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私の安心できる場所

「レイに連絡して鉄とケイソを分離して持ってくるように風電話しろ。小さいものだからそんなに大量には要らないから何とかなるだろ。」

自分が一番分かっているのだからアンセからレイに連絡すれば良いのに物ぐさなんだから。でもまあ、今回の事は私が必要だから連絡するけどさ。


レイに連絡すると時間が少しかかるけどなんとかなりそうとの事だった。

レイが材料を持って戻って来るとすぐにアンセと二人で列を抜けて行った。


「何か緊急案件?レイが珍しく真剣に石から素材を取り出していたから。物質の分離はレイが学生時代一番苦手だった事なの。逆に得意なのは何でも混ぜる事。簡単そうに聞こえるけど相性の悪い物質もあって結構難しいんだけどレイは大概の物は混ぜられるの。」

レイは混ぜるのが得意なのか。レイは人を繋ぐのも上手い。アンセとの事も今こうしてリンとも。性格と能力は意外と似ているのかもしれない。


「リンさんは何が得意だったのですか。」

「私はレイと逆でね、細かい異物を見つけるのが得意なの。それでお互い教え合うようにペアを組まされる事が多くて、それがきっかけで仲良くなったのよ。」

それが今の仕事に繋がっているのか。


「咲さんはてっきりカレルと仲良しなのだと思っていたから、今日は意外だったわ。」

「え、カレルさんとですか?仕事はチームだし教えていただいているのでよく一緒に居ますが、リンさんの言う仲良しではない気がします。」

「おかしいな、私の勘はいつも良い線行くんだけどな。少なくともカレルは咲さんの事が好きだと思うんだよね。それにしてもアンセさんとの事は否定しないのね。ふふふ。」

自惚れているかもしれないけど、追跡石の件からもカレルは私に好意を持ってくれていたと思う。

一方でアンセへの想いはまだ封じておきたい。好き、とも普通とも言えない。それにしてもみんな恋話好きだな。

話しているとレイとアンセが帰って来て、列に並ぶのを交代する。


「まずは風通路に乗るぞ。乗ったら横になってて良いからそこまで頑張って歩けるか。」

アンセと二人になると何故か気が抜けてしまい、捕まりながら駅まで歩く。風通路でぐったりして横になって二駅ほど乗る。降りたらすぐにレストランに入るとアンセは小さな入れ物を取り出すと中からBB弾を出す。アンセは慌ただしくご飯を注文するとご飯が提供されるまでその辺を歩いて来ると言って席を立つ。

私は机に突っ伏して少しでも体力温存する。料理が出てもまだアンセが戻って来なかったが先に頂くことにした。

私は消化の良いリゾットご飯を食べる。半分くらい食べたところでアンセが戻ってきた。アンセは丁寧にでもテキパキとあっという間に食べ終わる。私の方が食べ終わるのに時間がかかってしまった。食べ終わるともう戻る時間だけど行けるかとアンセは優しく尋ねる。頷くと立ち上がるのを手伝って駅まで支えて歩いてくれる。休む暇はなくバタバタと風通路に乗り込む。

乗りながら持参したクノーやエネールを食べて英気を養う。

レイ達と合流するとチケットは買えたが一席だけ横並びで取れなかったのでアンセが私の後ろの席に座る事になった。

話をしたい私達はすぐに席に着いてコンサートが始まるまで話し続ける。違う世界を知っている2人の話は面白い。最近は立食いビストロが出会いの場として若者の間で流行っているらしい。

天界ではまず族相性が大切で、目でまず決めると言う。2人は同じ族か好みによるが風以外が良いと言う。風は自由な性格で一緒にいると翻弄されるからだそうだ。トビーはそうでもなさそうだけど、違うのかな。


族毎の特徴は、火は真っ直ぐで誠実だけど厚苦しくて、水はおおらかで柔軟だけど怒ると恐ろしくて、土は優しくて器が大きいけど融通が効かず、風は自由で掴みどころがないのだそうだ。

みんながみんなとその性格と言うわけではないけどね、というのを聞いて血液型の性格判断みたいだなと思った。盛り上がっているとコンサートが始まる。


私にとって全て初めて聴く曲の筈なのに何処か懐かしい響きだ。プログラムも良く練られていて、大いなる力を誉め称える様な宗教的なものから、童謡のような音階の曲、アップテンポの曲とくるくる変わるので楽しい。

振り返るとアンセは何だか難しい顔をして聞いている。折角だから楽しめば良いのに。


新しい楽しみを知って大満足のコンサートの後、これからお茶でもしようかと言う話をしているとアンセが帰ると言うので悩んで一緒に行く事にする。

今は楽しいしレイ達と居たいけど、アンセといる時の自分が本当の状態だとしたら途中で倒れて迷惑掛けるかもしれない。


案の定二人と別れてアンセと風通路に乗ると気が抜けてぐったりとしてアンセに寄りかかる。アンセはBB弾を取り出してカモフラージュ工作をしてくれている。


「アンセ、今日はありがとう。居てくれて安心だった。その石も、ありがとう。おかげで今日は被害なかったね。」

寄りかかりながらお礼を言う。そのまま終着駅までぐっすり眠って2人で歩いて帰る。


「ご飯食べて行けよ、作るの面倒だろう。」

誘われるままアンセの家に行ってご飯を食べてゆっくりしていると、うとうとと眠ってしまった。ここに来てから気を失ったり眠ったり多いなぁ。でもアンセが居ると安心して眠れる。



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