1546年(天文15年)4月28日、松千代に諏訪神社の神様からのお告げがありました。
諏訪神社の神様が松千代の夢に現れました。
神様のお陰で秩父藤田家の領地奪還が早まりそうです。
1546年(天文15年)4月28日
─立花家、川越城─
─立花義秀、鹿島政家─
地図を広げ、武蔵国北部から上野国の辺りの配置を眺めています。
「殿、義弘様(次男、立花義弘)の軍勢は順調に鉢形藤田家の城を攻略してる様ですな?
鉢形城の北を守る花園城の攻略が出来ました。あと数日で鉢形城が孤立しそうです。」
「そうだな、義弘も大軍の扱いを学び、成長して貰いたいからな。良い経験になるだろう。」
「殿、鉢形城を義弘様が攻略されたら如何なさいますか?」
「秩父藤田家に与えるつもりだ。
秩父神社、三峯神社の神様に秩父藤田家の領地を奪還すると約束したからなぁ。
立花家は信義を守るぞ!」
「はい、承知いたしました。
それでは奪還した領地は全て秩父藤田家に与える手配に致します。」
「政家、手間が掛かるだろうが、これも立花家が信義を守る事を世の中に知らしめる為だ。
頼んだぞ!」
「はい、流石我が殿にございます!
潔い事に秩父藤田家が心服致しましょう。」
「川越城が手に入り、川越上杉家の半分近くの領地が手に入った。
川越の街は大火に被災したが、復興すれば以前より繁栄した街になろう。
さて、鉢形城が落ちたら下総国、柏方面と上総国、安房国方面の戦いの始末を付けなきゃならんな?」
そこに松千代が現れます。
「お爺ぃー!心配な事があるよー。」
義秀の胸に抱きつく松千代が地図を見ながら指を差します。
「お爺、鉢形城を攻略してからどーするの?
荒川の北側の本庄から美里、深谷、寄居、小川辺りの国境の軍勢の配置はどーするの?
前橋上杉家との国境に武蔵松山上杉家との国境の軍勢はどーするの?
秩父藤田家だけでは無理でしょ?
近衛府(近衛中将府)を設置するか?
立花家単独で駐留軍を配置するのか考えないと治安維持出来ないかもしれないよ?」
「おぉー!忘れてたわ!
ぶはははは!ついつい忘れてたわ!」
「やっぱし……きゃははは!
お爺、花園城の東にある諏訪神社の神様がさぁ、心配してたから、夢に出て来たよ。
秩父藤田家は領地を回復すると広大な領地だけど、人が少ないから駐留軍が必要だって。
それから、前橋上杉家のお殿様は優れたお方だから油断禁物と言ってたょ。」
「諏訪神社の神様が知らせてくれたのか?
そうか、諏訪頼宗が諏訪神社と関わりを持ったかもしれんな?
川越の後始末に追われて、秩父と鉢形方面の対応が遅れてたな?
松千代、助かったぞ!」
「殿、松千代様に指摘されなければ後手になる処でした。駐留軍、近衛府の事、国境の治安維持対策はしっかりやらねばなりません。」
「わかった。早めに対策を練るぞ。」
「お爺、これからの戦いには方面軍が必要なんじゃないの?
例えば柏方面軍とか、上総方面軍とか、地域特化の方面軍と支援部隊を常備するの。
数千単位の軍団を駐屯地から出撃させて効率化すれば毎回府中近郊で合流してから出撃するより、遥かに早く戦地に到着するよ。」
「そうか!方面軍……松千代!素晴らしい改善になるぞ!」
「殿、方面軍は善き提案でございます。
府中に戻り次第着手致しましょう。」
「お爺、諏訪の頼宗叔父さんが諏訪神社の神様に戦勝祈願したんだよ。
神様にね、奪われたご神領を取り返す約束してくれたから、御導きで花園城の攻略に繋がったみたいだよ。」
「そうか、花園城が早く攻略出来たのは諏訪神社が絡んでいたんだな?
それで松千代の夢に繋がったのだな?」
「鉢形藤田家は神領まで削るのか?
寺からも奪っているだろう。
政家、鉢形藤田家が神領、寺領奪っているなら全て元通りにする様に秩父藤田家に通達せよ!」
「はい、手配致します。」
「それからね、お爺、美里郡の猪俣一族は古代に武蔵国司を輩出した名門、小野家の流れにて猪俣一族から藤田家の創始者が生まれたから、諏訪神社の神様が猪俣一族を大事にしなさいと言ってたの、だから秩父藤田家に伝えなさいだって。」
「ん、んん?名門小野家の流れの猪俣一族から藤田家が発祥したのか?
わかった。秩父藤田家に伝えるぞ!
政家頼んだぞ!」
「はい、承知致しました。」
諏訪頼宗の戦勝祈願から諏訪神社の神様に気に入られた様です。
諏訪神社の神様が松千代と繋がりました。
秩父藤田家の未来が広がりそうです。




