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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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㉔ 真田姉妹の反撃

 乗り物から出てきたアラハバキたちは、それぞれが白兵戦に切り替えて来た。こうなると、的が絞りにくい。

 雪子は一旦、500人から元の一人に戻った。


 次は香子の番だった。

 彼女が念じると、研究所背後の森林公園から、ドンドン根やツタの類が伸び出し、こちらへやって来る爬虫類族たちに絡みついて、彼等の動きを封じてしまった。


 そしてそこへ、由理子が呼び出した、ネズミ・キツネ・タヌキ・イノシシ・カモシカ、それに様々な猛禽類が、陸から空から襲いかかった。

  

 しかしながら、どの攻撃も、敵にソコソコのダメージを与えてはいるが、決定打にはならない。


 それにしても、アラハバキの国王とやらは、一体どこに隠れているのかしら。一騎打ちでも何でも、して差し上げるのに…などと呑気に雪子が考えている時だった。


 その時は、突然訪れた。

 何の前ぶれも無く、雪子の胸の真ん中から、刀剣の切っ先が突き出されたのだ。


「がっはっ!」

 ただ空気を吐き出しただけのような呻き声が、彼女の口から漏れ出し、同時に血も吐き出した。

 彼女の冬物のセーラー服の胸が、自らの真っ赤な血で染まる。


 彼女の背後から、件のアラハバキの王が、刃を突き刺していたのだ。

 刃とは言うものの、その形状は、まるで長いサバイバルナイフのようだった。


 アラハバキ王は、ソレを雪子の心臓に突き刺したまま、あろうことかグリッと一回転させたのだ。

「ぐっわっ!」

 もはや断末魔の叫びのような声が、雪子の口から漏れ出す。 


「どうかね?自分の心臓が、粉砕されるのを、感じる気分は?」

 爬虫類の王は、キレイな日本語でそう言った。


「我々の転送装置は優秀でなあ、任意のターゲットの背後に、ピタリと出現する事など、実に容易いのだよ。」

「…。」

 雪子は最早、何も喋ることは出来ない。


「聞くところによると、キサマは生意気にも、我々と同様、不老不死だそうじゃないか?充分に痛みを感じた後で、その首を落として、燃やしてやるからなあ…少しは我が息子の、苦しみを思い知…れっ!?」


 アラハバキ王の言葉は、最後まで続かなかった。

 何故なら、その瞬間、彼の上下の唇と両腕は、何者かによって、切り落とされてしまったからだ。


「オマエは今、この世で最もヤッてはいけない事を、してしまった…。」

 それは囁くような声にも関わらず、地獄の底まで響き渡るような、邪気に包まれた、鬼気迫るモノだった。

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