1545年(天文15年)5月14日、立花義秀、指揮権委譲!
立花家当主、立花義秀は嫡男、義國を後継者として成長を促す為に総指揮を任せる事にしました。
1545年(天文15年)5月14日
早朝、立花義秀が鎌ヶ谷城外に布陣する嫡男、義國の本陣を訪ねました。
先触れの伝令から義秀の来訪を知らされていましたが、500騎の護衛に護られた義秀が到着すると兵士達に気合いが漲りました。
「エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!」
数千の将兵達が歓迎の声をあげて迎えました。その歓迎の声が鳴り響き、軍勢の士気が
高まりました。
─鎌ヶ谷城外、立花義國本陣─
─立花義秀、立花義國─
「義國、昨日の戦いは見事だった!
釣り野伏せが破られ、味方の窮地に的確に対処出来た様だな?」
「父上、簗田高助に釣り野伏せの仕掛けがバレて多数の死傷者を出しました。
大いに反省しております。
父上の援軍、佐伯勢の騎馬隊の救援が無ければ負けていたに違いありません。
有難うございました。」
頭を下げる義國…
「気にするな!敵の逆襲に的確な対処が出来たから軍勢の崩壊を防いだではないか?
簗田高助の直接指揮する軍勢と壮絶な戦いだったと聞いたぞ!
軍勢の七割に弓矢を持たせたらしいな?
素晴らしい判断であった。
その決断が勝利に繋がったのだ、立花家の次期当主として見事な戦い振りであったぞ!」
「父上、我が失策の為に、昨日だけで凡そ6000の死傷者を出してしまいました。亡くなった兵士の事を思うと胸を張る事が出来ません!」
「義國、その気持ちを忘れるな!
俺やお前の判断ひとつで多数の死傷者が発生する!
今回の戦いで善き学びとなったであろう。
そこで義國、お前に総指揮を任せる!」
「父上、お待ち下さい!」
「まぁ聞け!俺が率いる24000の軍勢は流山城、花輪城を確保して深井城と深井湊を攻略に向かう!古河公方軍の西側、左翼方面を崩す故、古河公方軍の中央から右翼方面をお前が指揮するのだ。
簗田高助を迷わせる!
深井城と深井湊を攻略したら、古河公方軍は退路を断たれる恐怖を味わう!
どうだ、面白いだろう?」
「承知致しました。父上の策に従います。
それでは中央から右翼を指揮させて頂きます!」
「よっしゃ!それでなぁ、簗田高助が嫌がる事をやってみろ!」
「簗田高助が嫌がる事?
想定しない事か?奇抜な事ですか?」
「勝つ為には相手が想定しない事、嫌がる事をやるのが肝要だからな、諸将と相談するが良いだろう」
「はい、承知致しました。諸将と協議致します」
立花義秀は総指揮を義國に託して東松戸城へ戻りました。
一方、古河公方軍、簗田高助は士気を高める為、柏城の足利晴氏を最前線の高柳城に招きました。
─古河公方軍、高柳城─
─足利晴氏、簗田高助─
前日の敗戦の死傷者が凡そ7000と判明しました。
「公方様、戦力はかなり削られましたが、立花家の軍勢も死傷者5000を超えております。敵陣は負傷者が溢れていると間者から多数の知らせが入っております!」
「高助!昨日は稀に見る激戦だったそうだな?立花義國を討ち取る寸前だったと聞いたぞ!
昨日夕刻には立花義秀も戦場に現れたらしいじゃないか?
立花親子を討ち取れ!」
「はい、公方様、その為に諸将を集めて軍議を開きます。公方様の御臨席をお願い致します!」
「承知した。高助に任せる!俺の役目は武将達の士気を高める事だな?」
「公方様、仰せの通りにございます。」
古河公方、足利晴氏はつい最近まで安全な柏城の本陣で守られていた事を理解しています。今の自分の役目は関東制覇に奮闘する簗田高助を手助けする事と理解しています。
簗田高助は諸将を集めて軍議を開きました。
地図を広げ、流山城、花輪城を破棄して幸谷城、高柳城、藤ケ谷城を中心に敵を引き込んで叩く策を説明しました。
軍議が纏まり、軍議の最後に足利晴氏が語ります。
「本日の戦いは関東制覇の為に必ず勝たねばならぬ!諸将と兵士達の奮起を期待する!」
簗田高助が掛け声をあげさせます。
「エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!
エイ!トウ!エイ!」
古河公方軍の兵士達の士気が高まりました。
─西部方面、深井城─
宇都宮勢4000
─幸谷城─
瀬能勢4000、曹洞宗勢7000
─高柳城─
簗田勢6000、野田勢8000
足利晴氏2000
─藤ケ谷城─
綾部勢3000、宇佐美勢4000
─遊軍─
真言宗勢11000
合計49000
簗田高助は最前線に古河公方、足利晴氏を招いて将兵の士気を高める事に務めました。
安全な場所に居た足利晴氏にも簗田高助の想いが伝わり、将兵の士気を高める為に声をあげました。




