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天界での死に方  作者: 土成 のかげ
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お散歩での出会い

「鍵ってどうなってんだ?」

外に出ようとして気付いた。どこかにあるかも知れないと机やキッチンのカウンターを確認する。無いな。どうするかな。そういえばアンセが自分家の冷蔵庫開けて良いって言っていたけど鍵ないから入れないんじゃない?


このまま家にいても何もないし、庭くらい見てみよう。再び出口に向かいドアを開ける。わ、眩しい。空がキラキラと輝いている。庭の端には可愛い色とりどりの花が咲いていて昨夜の雨水が葉っぱや花で光っている。

「きれいだね、キラキラ光ってるよ。これからよろしくお願いします。」

誰もいない庭で挨拶をする。何事も最初の挨拶は肝心だからね。アンセの話の通りならどこにいるのか分からない大いなるチカラにご挨拶は必要だ。


()()()() ()()() 


どこからか返事がした。そう言えば昨日も博士の家で同じ様な声がした。透き通る様な頭に語りかけてくる声。博士が驚かせたと言っていたけどあの透き通る声は博士でなかったと思う。

「あなたは誰?どこにいるの?」

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え?きれいねって言ったのは庭の花に対してだけど…


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え?私は知らないけど?誰?


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大いなるチカラってことかな?

「姿を見せていただいても?」


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「え、あなたが話しかけてくれてるの?」

今度は目の前の花に向かって話しかける。花が風で揺れる、そうだよ、と言っている様に見えた。


()()() ()()()() ()()()()()


くのう??誰?案内ってどうするの?もしあの花だとして動けないと思うのだけど、ここでは何でもアリとか?


()()() 

西()

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声がして道筋を示すのでその声の通りに進む。南進むと右手に小道があったので曲がって直進する。すると細い遊歩道に突き当たったが直進することは出来ない。

左右を見渡して見るどっちに行けばいいのか。キョロキョロしていると何人かのんびり散歩している人が通り過ぎる。しばらくすると誰も通らなくなった。


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え?突き当たりだと思っていたところに道が出来ていく。よく見ると足元の草が道を開けてくれている。ここの植物って動けるの?


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よくわからないけど速足で歩く。歩く先にすっと道が出来るのでそれに沿って進む。途中水流の少ない水たまりの様な川を爪先で渡り、木の間を抜け進んでいくと前方から光が一番差し込んでくる。少し開けた場所に出たところで道が途絶えた。目の前には大きな大木が三本立っている。橅木の様に樹皮はまだら模様で天に向かって枝が大きく広がっている。ハートの様な濃い緑色の葉っぱがびっしりと茂っていて木の下は木陰が出来ている。これからどうしたら良いんだろうか。木を見上げていると上からまた違う透き通る声が聞こえてきた。


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どうやら目の前の大木がクノーと言うらしい。ちょっとお母さんみたいな威厳のある話し方と声がする。

「はじめまして。あの、ここの植物はみんな話せて動けるのでしょうか。」


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「私は何故ここに呼ばれたのですか。私は(ミー)なのですか。」


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「どうしたら、良いのですか。私の役割って何なのでしょうか。」


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言われて木に近づくと大玉スイカくらいの大きさの濃い紫の実を付けた枝が私の手のひらに実を落とす。ずっしりと重い。これが知恵?果物に見えるけど。


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「誰に分け与えたら良いのですか。」


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「あなた達って他にも誰か協力してくれる方がいるのですか」


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「分からないけど、分かりました。何が出来るのか考えます。あと、その、突然で申し訳ないのですがハグしてもらえませんか?」


見返りもなく心配して声を掛けてくれる優しさに甘えたい気持ちになる。


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その答えを体現する。両手を木の幹に手を回す。大きなこの体にこうして私は抱きしめてもらうのだ。木の温もりと湿った森の香りがする。ふうと深呼吸を繰り返し体にこのエネルギーを行き渡らせる。どこにいてもこの森の温もりは同じで安心する。こうして私を心配し与えてくれる人がここにいる。感謝と安堵の気持ちが溢れてくる。


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「クノーのお陰で少し落ち着きました。ありがとうございます。」


「また来てもいいですか。今度は、その、ただのおしゃべりに来てもいいですか。私、今友達居なくて、別に何か教えてくれなくてもいいんです。もし嫌なら会話しなくてもいいです。どうでもいい話や悩みを話しにここに来てもいいですか。」


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