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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)5月14日、泥酔軍師、立花将広の躍進!

4月上旬から続いた房総半島、里見家領内で発生した反乱と古河公方軍の侵略は立花将広の活躍で鎮圧しました。

下総公方家と交渉した結果、常陸国の捕虜と佐竹勢の合計6000が下総公方家領内から千葉家の領内を通過して鹿島神宮経由で帰国します。

翌日、里見家から新たな捕虜の後始末を依頼されると立花将広が快諾、新たな策略が頭に浮かびました。

1546年(天文15年)5月14日


─2日前、5月12日早朝─

─上総国、上総公方領、市原城─


房総半島、里見家の領内で捕虜となった常陸国の軍勢5000、帰国を望む佐竹勢1000は立花将広の好意で別れの酒宴を楽しみ、清々しい朝を迎えました。

立花将広と下総公方家と交わした約定に従い、総勢6000の常陸国の将兵が帰国します。兵士達には没収していた武器から各々の希望する槍と剣、弓矢まで返還しました。


立花将広は周囲に反対されましたが、帰国する兵士達の生還に必要だと反対を押し切りました。

「常陸国の将兵達は勇敢に戦った勇者だ!

安全に郷里に帰るには武器が必要だろう。

父や母、妻や子供達に会うために槍、剣、弓矢で自分の身を守ってくれ!

機会あらば貴殿達と、笑顔で再会を願うぞ!

いざ、去らばだ!」

立花将広の言葉に兵士達は心を打たれました。

「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」

兵士達が感謝の意味を込めて別れの声をあげました。


やがて下総公方家の小弓城から案内役の大掾正興が護衛の軍勢2000を率いて到着しました。帰還する兵士達が武装している事に驚きました。


立花将広は城下に出向いて大掾正興と対面しました。


「大掾殿、常陸の将兵6000!鹿島神宮までの護衛と報酬未払いの行方を託しますぞ!

但し闇が深い場合には貴殿の身が危うくなるだろう。それ故、鹿島神宮と鹿島神流の縁で貴殿の庇護を依頼しておいたぞ!」


「立花様、必ず無事に帰国させます。

未払いの報酬も解決へ努力致します。」


「大掾殿、立花家の筆頭宿老の鹿島政家は常陸国、鹿島家の一族で鹿島神宮とも繋がりがあってなぁ、その縁を頼って鹿島神宮に依頼しておいた。貴殿自身が鹿島神流の達人であり、鹿島神宮との縁もあろうが、立花家が貴殿の後押しをしている姿勢を鮮明にした事が必ず有利に働く事があるだろう。

立花将広が大掾正興の人物に惚れ込んだから後ろ楯になると鹿島神宮の大宮司宛てに書状を届けた故、そのつもりで行動なされよ!」


「はい!お気遣いに感謝致します。

心より御礼申し上げます!」


「そこでだ、既に気がついておるだろうが、千葉家から下総公方家の筆頭宿老、簗田直助と大掾正興は立花将広に通じていると噂があるだろう。正直、切れ者故に二人とも味方にしたいのは当然!」


「立花様、それなる件はお控えくだされ!」


「ぶははは!貴殿を娘婿にしたい程に惚れておるぞ!

将来、必ず立花家は常陸国に進出するだろう。貴殿が護衛する常陸勢には既に立花家に随身を誓った兵士達が紛れている。

佐竹義廉の手元から離れる帰国希望の1000の中にも立花家に随身を誓った兵士が存在する!敢えて知らせておくぞ!

将来を見据えて行動するがよいだろう。」


「ご忠告に感謝致します。

大掾正興は常陸国の兵士の方々を無事に帰国する為に最善の努力を致します。

報酬未払いの件もお任せください!」


「承知した!全てを任せるが、困ったら鹿島神宮を通じて連絡してくれ!

必ず連絡が繋がるはずだ!

さて、それでは、帰国する常陸勢の主将を紹介する!山入義友、入れ!」


帰国する捕虜と佐竹勢を統制する為に選ばれた山入義友が現れました。


「大掾殿、昨日の相撲合戦の優勝の立役者!

山入義友である!

帰国する6000の主将を任せた故、紹介する。彼は若き佐竹家当主、佐竹義昭殿の親類筋で統率力に優れた武将である。

二人で協力して無事に帰国する事を希望する!」


立花義秀は大掾正興、山入義友を対面させると地図を用意して大まかな進路の確認を行いました。二人は立花将広と別れの挨拶を済ませると、大掾勢の行列には立花将広から清酒10樽、焼酎10樽と米100俵、必要経費の名目で1000貫(1億円)を届けました。

荷馬車と護衛に立花家の兵士100名を紛れ込ませました。

余りに強引で大胆な立花将広の行動に大掾正興も笑うしかありません。

拒否する事も出来ぬ状況に、立花将広の意向を黙認するしかありません。


押しの強い立花将広の好意には遠慮を続けて来ました。しかし、大掾正興は先月、市原城の戦いの時に立花将広の温情で命を助けて貰っています。

立花将広の軍勢に待ち伏せされて包囲殲滅の危機にありましたが、下総公方家との和議交渉の仲介する事を条件に命を保証されています。始めての出会いから豪快な将広の懐の広さに魅了されていました。

ため息をつきながら自分の将来、大掾一族の将来を考えました。


「将来か、このまま古河公方家に従うより、立花家に魅力を感じるよなぁ…」


馬に乗りながら呟く大掾正興の言葉に、側近が頷きます。


「殿、あの器の大きな立花将広殿の指揮下で大きな戦をしてみたくなりました。

殿のお側にて立花殿を見ている兵士達の中に、泥酔軍師、立花将広殿の人気は絶大にございます」


「そうか、仕方あるまい、あの人柄には無下に出来ぬ魅力があるからな、しかし、下総公方家、千葉家の家臣達には悟られぬ様にせよ!」


「はっ!肝に命じます!」


大掾勢の兵士達に立花将広の魅力に填まった者達が増えている様でした。

下総公方家の中にも立花将広の人気が高まる傾向にありました。

簗田直助が立花将広に取り込まれた噂や大掾正興が取り込まれた噂は公然と語られる事になっていました。


この噂に敏感に反応したのが千葉家の家臣達でした。

古河公方軍の主戦場、鎌ヶ谷方面の戦場から急報を受けて援軍に駆けつけた千葉家の武将、原胤長、大須賀正成は噂を聞いて激怒しています。

市原城にて捕虜の帰還交渉の席に招かれた簗田直助、大掾正興が泥酔するほど酒を酌み交わし、両軍兵士が参加する相撲合戦を見物した事で疑惑を高めています。


帰国する捕虜の帰還する進路が千葉家の承諾無しに、勝手に決められました。

市原城から佐倉から佐原経由で鹿島神宮まで送り届ける事になりますが、千葉家の領内、しかも本拠地付近を通過する予定です。

原胤長、大須賀正成が激怒するのは当然です。


立花将広と下総公方家、大掾正興が結託して常陸国勢を率いて千葉家の本拠地、本佐倉城を攻撃する恐れがあります。

原胤長の軍勢10000は早朝より本佐倉城周辺に移動、大須賀正成の軍勢4000は帰国する常陸勢の最後尾から追尾する形で行軍を開始しました。


千葉家の軍勢の動きを知ると立花将広は楽しげに笑いました。

「ぶははは!楽しくなりそうだな?

千葉家は下総公方家、簗田直助、大掾正興、常陸勢に疑惑を向けたぞ!」


立花将広は帰国する軍勢を楽しそうに見送りました。


市原城から出発した大掾正興率いる軍勢は佐倉方面から佐原経由で利根川を渡り、鹿島神宮を目指します。総勢8000の軍勢が三列縦隊で進みます。馬車等を運ぶ為、行列はおよそ3キロの長さになります。

下総公方家の本拠地、小弓城付近を通過して佐倉街道に入りました。

しかし、佐倉街道は千葉家の本拠地、本佐倉城に通じる街道です。

千葉家としては帰国する味方の将兵に立花将広と結託している疑惑がある限り、通過を認めるはずがありません。

佐倉方面の街道に軍勢を配置して封鎖していました。

やがて複数の間者から、帰還する常陸国の将兵が槍、剣、弓矢で武装していると報告があり、立花家に内通している疑惑がさらに高まりました。


千葉家の代表、原胤長は大いに疑い、八街、香取経由で利根川を越えて鹿島神宮へ向かう事を要求して来ました。


しかし、それでは道が狭く、大きく遠回りする複雑な経路になり、大幅に時間が掛かります。

大掾正興が交渉した結果、東に迂回してから芝山方面に向かい、佐原経由で鹿島神宮に向かう事で合意に至りました。


千葉家側は本拠地から離れた場所から通過してくれるなら早く退去してくれたら安心です。それほど常陸勢と下総公方家、立花軍が手を結んだ場合を警戒していました。


交渉が纏まると行軍が再開しますが、この日は、千葉家に手配を頼み、四街道よつかいどう八街やちまた周辺の寺院や、豪農に協力を頼んで宿泊する事になりました。



同日5月12日午後13時頃、里見家筆頭宿老、真里谷信隆まりがやつのぶたかが、里見家が勾留していた千葉家の捕虜2000と常陸国の僧兵の捕虜3000を連れて市原城に到着しました。

真里谷信隆は2000の軍勢で5000の捕虜を引率して来ました。


─上総国、上総国領、市原城─

─立花将広、真里谷信隆─


「立花様、申し訳ございません!

千葉家の捕虜2000と、常陸国の僧兵の捕虜3000の後始末もお願い致したく、連れて参りました!」


平伏する真里谷信隆に穏やかに立花将広が笑顔で答えます。


「ぶははは!よっしゃ!

待てょ、常陸国の僧兵達は上総国、安房国の仏教宗派の寺院を通じて帰国させるはずじゃなかったか?

だははは!寺院からは都合が付かなかったか?まぁ、楽しくなるだろうから引き受ける!里見家の領内の治安が不安定だからなぁ、早く厄介者を片付けたいのだろう?」


「はい、ご推察の通り、僧兵の捕虜や寺院に匿われていた僧兵達を各仏教宗派寺院の繋がりで帰国させるには色々と支障がありました。立花様に伏してお願いする為に連れて参りました。

現在、反乱軍の残党の一部が山賊、野党になり、領内を荒らしております、常陸国の僧兵や千葉家の兵士の一部が捕虜になるのを嫌い、抵抗を続けております。

当主、里見義堯が陣頭指揮に当たっておりますが、今の里見家には捕虜を扱う余裕がございません!立花様に後始末をお願い致したく、お願い申し上げます!」


「いや、昨日、義堯殿からの打診があったから想定していたが、随分捕まえたなぁ!」


「立花様、捕虜の半分は立花様から預かった兵士でございます。」


「ぶはははは!そうだったか?

ならばなおさら、纏めて楽しい事に使わせて頂くぞ!」


「はい、宜しくお願い致します!」


「真里谷殿、これから捕虜達にたっぷり飯を食わせて酒を与えて、下総公方家に話を取り付けて段取りが出来たら明日には解放する!

貴殿の軍勢は数日間、市原城に滞在出来るか?」


「はい、当主、里見義堯より、全て立花様の指示に従う様に命じられております。」


「それなら、5月16日迄、市原城に滞在して頂きたい。明日、捕虜達を千葉家の領内へ解放すると千葉家の領内に5000の軍勢が入り込んだら領内は混乱する。

その隙に我が軍勢は千葉家の領内を通過して柏、鎌ヶ谷方面の主力決戦の戦場に向かう!

どうだ!楽しい事になるだろう!」


「立花様と常陸国の兵士が手を組んだと、里見家も噂を聞いております。千葉家の領内は騒がしくなりましょう。

噂は本当なのでしょうか?」


「ぶはははは!、手を組む寸前だ。

昨日、下総公方家、上総公方家、立花家、常陸の捕虜達が敵味方の垣根を越えて相撲に興じたのは聞いただろう。

事実を知った千葉家の原胤長、大須賀正成ら首脳が激怒してたそうだ!」


「恐れ入りました。

下総公方家の筆頭宿老、簗田直助と酒を酌み交わし、泥酔するほどの仲とも聞いております。

これで、古河公方家の筆頭宿老、簗田高助が弟の簗田直助と下総公方家の離反を疑いましょう。

これこそ、楽しき事にございます」


「まぁ、明日は新たな仕掛けを用意する!

明日はそれをご覧にいれようぞ!」


「ははっ!楽しみにお待ち申し上げます」


真里谷信隆が退出すると立花将広は嫡男、頼将に捕虜達の食事と、泥酔しない程度に酒を提供する様に命じました。

さらに下総公方家、簗田直助宛てに使者を送り、千葉家と常陸国の僧兵達の捕虜解放について書状にて知らせました。


書状の内容は明日、捕虜を解放するから、安全な解放にする為、明日は下総公方家の軍旗を先頭に掲げて千葉家の領内に案内を頼みたいとの知らせでした。

軍旗5本と案内役の兵士20名ほどを借り受けたいとの要請です。

簗田直助は承諾して、明朝、迎えの兵士を派遣すると回答しました。

簗田直助は使者に対して立花家から千葉家には知らせたのか?と訪ねました。


使者は通告済みで、千葉家から下総公方家の軍旗を先頭に行軍するように約束したと答えました。

簗田直助は了承して使者を返しました。


しかし、立花将広は千葉家には知らせず、使者には千葉家に通告済みと嘘を教えていました。

簗田直助に尋ねられ、使者は千葉家に通告済みと答えました。

市原城に戻った使者から全てを聞いた将広は笑みを浮かべました。

後で嘘が問題となれば、千葉家との連絡に出した使者が行方知れずと逃げる事も可能です。少し狡い策ですが、立花将広は下総公方家と千葉家、古河公方家との離間工作を仕掛けました。


夕刻、市原城では千葉家の捕虜、常陸国の僧兵の捕虜達に豚汁と炒飯が与えられ、豚の角煮、清酒が配られ、賞金付きの相撲が行われました。

10箇所に作られた土俵に希望者が集まり、勝ったら賞金100文(1万円)が即金で配られて大盛況となり、立花家、上総公方家、里見家の兵士も参加して普段は敵同士ながら、酒の勢いも有り、相撲を通じて互いの敵意に変化が生じました。


気を許した僧兵から貴重な情報が入りました。古河公方家が常陸国の僧兵達に対して報酬の未払いがあると判明しました。

調査すると多数の僧兵から報酬未払いの報告があがりました。

立花将広は古河公方家の闇に乗じる事を考えました。

僧兵達には千葉家の兵士と一緒に千葉家領内に入り常陸国へ帰国支援を願い出る事、報酬未払い問題解決に協力を求める事、千葉家の僧兵と仲良くして味方を作る事、理不尽な事があれば、暴れる事など、僧兵達の一部に知恵を授けました。



やがて、5月13日早朝、下総公方家の小弓城から下総公方家の軍旗を抱えた兵士達50名が到着しました。立花将広は案内役に20名を依頼しましたが、簗田直助は50名を案内役に用意しました。

立花将広の指示で整列した捕虜の僧兵達に武器の返還を実施しました。

槍、剣、弓矢、棍棒、金棒を自由に持たせ、立花将広が叫びます。

「常陸国の勇ましき僧兵諸兄達よ!

貴殿達が己の正義を貫き、正々堂々戦った事を忘れぬ!

今日、これからは父君、母君、妻や子供達が待つ郷里に無事に戻る事を祈る!

理不尽な事に負けるな!

正々堂々正義を貫け!

いつの日か、仲間になろうぞ!」


古河公方家の支配下、下総公方家の案内人の前で立花将広は堂々と語り、叫びました。

「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」

立花家の兵士達や、上総公方家、里見家の兵士達が声をあげると、僧兵達も呼応して声をあげました。

「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」

市原城に集まった数万の兵士達が声を合わせて周囲に響き渡り、感動的な別れになりました。


合図の太鼓が鳴らされ、常陸国の僧兵が出発します。捕虜の兵士達は1000名ずつ、下総公方家の軍旗を先頭に行軍が始まりました。突然の出来事に下総公方家の案内役の兵士から文句や抗議もありませんでした。


市原城周辺に集まった立花家、上総公方家、里見家の軍勢は手を振って見送り、千葉家、常陸国の僧兵達も手を振って別れを惜しみました。戦国の殺伐とした戦場でひとときの交流が兵士達の気持ちに何らかの影響を与えました。


昨日から市原城周辺を監視していた千葉家の間者達は不審な状況を次々に報告する為、本佐倉城に急ぎました。

市原城を出た軍勢は下総公方家の軍旗を先頭に行軍しています。

千葉家の捕虜達は武器を持たず丸腰ですが、常陸国僧兵の捕虜達には槍、剣、弓矢、棍棒、金棒が返還され、武装しており、通常の捕虜の解放なら武器は没収されているはずです。

複数の間者からの報告は各々の主観が入り、微妙に異なる報告が入ります。

四街道から佐倉方面を封鎖する千葉家の重臣、原胤長に次々報告が入り、常陸国の僧兵が内通している疑惑を掻き立てました。


そして、立花将広から派遣された使者が原胤長の陣中に到着しました。

使者から立花将広の書状が渡されました。

書状の内容は捕虜にしていた千葉家の兵士2000を解放する事を知らせ、千葉家を支援していた常陸国の僧兵3000を解放する故、常陸国まで帰国の世話を頼むとの通知でした。


さらに、常陸国の僧兵達は古河公方家から報酬が未払いなので、支援を受けた千葉家が責任を持って解決するように要請していました。さらに、前日に常陸国に帰国する為に鹿島神宮を目指す常陸国の軍勢5000も古河公方家から報酬の未払いがあり、彼らに受けた恩を返す気持ちがあるなら、解決に協力を求めました。


追伸として、常陸国の兵士5000と常陸国の僧兵達5000に武器を返還した理由は彼らが理不尽な扱いを受けない為と、内通してる疑惑を増幅して、脅しに取れる内容が書かれています。


古河公方家の未払い問題が波及して、立花将広が常陸国の2つの軍勢を味方に引き入れ、千葉家領内で暴れる可能性と立花将広の軍勢が千葉家領内に侵攻する可能性を秘めた脅しになりました。


最悪の場合、立花将広の軍勢だけでも30000、上総公方家、里見家、常陸国勢までが加担すれば優に50000の軍勢になります。原胤長の判断出来る事ではありません。

原胤長は早馬を走らせ、本佐倉城の千葉家当主、千葉利胤に急報しました。



市原城に上総公方家の軍勢と里見家の真里谷勢が集結しました。

合計12000を留守部隊に残して立花将広の軍勢が古河公方家との主戦場、柏、鎌ヶ谷方面に出撃します。


─上総公方家領、市原城─

─立花将広、奥住利政─


「将広様の大きな仕掛けで千葉家の領内が随分騒がしいみたいです。」


「まぁな、千葉家は先月、本納城の戦いで俺の軍勢が筆頭宿老の原胤清を討ち取ったからなぁ、筆頭宿老の嫡男の原胤勝も俺の軍勢に大敗して勝浦から船で逃亡したからなぁ、空席になった筆頭宿老を誰にするか動揺してる時に、我が軍勢が市原城に30000の軍勢を率いて来たから大騒ぎだろう。


それから捕虜の解放に絡ませて複雑な仕掛けを仕込んだから千葉家の動きは封じた!

利政、市原城の留守番を頼むぞ!

上総公方、足利義純様の軍勢が2000、奥住勢8000、里見家、真里谷勢2000、合計12000

市原城の東1里(4キロ)の潤井戸城へ2000、さらに東1里(4キロ)の瀬又城へ2000を残す故、合計16000の軍勢を任せる!

頼んだぞ!」


「承知致しました。

ご武運をお祈り致します!」



─柏、鎌ヶ谷方面遠征軍26000─

立花将広13000

新納忠義7000

吉良頼貞6000


午前10時頃、立花将広の軍勢12000は市原城を出発、潤戸城から新納勢7000が出発、瀬又城から吉良勢6000が出発しました。市原城から各々東に4キロ離れており、別々の道から下総公方家の領内を通過して千葉家の領内を経由して幕張方面から鎌ヶ谷に向かう事になります。


立花将広は出発直前に下総公方家、簗田直助宛てに使者を派遣しました。

使者は簗田直助に対面すると下総公方家領内を通過して千葉家の本拠地、本佐倉城を攻撃すると通告しました。

千葉家に対して帰国を希望する常陸国兵士と常陸国の僧兵の両者を支援しないなら、征伐する事を通告、下総公方家が妨害しない限り、先月約束した6月末までの停戦を守ると宣言しました。

千葉家を攻略した後は立花家と同盟するか?敵対するか?考慮を求めました。


簗田直助は想定した中で最悪に近い状況に唖然としました。

立花家の使者に対して領内通過は黙認するが、略奪、放火、狼藉をしないなら黙認すると答えるしかありませんでした。


使者が立ち去ると小弓城本丸から立花軍の行軍する姿が見えました。市原城、潤井戸城、瀬又城から軍列が続きます。

下総公方家の兵力は小弓城に3000、隣の鎌取城に4000、合計7000に過ぎません。沈黙するしかありません。

しかし、千葉家に急報しなければなりません。簗田直助は急報を早馬で知らせました。


簗田直助からの急報は千葉家に衝撃を与えました。本佐倉城の当主、千葉利胤と重臣達は事態の急変に慌てて軍議を開きました。

軍議は立花将広の軍勢は総勢40000、常陸国の兵士5000、僧兵5000、大掾勢の2000の内通疑惑、急報した下総公方家も怪しいと騒々しい意見が発言され、纏まりません。


立花将広の軍勢26000が3つの軍団に別れて下総公方家の領内を堂々と通過します。

小弓城、鎌取城の兵士達宛てに通行料として清酒10樽、焼酎10樽、高菜漬1樽が届けられました。先日の相撲合戦で交流した事で下総公方家の兵士達は立花家、里見家、上総公方家に対して友好的な感情が沸き始めています。通行料に配られた酒樽には立花将広寄贈と貼り紙が付けられています。

酒樽を届ける立花家の兵士達と下総公方家の兵士達が相撲合戦の楽しさを語らいながら挨拶を交わし、高菜漬の樽を開けて味見をすると、あまりの旨さについつい、盃が配られると酒樽に手がつけられ、多数の兵士が高菜漬を味わいながら酒盛りを始めてしまいました。立花将広の指示で仕掛けられ、下総公方家の士気を和らげる策略は見事に填まりました。

下総公方家の兵士達は立花家、里見家、上総公方家に対して友好的な気持ちが浸透しました。


やがて、下総公方領内を無抵抗で通過した立花軍が千葉家領内に侵入、太鼓を叩き、大きな声を張り上げて行進していると急報が入りました。


更に急報が入ります。

四街道方面の封鎖区域に常陸国の僧兵3000が古河公方家の報酬未払いの解決に協力を要請しており、原胤長の説得するが、揉めていると判明、緊迫した事態になりました。

僧兵達は常陸国への帰国支援を願い、食事や宿泊の支援や道案内を願いますが、当主に検討して貰うから待機するようにと待たされます。


僧兵達は立花家から土産に清酒を持たされています。街道を封鎖している原胤長の陣地にとどまり、酒を飲み始めました。

旨そうな酒に釣られて原胤長の陣地内の僧兵が仲間に加わりました。

常陸国の僧兵達は敵対する立花家は旨い飯と酒を与え、安全に帰国する為に武器まで返却してくれたのに、味方の千葉家の対応が鈍く、不満を語りました。

常陸国の僧兵達3000は四街道周辺で待機するしかありませんでした。


立花将広の軍勢12000は千葉家の領内の海岸寄りの道を進み、新納勢7000は中間の道筋を進み、吉良勢6000が四街道の僧兵達の近くを行軍します。


先行する立花将広の軍勢は進路の邪魔になる猪鼻城(千葉城)が見せしめに最適と判断、城を包囲して猪鼻城に使者を派遣しました。

降伏開城するなら命を保証する事、半刻(1時間)以内に退去するなら財貨の持ち出しを認めると通告しました。


猪鼻城の城主は降伏開城に同意しました。

城兵は200しかおらず、城主と兵士達は財貨を持ち出して退去して行きました。

立花将広は猪鼻城を接収すると千葉家に対して使者を送りました。

使者は四街道陣地にて千葉家の重臣、原胤長に対面しました。

猪鼻城の接収を通告、さらに常陸国に向かった常陸勢の動向の報告と、常陸国の僧兵達の受け入れ状況について急ぎ返答を要求しました。


使者は四街道に待機を強いられている常陸国の僧兵部隊を見かけて声を掛けました。

彼らから千葉家の対応が遅れている事を聞き出して、将広に報告しました。

「よっしゃ!僧兵達に猪鼻城を与える!

今から迎えの兵士を出すぞ!」


「将広様!なんと大胆な?

敵対する兵士に奪ったばかりの城を与えるなんて聞いた事ありません!

しかし、一歩間違えると彼らが窮地に立たされますが、宜しいのですか?」

新納忠義が心配します。


「ぶはははは!予想も出来ぬやり方で常陸国の僧兵達を取り込むぞ!

敵になるはずの3000の軍勢を味方に引き込むのだ!

あり得ない方法で味方を増やすぞ!」


「承知致しました…」

新納忠義は間近で立花将広の奇想天外な策略を見てきました。

クスクス笑いながら見守ります。


立花将広は使者に騎馬200をつけて四街道で待機している僧兵3000を迎えに行かせました。

嫡男、頼将に僧兵部隊3000を迎える支度と夕飯の準備を命じました。


四街道で待機していた僧兵部隊は立花将広の使者から猪鼻城を与えるから招待する事、彼らの為に夕飯の支度をしている事を告げると僧兵達は跳び跳ねて喜び、全員が猪鼻城に向かいました。


夕刻、猪鼻城に到着した僧兵 3000を立花将広と26000の軍勢が歓迎しました。

「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」

立花家の兵士達が歓迎の声をあげます。

「エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!

エイ!トウ!エイ!」

26000の歓迎の声が響きました。

僧兵達3000は立花家の盛大な歓迎を受けて感激の涙を流す者もいました。


空腹に染み渡る立花家特製の肉じゃが、鳥飯を腹一杯に食べて満足感を味わいました。

食事を終えた僧兵達に立花将広が呼び掛けます。

「僧兵諸兄に問うぞ!

古河公方家は報酬を与えてくれたのか?

千葉家は諸兄の支援を受けながら見返りの対応はどうだ?

立花家は諸兄達にに腹一杯の飯を提供したが、更に猪鼻城を任せる!」


「うぉーぉー!!

うぉーぉー!!

雄叫びが響きます。僧兵達が驚きました。

立花家の兵士達も豪胆な将広の言葉に驚きました。


「千葉家の態度が決まるまで、安心して寝起き出来る場所を提供する!

諸兄達の仲間から責任者5名を選び、更に筆頭責任者を1人決めてくれ!

諸兄達に猪鼻城の管理を任せる!

責任者は諸兄達が相談して選んでくれ!」


僧兵達は戸惑いながら喜びました。

責任者5名が選ばれて立花将広と対面しました。筆頭責任者は蒼空、40代の精悍な武将の雰囲気がありました。


将広と代表5名は挨拶を済ませると千葉家への対応を協議しました。


猪鼻城を千葉家に返還する前提で交渉を始めます。

①最大の目標は千葉家を通じて衣食住の心配無く常陸国へ帰国する事。

②古河公方家の報酬未払いの件の仲介を千葉家に求める事。


それらの要件が無理な場合は

①千葉家と直接戦うか?

②立花将広に同行して柏、鎌ヶ谷方面に進み、古河公方家に直接交渉するか?

③立花将広の軍勢に従い、古河公方家の軍勢と戦い、勝てば帰国の道が開き、負ければ古河公方家に反旗を掲げた罪に問われます。

いずれも厳しい選択になります。


「いずれを選ぶのも厳しいが、立花家は諸兄達が無事に帰国する為の支援をするつもりだ!

しかし、我らは古河公方家と宿命の対決の為、明日には柏、鎌ヶ谷方面の主戦場に向かわねばならぬ!

5名で相談して決めても良し、兵士達と相談して決めても良し、決める方法は任せる」

将広は決断を彼らに任せました。


蒼空と責任者達は仲間の僧兵達と相談すると様々な意見が交わされましたが、今、千葉家の立場から見ると、常陸国の僧兵部隊は立花将広の誘いに乗り、猪鼻城に入った事で、支援の打ちきりを決定した事が想定されます。


古河公方家から見ても立花将広の庇護を受けた以上は敵対したと判断されます。

従って古河公方家の支配下の常陸国に帰国は出来ず、救いの手を差しのべている立花将広に頼るしかありません。


「立花将広様は捕虜の我々を温かく迎えてくれたぞ!」

「立花家の兵士達も差別無しに迎えてくれたぞ!」

「立花家が常陸国を制覇すれば故郷に帰れるぞ!」

「俺は立花将広様に惚れた!

戦には絶対的に強い泥酔軍師に仕えるぞ!」

「俺も惚れた!将広様に付いて行くぞ!」


やがて、立花将広に付いて行きたいと主張する僧兵達が多数を占めました。

最後に採決した結果、立花将広に従い、柏、鎌ヶ谷方面に向かい、古河公方軍と戦う事が決まりました。


僧兵を代表して責任者5名が将広に決議を報告しました。

「我ら僧兵の総意は立花将広様に命を預け、柏、鎌ヶ谷方面の主戦場に赴き、古河公方軍と戦います!

常陸国に帰国するのは立花家が常陸国を制覇する時まで我慢致します!」


「ぶはははは!引き受けた!

蒼空殿!我が立花家は諸兄の家族が待っている常陸国を必ず制覇して見せようぞ!

家族に会える時まで諸兄達を支える事を約束する!」


「うぉーぉー!」

5名の責任者達は立花家に迎えられる事に興奮しました。

会見を終えて5名の責任者から僧兵達に立花家に迎えられた事を報告すると興奮した僧兵達が勝鬨をあげました。


「エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!

エイ!エイ!おぉーぉー!」

興奮した僧兵達が三回も繰り返して勝鬨をあげました。

立花家の兵士達も交えて勝鬨があがり、立花家の兵士達が歓迎の意思を示しました。


─5月14日、早朝─


昨日の千葉家は立花将広の軍勢が領内に侵入すると無血開城で猪鼻城を手にいれました。

夕刻には四街道周辺に来ていた常陸国の僧兵部隊3000が立花将広の軍勢に合流した事で緊張が高まりました。

さらに常陸国へ帰国する軍勢8000を率い

る大掾正興が芝山から北へ進み、佐原に向かうはずが、芝山から西へ進み、富里に入りました。


富里から千葉家の本拠地、本佐倉城まで3里(12キロ)に過ぎません。

大掾正興が、立花家に寝返った疑惑が深まりました。

更に東金城の酒井義勝から立花家の横山典弘率いる 5000の軍勢に包囲されたと急報が入りました。


─千葉家、本佐倉城─

─千葉利胤、酒井勝春─


「大掾正興が裏切ったのか?

富里に何故移動したのだ?

東金城が包囲された?

西方の要の城ではないか!」


不安に駆られ、宿老酒井勝春に尋ねます。


「殿、大掾正興の軍勢には警戒の為、背後から大須賀勢4000が追尾していましたが、立花将広の軍勢が我が領内に進撃した為、引き上げ、酒々しすいに移動させております。本佐倉城の東を警備する役目になり、大掾正興が寝返った場合、大須賀勢が壁になります。」


「勝春、大掾勢は8000、大須賀勢は半分の4000だぞ!大丈夫か?」


「戦上手の大須賀勢なら混成部隊の大掾勢など怖くはありません!」


「それなら良いが、東金城は大丈夫か?」


「東金城は簡単には落ちません!

酒井一族の要の城にて、自慢の山城にございます!支援無しでも1ヶ月は持ちまする!」


「ならば良いが、立花将広の軍勢はどうする?僧兵達が寝返り、戦力が高まったぞ!」


「猪鼻城から此方に攻め上がるなら四街道周辺の街道沿いに城が並び、立花将広でも本佐倉城まで辿り付くには早くても1ヶ月は掛かります。途中で諦めるでしょう。

それよりも、立花将広の狙いは柏、鎌ヶ谷方面に向かう事だと思います。

猪鼻城から出発したら密かに追跡して背後から襲えば勝算が高いと思われます。」


「そうか、立花将広の狙いは柏、鎌ヶ谷方面なんだな?勝春!追撃するなら軍勢はどれだけ出せる?」


「四街道の原胤長の軍勢10000に周辺の城から2000、本佐倉から2000、追撃可能な軍勢は14000になります」


「勝春、手配を頼む!」


千葉家は立花将広が柏、鎌ヶ谷方面に向かうと判断しました。

急いで準備が始まりました。

やがて軍勢が四街道陣地の原胤長の元に集結を完了、猪鼻城から立花将広の軍勢が出発するのを待ちました。



猪鼻城では早暁から朝粥の支度が始まり、早起きした兵士達に暖かいお粥が与えられました。食事を済ませると全将兵が出撃の支度に掛かりました。

周囲には千葉家の動静を探る間者から四街道周辺に軍勢が集結中、猪鼻城周辺に敵の間者、斥候部隊が多数潜入との情報が入りました。


─猪鼻城、立花将広、新納忠義─

「忠義、千葉家は我らが柏、鎌ヶ谷方面に向かう事を察知した様だ。

背後から追撃してくるぞ!」


「追撃を承知で柏、鎌ヶ谷方面に向かい、誘い込みますか?」

周辺の要所が示された地図を広げて城の位置と軍勢の配置を見ながら将広が思考を巡らせます。

「それも有りだがな…吉良頼貞の6000を猪鼻城に残したら…千葉家はどうする?

追撃は出来ぬから猪鼻城を攻めるか?」


「吉良勢が6000と知れば悩みますが、半分なら、いや、1000から2000なら攻めて来るでしょう」


「ならば、2000を残して吉良勢4000を近くに隠して誘うとするか…

それなら市原城から奥住勢を使うと楽しくなりそうだぞ!

ぶはははは!決めた!」


昨日、立花将広の軍勢は下総公方家の領内を堂々と通過した時に敵の兵士に敵意を感じず、友好的感情を感じました。

通行料に酒樽を配ったら大歓迎で下総公方家の兵士達は喜び、酒盛りになったと報告が有りました。

市原城から立花軍が下総公方家の領内を通過しても遮らないだろうと想定しました。


将広は思い付いた作戦を側近に説明すると、市原城の奥住利政に伝令の使者として派遣しました。市原城から出発して8000の軍勢を率いて千葉家の軍勢を挟撃する作戦を伝え

ました。


立花将広は諸将を呼んで軍議を開きました。

①立花将広13000

②常陸国僧兵部隊3000

③新納忠義7000

④吉良頼貞4000

柏、鎌ヶ谷方面に順番に出発すると決まりました。

千葉家の軍勢が追撃する事を想定しています。千葉家の軍勢が追撃して来た場合の戦い方、猪鼻城を攻撃した場合の戦い方を確認、さらに市原城から奥住勢の援軍が到着した場合の戦い方を確認しました。

臨機応変に戦う事を申し合わせて軍議が終わり、将広の軍勢から先に柏、鎌ヶ谷方面に出発しました。



4月上旬から房総半島各地を駆け回り、連戦連勝、常勝の泥酔軍師、立花将広は柏鎌ヶ谷方面の主戦場に向かう前に目障りな千葉家を叩く作戦を立てました。



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