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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)4月24日、川越城の降伏開城交渉が間も無く始まります!

川越上杉家、当主が亡くなりました。

立花義秀が川越上杉との交渉に臨みます。

1546年(天文15年)4月24日


─川越城東門、東南、立花義國本陣─


上杉朝定が立花義國の本陣攻撃開始から1時間で激しい闘いが決着しました。

川越城、東門の攻撃中だった軍勢は、本陣からの支援要請を受けて本陣に向かいましたが、到着したのは上杉朝定が討ち取られた直後の事でした。


今福城から瀬沼勢600騎が救援に現れなければ立花義國が討ち取られていたかもしれません。

立花義國指揮下の軍勢は13000、その内11000が攻撃に出向き、本陣が手薄になっていた時に攻撃されて危うい状況でした。


─上杉朝定勢2300─

戦死、上杉朝定、長尾信正

捕虜、河越勝重

死者 300

捕虜1600(負傷者400含む)

損耗率35%


─立花義國勢2000─

─瀬沼勢600─


死者150

負傷者350

損耗率19%


1時間の戦闘で多数の死傷者が出た事は激戦の証になりました。

上杉朝定の軍勢が降伏すると立花義國は勝鬨を挙げさせました。


「エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!

エイ!エイ!おぉー!」


義國は今福城の父、義秀に勝利を知らせる伝令の使者を送り、瀬沼勢が上杉朝定を討ち取った事を伏せて報告しました。

松千代が府中から連れて来た軍勢だけに、松千代の評判が上がる事を嫌った為でした。



─夕刻、立花家、今福城─

─立花義秀、鹿島政家─


「殿!義國様が見事に上杉朝定を討ち取りました。

今宵の内に首と遺体が届きますが、川越城に対して降伏勧告の使者を出しては如何でしょうか?」


「そうだなぁ、川越城を取り仕切るのは宿老の最年長の曽我と申したか?」


「はい、曽我和正が最年長です。

筆頭宿老は決まっておりません。」


「政家、川越城を開城する事を約束するならば、明朝に上杉朝定の首と遺体を引き渡す。葬儀を行う事を許す。

午前中に葬儀を終わらせ、上杉家の家臣全ては川越城から退出する。

退出期限は明日25日の日没迄とする。

これで良いかな?」


「はい、それで良いかと思います。

殿、問題は城下町の火災が未だ鎮火しておりません。川越城の西側から南側一帯が燃えており、消化出来る見込みがありません。」


「放火を指示したのは誰か?

まぁ、上杉朝定が命じたか?

宿老が命じたのか?

繁栄した城下町を取られぬ為か?

立花家の軍勢を火に包囲させるつもりか?

撃退する目的か?

いずれが目的でも、命じた奴の責任を問わねばならぬ!」


「殿、髙梨義成の軍勢が上杉朝定の軍勢に火を放たれ、火に囲まれ撤退しております。

上杉朝定の命令に間違い無いでしょう。」


「ならば、髙梨義成を使者にするぞ!

上杉朝定が川越の城下町を焼き付くした責任を追及する!

やらなければ上杉家は立花家が城下町を焼き付くしたと騒ぎ立てるだろう。

濡れ衣を着せられる前に放火された現場に居た武将から追及させるのが良いだろう。

放火した責任の代償に坂戸周辺を含め、領土を要求する!

交渉が決裂すれば明朝から総攻撃だ!」


髙梨義成が今福城に呼ばれ、義秀から交渉内容の説明を受けました。

①立花家は明朝、総攻撃を予定している。

投降する意志が有る者は命を保証する。


②降伏開城するならば、明朝、上杉朝定の首と遺体を返還する。


③降伏開城した場合、上杉朝定の葬儀を許可する。簡素に行い、午前中に終了する事。


④降伏開城成立後、城内の武器、兵糧、財貨、宝飾品等、全ての資産は立花家の所有に移管する。目録を差し出して監査を受ける事。


⑤降伏開城成立後、速やかに城から退去する事。退去期限は4月25日の日没迄とする。


⑥4月24日の戦いにより、上杉軍の捕虜は凡そ2000を越える数になったが、彼らは川越城下町復興の為、暫く立花家が預かるが、降伏開城せぬ場合は彼らの命は保証出来ない。


⑦立花家は城下町に放火を命じた人物の罪を追及する。上杉家は命令した人物を公表し、罪を償わせるべきである。

上杉家が事実を隠した場合、立花家が独自に事実を調べて罪を償わせる。



髙梨義成が使者として川越城に向かいました。⑥と⑦の項目は川越上杉家にかなり厳しい現実を突き付ける事になります。



─立花義國勢本陣─

─立花義國、側近─


「捕虜を5名連れて川越城の東門で解放してやれ!上杉朝定の討死を知らせてやるのだ!」


「はい、若君、手配いたします!」


立花義國は捕虜を解放して川越城内へ上杉朝定の死を広めました。

父、立花義秀が使者を派遣する前に城内の士気を挫く為でした。

更に東門で勝鬨を挙げて上杉朝定の死を宣伝しました。


義國は父が川越城に降伏開城を迫る事を予想していました。交渉が決裂すれば明朝から総攻撃の可能性があります。

将兵の士気を高める為にも必要な事でした。

立花義秀が考えた交渉内容は川越上杉家にとって厳しい内容になりました。

交渉は川越上杉家に厳しい現実が迫っています。


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