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魔王様のお人形〜理想の人形に召喚された私、溺愛魔王に捕まりました〜  作者: タツナミ ソウ


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1/7

1・おはようございます

 


 ああ、失敗した⋯


 飲み過ぎた。頭痛い。吐きそ⋯


 あの浮気クソ野郎⋯あんな男と長年付き合ってたなんてほんっとうに最悪。


 とことん男運ないな、私⋯⋯


 私を大切にしてくれて一途で⋯でろでろに甘やかしてくれるなら、もう悪魔だろうが魔王だろうが構わない!



 ああ⋯愛されたい⋯




 ***




「⋯⋯の⋯⋯骨組み⋯から⋯⋯」

「⋯⋯エ⋯で⋯⋯すか」

「⋯し⋯ろう!」



 ボソボソと話し声が聞こえる。

 その声に誘われるように、ゆるりゆるりと意識が浮上する。




「⋯⋯⋯⋯ん?」


 目を開けると、見慣れない天井だった。

 頭がぼうっとする。ここ何処――?

 体を起こそうとすると全身に激痛が走る。


「⋯⋯⋯⋯っいっ⋯だ⋯!!!!!」


 思わず呟いて、背中を丸める。

 バタバタと走る足音が聞こえ、部屋の扉が勢い良く開かれた。


「エリー!!?目が覚めたの⋯⋯か⋯⋯⋯!!?」


 思わず目を瞠った。

 長い黒髪に紅の瞳、口の中には牙が見えている――突然現れたその男は、とんでもない色気を醸し出していた。


「⋯えっ?⋯あの⋯⋯?ここは⋯」


(何このコスプレイケメン⋯)


「⋯⋯あっ⋯ああああぁ⋯⋯エリーっ!」

「⋯ひぃぃっ!!!!」


 突然涙目になり、寝台へと走ってきてぎゅうぎゅうと抱き締められる。まだ夢を見ているのだろうか。しかし、身体の痛みは、確かに現実を示している。


「ちょ、ちょっと!!なになになに!?」

「ああ!エリー!本当に成功した!!」

「エリーって何ですか!?誰ですか!?私は⋯」



 ⋯⋯あれ?私は――私は誰だっけ?

 会社帰りに飲んで、帰宅途中の階段で⋯⋯


 記憶がない。それどころか自分の名前も思い出せない。



(⋯⋯どうなってるの?)


 ガバッと体を離し、至近距離で見詰めてくるコスプレ男。


「エリー⋯良く聞いて欲しい。混乱しているのだろう?君は、ここでは無い何処かの世界で死んだ魂だ」

「⋯えっ?」


(――私、死んだの⋯?)


「そしてその魂を、その肉体へ召喚した」

「⋯⋯ええ!?えっ⋯?エリーと言うのは⋯?」

「君の名だ!!私が付けたのだ!!」

「待って下さい、この体は誰の体なのですか!?」

「我の理想の女性を創ったのだ。骨組みから。だから誰の体でもない。安心してくれ」

「⋯⋯ホネグミ⋯」

「ああ!特にこだわった所と言えば、腰骨の湾曲を――」


訳の分からない、割と気持ち悪い熱弁に白目をむきそうだ。


(⋯⋯ええと、つまり、女の⋯肉体を創って、その体に死んだ私の魂を――)



 えっ?やばい人?



「理解が追い付きません⋯と言うか!!なんで私なんですか!?」

「⋯そっ⋯⋯⋯⋯きっと運命だったのだ!!!」

「そっ!?そって何!!たまたまなんじゃないですか!!」

「いや、君は我に選ばれた魂なのだよ⋯エリー⋯」

「コワイ!!」


 必死に腕から逃れると、彼は眉毛を八の字にして悲痛な面持ちになっている。


(ちょっとその顔やめて、犬のお預け顔!!)


「そっそそそ、それで、貴方はどなた様ですか!?」

「我か、我はこの世界の魔王だ」


 まおう⋯⋯⋯魔王!?魔王って――


「えええええええええっ!!!?」

「⋯!!エリーーーー!!!」

「やばい人ぉぉぉおおお!!」


 あまりの事に、意識を飛ばしてしまいそうになる。

 抱き寄せられ、逞しい胸の中へ収納される。全てがスローモーションに感じる。男の背後に黒薔薇が舞っているように見えるのはきっと幻覚だ。


「⋯⋯イイニオイ⋯⋯」


 私の意識はそこで途切れたのである。



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