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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)5月10日、高柳城撤退作戦!

最前線で孤立する危険がある為、本多広孝の軍勢が高柳城から撤退します。

前日から撤退準備に掛かり、周到に準備が進みました。

しかし、古河公方軍も本多勢の撤退を察知していました。

果たして無事に撤退出来るでしょうか?


1546年(天文15年)5月10日


早暁、高柳城周辺に最寄りの佐津間城から派遣した騎馬隊1000が配置に着きました。

本多広孝の軍勢5000と、城兵500が高柳城から南に3キロの佐津間城に撤退します。


本多勢は前日から荷造りを準備しており、夜明け前には馬や馬車へ荷物を載せて輸送部隊が財貨と兵糧、武器を運びます。

輸送部隊は南の佐津間城へ向かう部隊と西廻りに迂回して佐津間城に移動する部隊に別れて出発しました。


古河公方軍は前日から高柳城の動きを把握していました。深夜になり、柏城本陣から野田弘明の軍勢5000が密かに高柳城周辺に潜伏していました。

未明に動き出した輸送部隊を襲う為に高柳城周辺に伏兵を配置しています。

高柳城から想定通りに本多勢の輸送部隊が出発すると、野田弘明の放った奇襲部隊が追尾を開始しました。


午前5時前、日が昇る前に十分な明るさになりました。古河公方軍、野田勢の伏兵が待ち構える近くを通過する本多勢の輸送部隊は南から向かった輸送部隊1000、西から迂回した輸送部隊1000は、各々古河公方軍の奇襲に遭遇しました。



「掛かれー!財貨と兵糧を奪えー!」

野田勢の指揮官が叫びます。

「うぉーぉー!」


大きな畑を貫く道を2列で進む本多勢の輸送部隊は襲撃を想定して、輸送する荷物を軽くしていました。

本物の米俵は一部のみです。馬車に積んでいたのは籠に集めた石礫いしつぶてと大量の弓矢でした。


輸送部隊の大半は弓矢と長槍で武装しています。弓矢の連射と長槍で対抗します。

その他の兵士は馬車に積んでいた石礫を投げて奇襲部隊に抵抗しました。

一部の兵士が上空に向かって火矢を放ち、護衛に派遣されている鎌ヶ谷城の騎馬隊に危機を報せました。


上空に上がる火矢を見た騎馬隊は間も無く駆けつけます。200騎ほどの部隊が襲撃現場に現れ、野田勢の背後から弓矢の連射で包囲を突き崩し、数騎で固まり、体当たりを食らわして戦いの流れを掴みました。

野田勢は手強い反撃を受けて退却しました。


しかし、古河公方軍、野田弘明の狙いは退却する輸送部隊の先頭部隊では無く、立花家、次席宿老、本多広孝の命でした。

野田弘明は輸送部隊襲撃に2000の兵力を割き、残る本隊3000を率いて高柳城の北から1000の軍勢を割いて攻撃を命じました。残る軍勢2000を率いて城の南側に廻り、本多広孝の所在を探していました。


本多広孝は城兵全てが退避出来る様に、殿軍の中にあり、漸く城兵を連れて西から退避する処に野田弘明の軍勢に遭遇しました。


「本多広孝殿!見つけたり!

討ち取れー!」

野田弘明が叫びます。

「うぉーぉー!」

野田勢の兵士達が雄叫びをあげて殺到します。

「包囲せよー!大きく開いて包囲しろー!」

野田勢の指揮官達が叫びます。


本多広孝は落ち着いていました。

弓矢の連射で寄せ来る野田勢の勢いを鈍らせると荷台に積み上げた財貨の箱を開けさせました。

「財貨を敵に投げろー!全て投げろー!

兵糧を燃やせー!全てに火を着けろー!」

「うぉーぉー!!」


本多勢の兵士達が荷台から大量の小銭を縄で括った財貨を野田勢の兵士達に投げ込みました。

「銭だー!大金があるぞー!」

本多広孝が野田勢に叫び、兵士達を銭拾いに導きました。

「うぉーぉー!銭だー!」

野田勢の兵士達が地面に墜ちた銭を競って奪い取り、空中に投げられた銭の束に群がります。


「銭はまだ荷台にあるぞー!

兵糧も欲しければ奪うが良いぞー!」

本多広孝が叫び、野田勢を銭拾い、銭の奪い合いに導きました。

銭拾いに出遅れた兵士達は米俵に群がります。半数の米俵は燃やされていますが、残る半数を奪いに走ります。

古河公方軍は僧兵の大軍を養う為に兵糧の節約の為、米の支給が減らされています。

通常支給される米が3割減らされ、肉体労働する兵士には腹が減り、厳しい状況にありました。


目の前に凡そ200俵の米俵がありました。

半数近くが燃やされています。

100俵の米俵を確保出来れば数日は通常通りに米の支給にありつけるかもしれません。

兵士達は米俵に群がりました。


本多広孝は持ち出し切れない米俵を城の大手門前に集めて全て燃やすつもりでした。

目の前の銭と米俵に群がる野田勢を尻目に本多勢は包囲を突き破り、城の西へ迂回して危機を乗り越えました。


本多勢は鎌ヶ谷城から派遣された護衛の騎馬隊と合流しました。彼らに護衛されて佐津間城に向かいます。


「さて、これより佐津間城に向かうぞ!」

本多広孝は危機を脱して部下達と佐津間城に向かいました。

本多広孝は自ら殿軍を率いて佐津間城から撤退しました。

大きな犠牲も無く、包囲を突破しました。

本多勢は佐津間城に向かいます。

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