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「魔女姉妹の勝手にレスキュー」(セーラー服と雪女 第20巻)  作者: サナダムシオ


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19/30

⑲ 新しい居場所

「…もう、いつまで遊んでるのよ…ナニよ、また新しいオンナを連れ込んでいるじゃないの!」


 そんな事を、ブツブツ言いながら闘技場に入って来たのは、雪女の末裔こと、村田京子だった。サン・ジェルマンの帰りが遅いので、様子を見に来たのである。最近、ココでは無い、とある場所で、二人暮らしを始めたばかりなのだ。


「京子さん、言い方!この方は、かの有名なフランスの英雄、ジャンヌ・ダルクさんですよ。ついさっき、保護したところなんです。その関係で、今までボクが、伯爵を引き止めてました。すいません。」

 鷹志がサン・ジェルマンの代わりに釈明した。


「あら、そうなの?じゃあ、ご挨拶しなきゃね。ワタシ、サンジェルマンのパートナーの村田京子です。どうぞよろしく。」


 急に態度を豹変させて、握手を求める京子に対して、ドギマギするジャンヌであった。

 まったく、見ようによっては、ただの情緒不安定なヒトである。


「それでは、宴もタケナワですが、そろそろお開きという事で…。」

 それがちょうど潮時になり、伯爵の鶴の一声で、皆解散となった。


 ジャンヌには、いつものゲストルームの一室が割り当てられ、案内するまで勝手に出歩かないように、伯爵がお願いした。


 何しろ、ちょっとした高級ホテル並の、設備が整った部屋なのだ。窓が無いのが玉にキズだが、当面の生活上、不満や不自由は無かろう。


 由理子は鷹志と一緒に帰って行った。

 最近はすっかり、彼の部屋で半同棲状態のようだ。

 二人の結婚も、時間のモンダイだろう。


 雪子はもう、守山区の実家に帰る事も、滅多に無くなってしまった。

 最近のネグラは、専ら志段味地区、森林公園裏手の例の真田研究所の地下3階の自室である。しかも、この"昭和"の延長の時間軸上の方だった。


 因みに、そこの所員として通う、真田幸村と酒井弓子のカップルは、もちろん、研究所から程近い、他の場所に住居を構えていた。


 まあ、雪子がイイ給料を支払っているのだ。

 二人は、ソコソコいい暮らしぶりをしていた。


 雪子は、部屋にセキュリティをかけて、自室のベッドに転がると、ホッと一息ついた。


 ホントだ。不老不死でも、怪我をすれば痛いし、無理をすれば疲れるのね…うふふ。


 さて、次は誰をターゲットにしてやろうかしら…ロシアの怪僧、グレゴリー・ラスプーチンも気になるし、異常なハイスピードで、江戸時代の日本中を駆け巡った、松尾芭蕉と河合曾良のコンビも、怪しいわよねえ…。


 彼女は、そんな事を楽しく考えながら、いつの間にか、眠りについたのだった。

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