第百十八話 「だいすき」
読み辛かったらすいませぬ。あと微エロです(
「―――軽いわね。ちゃんと食べてるの? この子」
「ユウは小っちゃいからね」
「……そんな小さい子がヴィーレン10本も空けるなんて何考えてるのかしら」
「久し振りに羽伸ばしてたみたいだし、たまには良いじゃない」
「それで酔い潰れてたら意味ないでしょ。で、この子の部屋はどこなの?」
「私の部屋にお願い」
―――カチャ。
「あ、あなたね? 小さいと言ってもその……一応男なのよ?」
「平気よ。だって旅の時もずーっと一緒に寝てたし」
「馬鹿言わないの。
旅の時と違って傍目もあるでしょ。どこで誰が見てるかもわからないのよ」
「ふふっ。私は何言われても別に気にしないもの」
ツカ、ツカツカツカ……。
「……はぁ。
前だったらそんな事言わなかったのに……。
あの素直だったレオナはどこに行ったのかしら?」
「何も知らない子供だっただけよ」
―――ぼふ。
「はいはい。……じゃあ私は戻るわ」
「ありがとうルカ。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
パタン。
「…………。
勢いでお部屋にお願いしちゃったけど、どうしよう」
―――ぽふ……ギシッ。
「気持ち良さそうに寝ちゃって。
久し振りに色々お話出来るかなーって楽しみだったんだけどなぁ。
会えたと思ったらリスリムと仲良くしててフラフラなんだもん」
ぷに。
「話したい事いっぱいあったんだよ?
色々大変だって聞いてたからどうにかしたかったけど、
私も忙しくて会えなくて……」
ぷにぷに。
「ごめんね、ユウ……」
……ぎゅう。
「もうちょっとすれば私の力で魔王が残した物をどうにか出来そうなの。
だから、もう少し待ってて……」
もそ。
「ア……ツい……」
「! ご、ごめんなさいユウ。
ちょっとそんな風にしちゃダメよ。脱ぎたいの?」
「う……んっ」
「―――待ってね」
シュル、シュルル、パサ。
「はい、これで……」
「……んっ……うー」
「ユ、ユウ!?」
シュル、ごそごそ……ばさっ!
「ん……」
「ぜ、全部脱いじゃった。私、どこで寝たら……」
「すぅ……すぅ……」
ぱさ、ぱさ。
「旅の時一緒に寝てたし、うん。最初からそのつもりだったじゃない」
しゅる、しゅるしゅる、ぱさ。
「それにローズが言ってたじゃない。迷っちゃダメだって、うん」
―――ぱさり。
「そう言えば……」
ごそ、ごそごそ。
「誰がどこで見ているかわからない、だったわ」
パキンッ。
「ごめんなさい、魔王」
とた、とたとた……ぼふ。
「ほんと女の子にしか見えないのに……」
ぎし。
「でもこうやって見ると……ユウもやっぱり、男の子なのね……」
きし……。
「ユウ」
ぎっ。
「―――だいすき」
あったかい。
あと、やわらかい。
ぼんやりとする中でさしこむ光がすごくじゃまだ。
せっかくきもちいいのにやめてよ。
布団のなかにもぐるとなつかしいあまいかおりがつよくなる。
そしてなめらかなてざわりの髪と柔らかい肌を中で見つける。
レオナだ。
ボクのだいすきなレオナだ。
ほっぺにあたる髪はくすぐったいけど心地好く、
くちびるに触れる肌はやわらかく、ボクはもぐりこむように顔をうごかす。
いい匂い。
あったかい。
匂いとあたたかさにさそわれるように抱きしめ、
そのまままどろみの中へ身をあずける。
レオナ。
レオナ、レオナ……レオナ。
久しぶりだなぁ。会いたかった。ちかくにいきたかった。
「……んっ」
まどろみの中で見えたレオナは目のまえで寝息をたてていた。
レオナだ。
いい匂い。
やわらかい。
気づけば彼女のくびすじに顔をうずめて、くちびるにふれる感触で再確認。
『やっと逢えた』『ボクの』『渡さない』『もう離したくない』
といった気もちが顔をだしてきて、おもわずガジガジと噛んでしまう。
『奪わせない』『どこかに行ってしまうなら』『ボクの痕を残すんだ』
ひとことでいえば独占欲か。
長くはなれていただけにその気もちはつよくあらわれてしまう。
「う、んっ……」
じゃれあうみたいに身をよせ、たがいの息がかかる。
吐息の中にまじる声はたがいにあまい……。
『もっと』『もっともっと』『ちゃんと見たい』『レオナを見たい』
と気もちがねだる中、レオナの顔を見たいと目をひらく。
「……レオ、ナ」
目の前の彼女は頬を赤くしたまま寝息を立て、
ボクの指が、腕が、体が触れるとぴくりと身を震わせて声を漏らす。
指に絡む髪は冷たさと暖かさを持ち、絹の様に滑る。
彼女の体から漂う甘い香りと暖かさは鮮明になる視界と共に強くなる。
そしてそれらはまどろみに落ちていたボクの意識を現実へ引き上げた。
「……な、レオ……っ!?」
目の前に広がるあられも無い姿のレオナにパニクりながら自分は身を放す。
え、どう言う事!?
一体どうなってるんだ。
昨日、会談があってそれに出て……終わった後に晩餐会があって……
うん。ここまではちゃんと覚えてる。
その後、リスリムに誘われて庭園でお酒飲んだりして―――
「……その後、どうしたんだっけ?」
ええーっと……
色々話して、魔族の事とか聞いてたら変な事言いだしたからぁ……
ちょっとブリっこしてからかって―――。
~~~~っ!! な、何したんだボク!!
バカだろ!? アホだろ!?
男相手に何やっちゃってんだよ!!
これからリスリムにどんな顔で会えばいいんだよ……。
しかもペリアさんにも顔向け出来ないじゃん。
あぁ……そうだ。
その後、ペリアさんが来て色々からかわれてその話は終わったんだっけ。
やだもうどうしよう。
まぁいいや、今考えてもどうしようもない。後で考えよう。
で、その後レオナと会ったんだっけ。
まった。
その後の記憶が……全然ないんだけど?
「う……んっ」
小さく声を上げたレオナがすり寄って腕に抱き付いてくる。
せんせい、あたってるんですが。
理解が追い付かない中で身を動かすと……違和感のある肌触りが。
何で足にまで柔らかい感触が?
そんな疑問に構わずレオナはその柔らかな足をボクの足の上へ。
原因を確認すべく、恐る恐る布団の中を覗く。
「……うそでしょ」
自分も同じく裸だった。




