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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)5月11日、小弓城に立花将広の魔術浸透!

小弓城からの救援要請に応えて現地に到着した千葉家の軍勢は下総公方家の兵士達の異変を察知しました。

千葉家の主将、原胤長が調査すると驚愕する事が判明します。

1546年(天文15年)5月11日


下総公方家の本拠地、小弓城からの急報を受けた千葉家の軍勢は古河公方軍、柏城本陣の簗田高助から救援に向かう許可を取り付けて、小弓城救援に向かいました。

夕刻、千葉家の軍勢が小弓城に到着しましたが、小弓城周辺の下総公方家の軍勢に緊迫感が欠けていました。


千葉家の軍勢を率いる主将、原胤長は不審に感じて調査を命じました。

多数の兵士から証言を纏めてた調査の結果、仇敵の立花家が支援する敵方の城に招待され、相撲合戦で団体戦を楽しんだ事、多額の賞金を貰った事、多数の兵士が観戦も許されて大いに盛り上がった事が報告されました。

「なんだとー?!

相撲合戦を楽しんだだと?!」


激怒した原胤長は下総公方家、当主、足利晴宗、筆頭宿老、簗田直助に面会を求め、問い詰めました。

「簗田殿!敵の城に招待されて相撲合戦に興じたとは何事か!?

小弓城から救援要請に応えて急行したのに!敵と相撲に興じるなど許されぬ裏切りだぞ!」


原胤長は千葉家の実権を握る筆頭宿老、原家の次男の地位にあり、古河公方家の実権を握る簗田高助の弟、簗田直助にも強気に問い詰める覚悟がありました。


普段なら強気の簗田直助も、原胤長の剣幕に気圧されながら、経緯の説明を強いられました。6月末迄の停戦交渉の駆け引きの為だと、簗田直助の苦しい言い訳に原胤長が聞き入ります。

古河公方家が仕掛けた里見家の反乱に派遣した常陸国の軍勢が立花家の捕虜になり、市原城から解放されて小弓城に来た経緯から報酬の支払い問題と、市原城に交渉に出向き、立花将広と交渉した内容まで苦しい説明が続きました。


勝手に停戦交渉をする等、原胤長には苦しい言い訳に聞こえました。

交渉だとしても、敵の総大将、立花将広と泥酔するまで歓談して相撲合戦を観戦した事実を掴んでいました。更に許せないのは裏切った佐竹義廉の兵士を預かり、帰国の手伝いを請け負った事でした。

先月も敗け戦の後の和議交渉の時に立花将広と簗田直助が泥酔するまで歓談したした事実も把握しています。

原胤長は簗田直助が立花将広に取り込まれ、内通している可能を感じました。


下総公方家が、立花家に鞍替えすると下総国の軍事状況は一変します。

里見家が反乱軍を鎮圧した事で、今後は里見家の主力部隊も動員可能になり、千葉家は極めて危うい状況になります。


原胤長の叔父、千葉家の筆頭宿老、原胤清は先月の4月10日、本納城の戦いで立花将広を討ち取る寸前まで追い込みながら、逆襲されて討ち取られています。立花将広は叔父の敵、仇敵です。

原胤長は怒りを押さえて釈明を最後まで聞いて耐えました。

相手は古河公方軍を実質支配する簗田高助の弟です。この場は堪えてを柏城の簗田高助に掴んだ事実のみ報告する事に決めました。



小弓城から、簗田高助宛てに弟、簗田直助と原胤長から各々書状が届きました。

簗田直助からは立花将広と和議交渉の過程で取引した結果、6月末まで停戦する見返りに房総半島の戦いで捕虜になった常陸国の兵士5000の捕虜の返還と立花家に寝返った佐竹義廉の兵士から常陸国へ帰国を希望する兵士を受け入れると伝えて来ました。


しかし、原胤長からは簗田直助が敵方の市原城で立花将広から酒の接待を受けていた事、小弓城、鎌取城の兵士が市原城に招かれて相撲合戦に参加して多額の賞金を得た事、市原城には小弓城、鎌取城から多数の兵士が観戦していた事が報告されました。

原胤長は立花将広と簗田直助は何か密約してる疑いが有り、状況次第では千葉家本領に引き上げると申告して来ました。


原胤長は簗田直助が裏切って立花家と手を結んだ可能性があると暗に示しています。

立花将広の仕掛けた魔術が少しずつ効果をあげていました。


古河公方軍、柏城本陣─

─足利晴氏、簗田高助─


「高助?小弓城の状況はどうだ?」


「はい、市原城の立花将広が小弓城に罠を仕掛けて来た様です。」


「対策はあるのか?」


「対策を練らなければなりません。

厄介な人物が市原城に来てしまいました。

弟の直助、原胤長、各々に立花将広の策略に騙されぬ様に書状にて注意を促します。」


「高助を補佐出来る有能な人材が必要だな?

誰か居ないだろうか?」


「公方様に気を使わせて申し訳ございません。支配下の大名家から人材抜擢も視野に入れて探す事に致します。」



簗田高助は多忙の中、弟直助、原胤長に立花将広は謀略が上手いから騙されぬ様に注意を促す書状を書き上げると使者に書状を託して小弓城へ届けさせました。

4月の上旬から下総国、柏方面に侵攻して1ヶ月になります。肩から腰に疲労が溜まり、

慢性的な寝不足になっていました。

そこに嫡男、簗田晴助がやって来ました。疲れた様子を見て高助を腹這いに寝かせると、首から肩を揉み、腰を強く揉みました。


「父上!働き過ぎでしょう。

丸投げして部下達に任せたら良いのに、父上は大事な案件に集中すれば楽ですよ!

あれ?…もう寝てるのかよ?…」


簗田晴助は22歳になりました。

将来は筆頭宿老を継承するつもりです。

父が働き過ぎる事を心配すると同時に、部下に任せて分業すべきと考えています。

父の身体を気遣い、近習に布団を用意させて眠った事を確認すると父の執務室を後にしました。












小弓城では簗田直助と千葉家の主将、原胤長との間に隙間が出来ました。

簗田直助は立花将広に踊らされた自覚がありますが、立場上、原胤長に正直に話す事も出来ず、原胤長は密約を疑い、簗田直助に疑惑の目を向けています。

果たして明日からの展開は?

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