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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)5月12日、佐津間城、三の丸の攻防!

簗田高助は佐津間城の東門の守備を突破すべく、移動して来ました。

思い通りに佐津間城を攻略出来るでしょうか?

1546年(天文15年)5月12日


簗田高助は佐津間城の北側を離れ、軍勢を佐津間城の東側に移動しました。

東側の戦場では綾部勢4000が山口勢の騎馬隊2000を相手に苦戦中でした。

山口勢は馬上から弓矢の連射で綾部勢の接近を阻み、綾部勢は盾兵を前に攻撃を凌ぐばかりで、2倍の兵力差を生かし切れぬ状況です。簗田勢が山口勢を包囲する態勢になり、山口勢は危機を察知して戦場の南へ退避、離れた距離から牽制の姿勢を見せました。

両軍は睨み合いになりました。


午後13時を過ぎました。

簗田勢は山口勢の動きを見定め、佐津間城の東側から城攻めを試みます。

佐津間城の東門一帯には二列の竹矢来が組まれています。佐津間城には多数の竹が自生しており、北門とは異なる防御態勢になっています。150cm程の高さの竹矢来と東門の前には逆茂木が五つ、互い違いに配置され、東門は二階建て、コの字型の矢倉は緩やかな坂道を上がると、門前で三方向から60名の射手が矢狭間から射撃する態勢になっています。


簗田高助は東門の備えを見て、二階建てのコの字型の矢倉の攻撃力を恐れました。

東門近くに牽制部隊を配置、蒼龍部隊に竹矢来を破壊して城壁に梯子を掛けて侵入する事を命じました。


蒼龍部隊は100名ずつ10部隊に別れて竹矢来の破壊に取り掛かりました。

竹矢来を混紡と金棒で殴り、破壊します。

二重の竹矢来の奥に高さ180cm程の漆喰の白壁の城壁があり、矢狭間から蒼龍部隊に弓矢が集中します。


しかし、蒼龍部隊の兵士達は重厚な鎧に守られ、弓矢を弾きます。

竹矢来は次第に破壊され、各地で二重の竹矢来が突破されました。

「怯まず城壁を越えろ!殴り倒せー!」

蒼龍部隊の指揮官が僧兵達を鼓舞して叫びました。

蒼龍部隊は次々に城壁を越えて城内に侵入し、東門は内側から制圧され、簗田勢は東門から続々と城内に侵入しました。

東門の奥には緩い傾斜の坂道を左右に何度も曲がりながら上がり、三の丸に繋がっています。


しかし、左右に曲がりながら三の丸を目指すと城兵が頭上に弓矢の連射を浴びせます。

簗田高助は蒼龍部隊を先頭に三の丸攻略を命じました。

弓矢を弾き攻め上がる蒼龍部隊には長槍が頭と肩に打撃を与え、更に階段を上がる兵士の足を狙って石礫が落とされます。

更に長さ150cmの先を尖らせた竹槍を投げ込みました。石礫も竹槍も当たれば重傷を負います。多数の兵士が石礫と竹槍の餌食になりました。

簗田勢の進路の足場に石礫と竹槍が転がり、負傷者が続出、苦戦しながら三の丸へ向かいました。


ようやく三の丸前の広場に到達した蒼龍部隊は続々と集まりました。三の丸の門構えもコの字型の二階建ての矢倉です。

蒼龍部隊が200程集まった時でした。

三の丸の門が空いて、50程の長槍部隊が槍先を揃えて突入しました。


臆せず、冷静沈着な蒼龍部隊は長槍を弾き、粉砕して前に進みました。

堪らず長槍部隊は三の丸内へ退避します。

蒼龍部隊は追いかけて三の丸へ侵入します。

長槍部隊はさらに奥に退避します。


三の丸の門を突破したと知らされた後続の簗田勢は次々に三の丸に集まりました。

先に三の丸の奥に進んだ蒼龍部隊200は更に奥を左に曲がった先に長槍部隊200が待ち構え、城壁から次々に投網が放たれ、多数の兵士が網を被りました。石礫が次々に投げ込まれ、接近した長槍部隊に頭や肩、背中を叩かれて負傷者が続出しました。

三の丸で指揮する高城義春は降伏を促しました。


「降れー!武器を捨てて降れー!

生きて帰りたいなら降れー!」

城兵の呼び掛けに戦意を喪失した蒼龍部隊は降伏しました。


そして三の丸の門前に集まった200ほどの簗田勢には矢倉の矢狭間から弓矢の連射が浴びせられていました。下の通路側へ逃げる者、三の丸の門から内部へ侵入する者が半々に別れました。


高城義春は長槍部隊200、弓隊300を率いて三の丸門へ向かいます。

侵入した簗田勢を瞬殺、粉砕すると三の丸門前に残る簗田勢を一蹴してしまいました。

三の丸門前から退避する簗田勢は慌てて階段から退避します。

「追撃せよ!簗田勢を城外に叩き出せー!」


高城義春の叫びに将兵が一斉に追撃を開始しました。厳しい追撃に堪らず簗田勢は東門から逃れました。


「簗田勢を撃退したぞー!

鬨の声を上げろー!」

高城義春が叫びました。


「エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!」


戦場に高城勢の勝利を告げる雄叫びが響きました。

佐津間城の周辺で戦う立花家の軍勢に高城勢の勝利が伝わりました。


勝利に喜ぶ高城勢の中に、高城義春が手を合わせて黙祷しています。

「本多広孝殿…貴方に教えられ、育った兵士達が見事に戦ってくれましたぞ…」


夕暮れの空に高城義春の涙が流れました。

手を合わせる義春の姿に、兵士達も亡き恩師、本多広孝を偲び、手を合わせました。


高城義春と城兵の奮闘で佐津間城は簗田勢を撃退しました。亡き本多広孝も喜んでいるに違いありません。

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