日は早暁から始動するから仮眠するぞ!」


立花義國は明日、早暁から始動します。

幸谷城攻略に畠山勢、柏城攻略に本多勢を担当させるつもりです。

明日に備えて立花軍の将兵は仮眠を取りました。





立花将広が明日の戦いの準備を進め、段取りを設えて立花義國の負担を減らしました。

明日は早暁より戦いが始まります。

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