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戦国立花家三代、新日本国戦記、大國魂神社の大神様に捧ぐ!織田信長を倒して全国統一を目指します!  作者: 近衛政宗


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1546年(天文15年)4月22日、立花義秀、捕虜4000を解放、川越城下は混乱へ!

松千代の提案で4000名の捕虜達が解放されました。

彼らは川越城下に入ります。

逃亡する者、現場に復帰する者、各々に試練が待っていました。

1546年(天文15年)4月22日


前日の21日、各地で前橋上杉軍、川越上杉軍は多数の兵士が降伏しました。

立花軍は圧倒的優位になると無駄な殺生をせずに降伏を促します。

立花家は大國魂神社の大神様を信奉しています。大神様の意向に反する行為を禁じています。捕虜を確保するのと、首を得る事は査定が同じになっています。


前橋上杉軍の捕虜が2000、川越上杉軍の捕虜が2000、合計4000の捕虜が各地で確保され、4ヵ所に別れて集められ、武装解除が実施されました。

捕虜の兵士達には拳二つ分の豚肉入りの握り飯、豚汁が与えられました。


負傷者には治療を施し、重傷の者は移送して本格的な治療を受けさせました。

死者を弔い、埋葬するのを捕虜にも手伝わせました。


4000の捕虜は多過ぎました。

管理するには2倍の兵力、8000を配置せねばなりません。



立花義秀、鹿島政家は悩んでいましたが、松千代が現れ、全員を川越に解放すれば川越城下は混乱して攻撃しやすくなると提案しました。

甲冑、弓、槍も無しの丸腰で解放しても半数は逃亡、予備の甲冑、武器は不足して役に立たず、復帰しても白い目で見られて最前線で戦える意思を保て無いから、戦力にならないと指摘しました。


義秀は松千代の提案を受け入れ、捕虜を解放する事に決めました。

4ヵ所に分散した捕虜達に明朝に解放すると予告した上、立花家の立場や思想、朝廷から綸旨を与えられた経緯、朝廷から錦の御旗を

与えられた官軍である事、敵対すれば朝廷に反旗を掲げる行為だと説明しました。

後日、立花家に仕えたければ何時でも歓迎すると伝えました。


─22日早朝、立花家、稲荷山砦─

鶏出汁の握り飯と鳥汁を与えられた捕虜達は食べ終わると解放されました。

4ヵ所に分散した捕虜達が川越城下を目指しました。


陥落した川越上杉家の今福城主、大胡重宗、援軍の主将、広沢政弘の二人は

稲荷山砦の最上部、展望台に招かれました。

遥か先に川越の街が見えています。

稲荷山砦から出発した捕虜達が解放されて川越に向かう姿が見えています。

二人には鳥出汁の朝粥、鳥の唐揚げが振る舞われました。

昨日は兵士と同じく、豚肉の握り飯、豚汁を味わいました。

立花家の戦場飯の旨さに驚きました。


食べ終わると二人の前に立花義秀、鹿島政家が現れました。


「大胡重宗殿、広沢政弘殿、両名の命の見返りに捕虜4000名の助命嘆願を受け入れ、全員生きて解放した!二人は捕虜達を救った英雄である!

お主ら二人が捕虜の助命嘆願する事を予期していた故、面倒だから先回りして先に済ませてしまった!

両名は俺に命を差し出したが自害は許さぬ!

両名の命は立花義秀が預かる!

両名は今から立花家の客人として優遇する故、立花家の戦い方を学び、旨い物を食べ、旨い酒を呑んでみろ!」


二人の前に青梅三田家から献上された清酒、大吟醸、銀河の雫が盃に注がれました。

酒好きの二人は勧められるまま、呑み始めると余りの旨さに驚きます。

普段の酒は濁り酒を呑んでいる二人に、透明な清酒は未体験の旨さでした。

さらにつまみにポテトフライに枝豆が出されると酒が進み、初めて食べるつまみの旨さに驚きました。


「大胡殿、広沢殿、暫く立花家の客人として学んで見るが良い、世話係に筆頭宿老、鹿島政家を付ける故、のんびりするが良いぞ!」


「ははー!有り難き幸せに御座います!」

両名は義秀の存在感に圧倒されて平伏してしまいました。

義秀はご機嫌でその場を政家に任せて立ち去りました。


─立花義秀、鹿島政家─

暫くして義秀の元に鹿島政家がやって来ました。


「殿、大胡重宗、広沢政弘の両名の使い道ですが、お考えがありますな?」


「政家、二人は川越城の南、大事な城を託された武将故、彼らの能力は平均的であれば十分なのだ。俺が使いたいのは彼らの親類縁者、武将同士の繋がりだ。彼らを取り込めば川越上杉家の内部から味方に引き込み、有力武将を靡かせる事も可能になるだろう。」


「はい、そのつもりでお世話致します。」


「まぁ、お主も忙しいだろう。

息子の政勝に世話を手伝わせろ!

良い経験になるだろう。」


「はい、ご配慮に感謝申し上げます。

政勝にも手伝わせます。」


─川越城下─


前日に大敗が知らされ、多数の敗走した兵士を目撃した領民は早暁から逃げ始めました。

日が昇るに連れ、逃げ出す領地民は坂戸方面に逃れます。

川越城下には午前8時頃から川越上杉家、前橋上杉家の捕虜達が続々と戻って来ました。

川越上杉家の捕虜の半数は実家に向かいました。家族と合流出来た者も出来なかった者も近所の民と坂戸方面に逃亡しました。


川越上杉家の捕虜の半数は川越城に入り前線に復帰を希望しますが、城門の警備部隊に怪しまれます。甲冑や防具、武器を持たぬ不審者に見えてしまう為、大勢が川越城の南門、西側の大手門前で待たされ、押し問答になりました。時間が経つに連れて大勢が集まり、

領民は街から家財道具を台車や馬で運び、道はごった返しの状態になりました。


午前9時頃、川越城南側の川越八幡宮から出発した前橋上杉軍1000が約束された食事を摂る為に川越城の西側、大手門前に差し掛かりました。


大手門前では捕虜数百名と警備の兵士が揉めてる場面に遭遇しました。

前橋上杉軍は前日の朝以来、食事を摂らずに耐えていました。

城内に入りたいと警備の兵士に申し出ますが、今は入れられる状況にあらずとして拒否されてしまいました。


川越の街は逃げる民と解放された捕虜と前橋上杉軍1000が騒乱の中で互いにイライラした状況にありました。

大手門までの道は混雑の為、前橋上杉軍は一列縦隊を強いられ、行列は1キロの長さになります。伝令の兵士が行列の中段に居る長尾憲長に入城拒否を伝えるや、憲長の怒りが爆発しました。

「何だとー!ふざけるなー!」


しかし、行列はなかなか前に進まず、イライラが募ります。

大手門前には解放された川越上杉家の兵士達が更に増えて入城を迫りますが、押し問答が続いていました。


不幸な事に川越上杉家を仕切る最高権力者、長尾信忠は南門付近に集中した捕虜達の騒乱を納める為に南門にて収拾に当たっていました。


大手門前の騒乱は収まらず、再度前橋上杉家から使者を差し向けましたが、意思の疎通が出来ずに拒否されてしまいました。

知らせを聞いた憲長は我慢も限界でした。


「無礼者!川越上杉家とは手切れだ!

勝手に滅びるが良いわ!

皆の者!前橋に帰るぞー!」


「おぉー!」

周りの兵士達も怒り、憲長の判断に従いました。


「婿殿、無礼な川越上杉家の事はもう知らぬ!前橋に帰るぞ!」


「はい、義父上!」

川越上杉家の仕打ちに英房も怒りを感じました。

大手門に通じる道は混雑してる為、裏道から抜けた前橋上杉軍の一部の兵士が怒るあまり、街の数ヶ所に火を付けてしまいました。

「ぶはははは!

放火した奴がおるな?

もっと燃やしてしまえー!」


「おぉー!」

怒った兵士達は腹癒せに放火してしまいます。英房は義父の鬼の様に怒る顔を見ると、静止するのは不可能と諦めました。



一方の立花軍は川越城攻略の為、次期立花家当主、立花義國の軍勢11000を川越城の南二番砦付近に向かわせました。

南二番砦の守備兵力は500、二番砦に島村仁成の2000が支援に向かいました。


立花軍は次に川越城の南三番砦に義秀の次男、立花義弘を主将に福島正義の4000、鹿島政勝2000、立花義弘の軍勢5000、合計11000を向かわせました。

南三番砦の守備兵力は500、これに古河公方家、梁田義助の3000が支援に向かいました。


立花義秀は10000を率いて今福城を本陣に周辺に布陣しました。


─立花家、今福城─

─立花義秀、鹿島政家─


「殿、義國様の軍勢が南二番砦、義弘様の軍勢が南三番砦に向かいました。

間者から、川越の城下は北へ逃げる民と解放されて川越城に入る捕虜達で混乱してる様子です。城門警備の兵士が丸腰の捕虜達を怪しみ、城門を閉ざし揉めております。」


「ぶはははは!

松千代の見立て通りじゃないか?

三日も掛からず川越城は落ちるかもしれんな?」


「はい、松千代様には先がハッキリ見えてるかもしれません。」


「ぐはははは!昨年の秩父遠征以来、秩父の神様達に気に入られてから能力が上がっておるぞ!

昨日は百済神社の神様に空からのお告げを頂いたじゃないか?」


「はい、昨日は稲荷山砦の主将、諏訪頼宗から松千代様が諏訪の大神様と諏訪家のご先祖様と会話なさっていたと証言しております。」


「夢を超えて、起きている時も見える、会話も出来るのか?ぶはははは!」


その時、今福城の本丸最上階の物見から川越城の西から火の手が見えると報告が届きました。

それは前橋上杉軍が川越上杉家の不手際に怒るあまり、腹癒せに放火した火の手が風に煽られて燃え広がる様子でした。










松千代が見込んだ通り、川越城下の各地に騒乱が起こりました。

前橋上杉軍は行き違いから前橋上杉軍の一部が怒るあまり暴走、放火してしまいました。

風に煽られて炎が広がります。

川越の街は大丈夫なのでしょうか?

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