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13/27

13,

 


「はぁ、はぁ、はぁ……ジータ、だ、大丈夫?」


「え、ええ」



 何でドレスで全力疾走しなきゃいけないのよ……こ、この国のパーティーは毎回過酷過ぎる……!


 パーティーは始まったばかりだったから、送りの馬車が用意されてなかったし走るしかなかった。 どうしようかな、寮までは結構距離があるし……。



「――?」



 私達の前に1台の馬車が止まった。 まさかダンテ……



「エ、エルマ」


「――とっ………友よ!」



 馬車に招き入れてくれたのは私の天使。 レイアがファビオの馬車で追いかけて来てくれたみたい。






 ◇






「ここは私の経営する店で商談にも使っている。 個室で話が漏れることも無いので安心してくれ」



 ということで、ファビオのキレイなお店でひと息つける事になった……けど、話そうにも話せない内容なのよね。



「助かったけど、ちょっと理由は話せないの。 ごめんなさい」



 私が言うと、ファビオは呆れた顔で紅茶を口に運ぶ。



「レイア、君は優秀だが友達はあまり賢くないな」


「なっ、何ですって!」


「子供でもわかる事だ。 メリッサ様は浮気相手が大広間に居ると言った、そして君達二人が邸を出ようとして、それをダンテが追いかけた。 つまり浮気相手は君達のどちらか」


「で、でも、手を引いてたのはエルマだから……」


「そう、逃がしたいのはジータ、という訳だ」



 ………そっか、この二人頭良いんだよね。 えっ、まさか私がバカなだけ?



「あの場をすぐに離れたのは正解だったな、ダンテの暴走に巻き込まれたら終わりだった」



 そう、全部分かってるならいいわ。 それなら、私がここまでずっと抱えてた悩みも聞いてよ。



「それを知ってたのは私とレオーネだけだったの。 そして婚約破棄した後、メリッサ様はレオーネを連れて行った」


「……君が言いたいのは、レオーネが不貞を密告し、メリッサ様の次の婚約者の座を手に入れた、という事か?」


「そっ、そうとしか考えられないじゃない!」



 あいつ、顔だけじゃなくてちょっと良い奴だと思ってたのに……。



「友達はああ言っているが、レイア、君はどう思う?」


「……決めつけられない、と思う」


「そうだな、断定するのは早計というものだ」


「だって知ってるのは……」


「――まずそこだ、メリッサ様本人が不貞に気づいていた、という事も考えられる」



 そ、そうだけど……。



「でも二人で部屋に入って行ったのよ?」


「あの二人は幼少よりの仲だ、不思議なことではない」

「そんなの知らないわよっ」


「知らなくても爵位や年齢から推測出来る筈だ。 面識が無いと思う方が……いや、君なら有り得るか」



 ばっ、バカにして……



「私が前にメリッサ様のこと聞いた時そんなに知らなそうだったもの!」


「少し落ち着いたらどうだ? まさかレオーネに気があったのか?」


「――そっ、そんなの無いわよ! レオーネとは別れたばかりで……知ってるでしょ!?」


「いや、私はそういう世間話に疎いからな」


「エ、エルマ、ちょっと落ち着こう?」



 レイア……。 そうね、私何をこんなにムキになってるんだろ。



「わかった、少し頭を冷やすわ」


「うん。 今はレオーネより、ジータの事を考えなきゃ」



 そう……だった。 ダンテ同様、ジータにも公爵家の圧力がかかるかもしれないんだ。



「私は……裁かれても仕方ない事をしたから」


「そっ、そんなの……! ジータは騙されたんじゃない!」


「いいのよエルマ、婚約者の居る男性と関係を持ってしまったのは間違いないんだから。 ついあなたに寄りかかってしまったけど、私だけ罪を逃れるなんてやっぱりおかしいわ」



 ……そうかもしれない。 でも、それで関係ない家族にまで被害が出たら、責任感の強いあなたはどうなるの? それが私は怖いの。


 だから、



「――ダメ。 いざとなったらメリッサ様に直談判してやるわ」


「こちらに非があるのに直談判とは、ここまでくると面白い生物だな」



 生物って……もう私人間扱いされてないわね。



「エ、エルマは人間だよ、ファビオ」


「そうか、レイアが言うなら信じよう」


「――ちょっと、会話自体が失礼よ」



 とはいえ、確かに力技過ぎるのは私でも分かるわ。


 どうしたら……と無い知恵を絞っていた私にファビオは言った。



「面白いから協力してやろう」


「――えっ? な、何か良い方法があるの!?」


「明日私はレオーネと約束があってな、それを君と代わってやる」


「それ……解決案なの?」



 よく理解できなかった私が頭にハテナを浮かべていると、



「レイア、やはり彼女は人間じゃないのではないか?」


「ご、ごめんなさい」



 なんかわかんないけど、謝らないでレイア……。



「メリッサ様とどんな話をしたのか、密告したのはレオーネなのか直接聞けるだろう?」


「そ、そっか!」


「大体メリッサ様は浮気相手の名前は出さなかった。 それも気にかかるのが普通だが、君にはそう感じないだろうな」



 こっ、この野郎……!



「ともかく、予定が空いたので私はレイアとデート、君はレオーネとデート、という訳だ」




 ………でっ、―――デート!?




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