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なぜか、客席のショコラはあからさまに不機嫌な顔をしている。
それは、さっきから劉と呼ばれる人物がショコラを横目で……いや、声をかけたそうにまっすぐに見ていたからだ。
「劉のお客さんだったろ。ちゃんと、お礼をいいなさい」
「あ、はーい。カンミさん、マジ助かったっすよ!またお願いしますー!」
「ははは、軽いな。しばくぞ」
その言葉を聞き、劉は頭を押さえ舌をペロッと出す。
カンミは劉を見ながら苦笑いを浮かべる。
「はは、ほんと。お前のとこのいぬっころは相変わらずだな」
「ちょ、カンミさーん。いぬっころはないっすよ」
チャラい。その言葉が一番しっくりくる。
言動全てがチャラい。
へらへらしている劉を置いといて三国がさっきから少しソワソワしているシフォンに気づきカンミに声をかける。
「あの子は?やっとバイトを雇ったのか?」
「ん?俺はバイトは雇わないさ。あの子はクラウド学園の学生さ」
「へぇー、で、なんでそんな子がいるんだ?」
そこまで三国が話すと
「私、シフォン・フェルトっていいます!今日からガーデンカフェで店長として働きます!お見知りおきを!」
大声で自己紹介をするシフォンにカンミは「お前なぁ」と片耳を抑えて邪険そうな顔を浮かべる。
この度は最後までご愛読ありがとうございました!
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