１５４６年(天文１５年)５月９日、立花義國、窮地になるも慌てず！
古河公方軍に動きがありました。
岩槻方面から更なる仏教宗派の軍勢が集まります。増え続ける軍勢に立花軍が危機を迎えます。
１５４６年(天文１５年)５月９日
正午を過ぎると小野田城から千葉家の軍勢が動きました。
原勢１１０００が南下して高津城に向かいました。大須賀勢４０００が八千代城を付近を経由して幕張城を目指して移動します。
高津城の西に３キロの習志野城周辺に立花義弘の軍勢８０００が配置され、千葉家の軍勢の侵攻を想定しています。
習志野城から南に４キロ、津田沼城の周辺の守りを固めて千葉家の軍勢を阻む役目を託されています。
幕張城は高城家の領内東端にあり、守り切れぬと判断して事前に兵力を津田沼城に合流していました。
鎌ヶ谷城の立花義國の本陣に古河公方軍の動きが次々に入ります。
岩槻太田家当主、太田資正の軍勢が戸塚城、蕨城を攻撃、僧兵の軍勢が草加城、道庭城を攻撃、さらに松伏方面から現れた僧兵の大軍が深井城周辺で渡船を使い江戸川を渡っているとの急報が次々に入りました。
─鎌ヶ谷城─
─立花義國、東郷信久─
「若殿、古河公方軍の新手の軍勢は全て僧兵が主体の様です。総数は３００００から４００００と思われます。
直ちに府中の大殿に急使を出しております故、援軍が来るまで耐えるしかございません。」
「簗田高助の奴、どれだけ僧兵を連れて来るんだ？数は多いが練度に課題もあるだろう。
戦費と兵糧が大変だろうな？
古河公方家の財政はどうなってるんだ？」
「若殿、経理や財政に詳しい若殿なら僧兵を如何にして養いますか？」
「そうだな、兵糧は寺院の領地から買い付けて大量に集めるだろう。
古河公方家の余剰分と江戸川、利根川の水運で集めて、商人達と売り買いしながら、兵糧と軍資金……先物取引か！！？
仏教宗派に領地配分を約束したに違いない！
攻略した城に付属した領地を与えるなら
寺院宗派は古河公方家に貸付や資金提供もするだろう。
簗田一族の資金力が信用に繋がったか！？」
「若殿、古河公方軍の軍資金は簗田一族の資金力でなんとかなりましょう。
しかし、兵糧は集めたら移動が困難です。
軍勢の移動に合わせて一気に運べる物ではありません。兵糧を一気に運ぶと軍勢の移動速度が落ちてしまいます。
兵糧は補給部隊が後から運ぶのが常識でございます。
補給路の確保が敵の弱点になりましょう。」
「そうか、弱点は兵糧だな！
補給路を脅かし、兵糧を焼き払えば効果がありそうだな？」
「はい、その通りにございます。
敵も然り、我が立花家も同じにございますが、今の立花家は同盟大名の高城家と江戸太田家の領内で戦いをしており、兵糧の補給の心配はありません。
兵力差が開いても、補給力が強い味方となりましょう。」
「解った、敵の補給を脅かして粘るぞ！」
立花義國の補佐役、東郷信久は優勢な古河公方軍との戦う方法を義國に考えさせます。
会話のやり取りをしながら、答えに導きます。
