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1546年(天文15年)4月24日、川越城攻防戦、川越上杉軍善戦するも、上杉朝定が決断します!

川越城の攻防戦は午前中は川越上杉軍が善戦しました。

午後から立花軍が配置を変えて攻勢に出ます。

1546年(天文15年)4月24日


─立花家、今福城─

─立花義秀、松千代─


今福城の本丸から7キロ先に川越城の本丸が見えます。姿は見えませんが、その東には松千代の父、立花義國の陣地が存在します。

今福城から2キロ先には松千代の叔父、立花義弘の陣地から風に靡く軍旗が見えます。


「お爺、川越城攻めがねぇ、義弘叔父さんが主役に見えちゃうから、たぶん父上が嫉妬すると思うよ。」


「そうか?まぁな、お前の父上に比べて義弘は大軍の指揮に馴れてないからな、修行させてるのだ。これから立花家には万単位の軍勢を率いる武将が必要でなぁ、

川越城が攻略出来たらお前の父に川越城を任せるつもりだ。

それなら嫉妬する気持ちが有るとしても収まるだろう?どうじゃな?」


「お爺がそこまで考えてるなら大丈夫!

心配が消えたよ!」


「それよりなぁ、松千代に約束した松千代直属の部隊創設に嫉妬して反対するかもしれん。そっちが心配だぞ!(笑)」


「えっ?!それは困る…でも反対有り得る…

対策練らなきゃ……(笑)」


立花家の緊急事態に駆けつける為に素早く動ける松千代直属部隊が欲しい松千代でしたが、父、義國が難癖付けて反対する可能性が高いと予想されます。

義秀、松千代の二人は誤魔化して創設してしまえば良いと笑いながら考えていました。


─川越城東部、立花義國陣地─

─立花義國、東郷信久─


立花義秀の指令で梁田陣地の北側を攻撃せよと命令が通達されました。

義國は東郷信久に5000の軍勢を託します。


「父上は俺に義弘の支援を命じて、義弘に手柄を立てさせるつもりだな?

正面攻撃があいつで俺は裏口か?」


「若君、義秀様に父としてのお考えがございましょう。」


「あぁ、それでも気に入らぬ!

お前には5000の軍勢を任せるから好きなだけ暴れて参れ!

上杉朝定を見つけ次第討ち果たせ!」


「はい!行って参ります!」


東郷信久が5000の軍勢を率いて川越城の西2キロの梁田陣地北側に狙いを定めて移動しました。


─梁田陣地前、立花義弘、側近─

立花義秀の次男、義弘は11000の軍勢を任され、西第四砦に福島正義勢4000、正面の梁田陣地前に鹿島政勝勢4000を配置、自分の手元に3000の軍勢を予備兵力としています。

梁田陣地前の戦いが始まり、鹿島勢が陣地前に進出、盾に身を隠しながら馬防柵の引き倒しに掛かります。鍵縄を引っ掛けて引っ張ります。梁田陣地から弓矢が集中し、簡単には引き倒せません。

鹿島勢も弓隊を繰り出し、弓矢の連射で梁田陣地の弓隊を少しずつ退けます。


梁田陣地から騎馬50騎が弓隊に迫り、騎上槍で襲い掛かります。

鹿島勢も騎馬 50騎を繰り出し、馬上から弓矢の連射で対抗します。


立花義弘は西第四砦の福島勢4000から砦の抑えに1000を残し、梁田陣地の西側へ福島正義の指揮下の3000を向かわせました。

これに対して梁田陣地側の防御は馬防柵に守られています。接近すると弓矢の攻撃に晒されます。盾を前に進み、鍵縄を馬防柵に引っ掛けて倒しに掛かります。

陣地から縄を切り、抵抗します。

さらに陣地の北側から宇田川勢1000が福島勢の横腹から長槍を揃えて突入、福島勢と乱戦になりました。


─川越城西側、大手門攻撃部隊─

─髙梨義成─

立花義秀から髙梨義成が5000の軍勢を任され、梁田陣地の東を抜けて城下町を北へ大手門方面を目指します。

しかし、河越勝重の軍勢1000が住居を破壊、瓦礫を乱雑に積み上げて道を封鎖しています。


やむ無く南門付近に迂回して大手門方面を目指しますが町の地勢を熟知した河越勢に待ち伏せされ、隠し弓矢蔵の高所から弓矢を放たれて苦戦しました。


─梁田勢陣地、北側攻撃部隊─

─東郷信久─


立花義國から5000を預かり、川越城の東側から北側を通過、梁田陣地北側から不意打ちを狙い、接近しました。

しかし、5000の軍勢が北へ迂回した時点で川越上杉軍に行動を把握されました。

梁田勢陣地の北側に接近した時には周囲の住居を破壊、やはり瓦礫を積み上げ、道を塞ぎ進路を阻まれました。

上杉朝定が率いる2000の軍勢が市街戦に持ち込みました。東郷勢は思い通りにならず苦戦しました。

想定より陣地近くに多数の住居が有り、狭い道筋の戦いに引き込まれ、地勢を知り尽くした川越上杉軍が有利に戦いました。

立花軍は3倍以上の兵力差を生かせぬ戦いに苦戦する事になりました。


─川越城北西2キロ、三田綱秀勢5000─

─三田綱秀、加治隆幸─

入間川河川敷に帯陣中の三田勢は周囲に斥候部隊を派遣して情報を集めていました。

地勢に明るい川越上杉軍優勢の知らせが次々に入りました。


「加治殿、川越城の西、王手門前を制圧して、川越城内部と城の外に居る軍勢の連携を遮断したいが、如何であろうか?」


「それが一番宜しいかと思います。

連携を遮断すれば、梁田陣地に集まった軍勢は7000と聞きますが、兵糧が持たないはずです。梁田陣地は急拵えの為、兵糧の搬入が僅かなはずです。川越城に戻れぬと知れば坂戸方面の囲みを開ければ兵士達は逃亡するでしょう。

確実に戦力を削れます!

大手門までなら我が手勢が先導致します。」


三田勢5000は加治隆幸の軍勢に導かれ、川越城大手門付近に到着しました。

王手門前には三田家、立花家の軍旗に加え、川越上杉家重臣、加治家、猪俣家、越生家の軍旗が上り、川越城内に激震が走りました。


川越城本丸に急報が入り、重臣三名が立花家に帰順した事に驚き、城内の総指揮を任された曽我和正が王手門に援軍1000を派遣しました。

これで城内に残る出撃部隊は全て出し切る事になりました。


大手門の守備隊は500、援軍が1000、

大手門前には川越上杉家重臣だった三家の軍旗と三田家、立花の軍旗が風に靡き、睨み合いになりました。


三田綱秀は梁田陣地の北側で戦闘中の立花軍、東郷勢5000に伝令を出しました。

王手門前を制圧、梁田陣地と川越城の連携を遮断した事を知らせ、包囲の一角を開けて敵兵を坂戸方面に導く事を依頼しました。


東郷信久は三田綱秀の依頼に応じて、坂戸方面に通じる道筋を開けました。

さらに梁田陣地の上杉朝定に使者を向かわせ、王手門前を封鎖している事、川越城と遮断した事を通告、坂戸方面へ逃げるなら追撃を控えると通告しました。


─梁田陣地、上杉朝定、長尾信正─


「信正、川越城には戻れぬ様だな?

5000の軍勢で大手門前を封鎖された?

正しい判断を降す自信が無い……

どうすれば良いのか…

城外に7000、皆出払って戦っている…

兵糧は?どれくらい残ってるんだ?」


「殿、梁田陣地は急造の陣地です。

7000の兵士の兵糧など、今夜の分も怪しいかと思われます。

それより、立花家は3倍以上の兵力で押して来ます。このままでは夕刻迄持ちません!」


「そうか、大手門前は立花軍に封じられて戻れぬ…この陣地は夕刻迄持たぬ…兵糧も足らぬ…

なんとか多数の兵士を救うには?

多数を救う…

最後の手段だな?

信正!軍旗を見ろ!山からの風は北西から南東、西から東に流れているぞ!

城下町に火を放て!至る所に火を放つ!

火の勢いで立花軍は退避するだろう!

坂戸方面に退避する!

梁田勢、宇田川勢、河越勢に伝令を出せ!

川越城下を焼き尽くせ!

坂戸方面に退避する!

以上だ!」


長尾信正が各部隊に伝令を出しました。

丸投げせず、上杉朝定が覚悟を決めました。

上杉朝定が川越城下町を焼き尽くす決断をしました。

川越城下町は焼き尽くされてしまうのか?

川越城の運命は?

上杉朝定は坂戸方面に退避出来るのでしょうか?

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