続・僕の義妹が本気で貞操を奪いにきて、ヤバイ。
バッフェルクイット。
世界有数のショッピングモールであり、八町島のシンボルマーク、エンターテイメントパーク。買えない物はまず無い。味わえない味もまず無い。ゆりかごから、墓場まで、全てがここにあるといっても過言ではないだろう。
「結局カジュアルな服になっちゃいましたね。兄さん」
「そうだね」
一応、た~~るにゃんが、デート用にコーディネートした洋服なんだけど、カジュアルといえば、カジュアルなのかもしれない。青を基調としたドレスを着ている佐織は、普段とは違って、なんだか不思議な感じがする。
「とりあえず、先ずは・・・」
歩きながら、僕らは横に並んで会話する。
ぁ。アニメイトだ・・・。
「アニメイト、寄って行きますか?まだ時間まで15分余裕がありますから」
僕は、喉元を鳴らした。冷や汗が出ている。血圧が上がった。
「僕が許せないのは二つあるんだ。一つは、AVコーナーに連れと来るカップル。もう一つが、男のオタク関連ショップで、連れと来るカップル。僕はこれらを破る気はないよ」
「そうですか。それではスタバで15分ほどお茶しましょうか」
メロディソプラノ通りに面したオープン席で僕はカフェラテを飲む。沙織はベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノを飲んでいた。
・・・わけがわからないよ。
「結構美味しいんですよ。はい。一口どうぞ」
そう言って、ベンティア・・・・・・フラペチーノを僕に差し出してくれる。
「・・・・・ありがとう」
・・・・・・・・。
「美味しいね」
「兄さん」
勝ち誇ったような顔をする。
「・・・・」
「あっ。間接キスだ。・・・・だが、待てよ。違う。僕達は兄妹なんだ。家族なんだ。なんら不自然な事じゃない。大丈夫。GOだ。・・・・・なんて思ったでしょう?」
「・・・・・・・次から、僕もその長い名前のにするよ」
「兄さん」
「・・・ちょっとね」
く。くやしいい。図星なのだ。
「ふふ。ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノですよ。次からは私が頼んであげますので、兄さん何もしなくて大丈夫です。それじゃ、時間になりましたし、映画館に行きましょうか」
「・・・・・うん」
ベタベタのアメリカラブコメディーシネマだ。僕は、言われるまま席に座る。佐織はどうやら、後部座席がお好みのようだ。僕達はゆったりとした椅子に座る。快適だ。バッフェルクイットの映画館は、やはり素晴らしいのだ。
「兄さん。スマフォはきちんと切ってくださいね」
早苗さんに連絡してスマフォの電源を切った。
「大変ですよね。兄さん」
「大変だと思った事はないよ。・・・・ありがと。それじゃ、始まるみたいだよ」
シアターは暗闇に包まれて、スケールの大きなアクション映画の予告が始まった。
「・・・・・!!!」
佐織は僕の肩にのしかかるように体重を僕に乗せてきた。僕の頭の横には、佐織の頭もあるのだ。かすかな吐息が、耳元にかかって、我がジャガージャッカーが目を覚ました。
「さお・・・」
「シッ!ダメですよ。上映中は静かに!ですよ!!」
「・・・・・・・」
この前の展開と同じじゃないか・・・姉さんとデートしたときもこんな感じだったような・・・一体みんな映画館をなんと思っているんだろうか!信じられない!しかし、思ったところで、どうとなる状況でもなかった。
「・・・・・・ぅ」
ラブシーンにさしかかってしまった。上映時刻は70分。まだ半分もいってないのに。
「・・・!」
僕はシャツのボタンを開けて、佐織の左手がスルリと僕の裸体の上半身に服をすりぬけ、入ってきた。ちょっと冷たい。ひんやりする手だ。いや、違う!そうじゃない!
「さお・・・」
僕の胸部をスリスリとさすってきた。僕はこれまでに無い感触で、ジャガージャッカーは完全に起き上がった。
「・・・!ごめん・・トイレ行く・・・・!」
「ダメです」
「いや、ダメじゃなくて、行くから・・!」
僕は小声で話す。
「ダメです。そうですね。飲んであげますから、ここでしてください」
・・・・・・・・・・・。
「我慢する」
「別にいーんですよ?」
甘く温かい息とともに、そんな囁きが吐き出されている。
「だいじょうぶだいじょうぶへいきへいき」
「そですか」
口を半開きにし、浅い呼吸を繰り返している僕の首筋をぺろぺろと舐めてくる。
「・・・・・・・・・・・・・ッッ!!」
危ない。・・・アブナイ!!一瞬気を落としたら、膀胱から尿道へと全てをもっていかれそうだった。
「・・・」
我がジャガージャッカーが猛り狂ってらっしゃるせいか、尿意は幾分か薄れてきたが、次は、ズボンで押さえ込んで若干折れているジャガージャッカーが痛みだしてきた。
「キツそうですね。ちょっとチャック開けましょうか」
そういわれてチャックをスゥーっと指先で開けられると、外界の大気へと、僕のジャガージャッカーは己が姿を曝し出した。
「・・・・・・大丈夫ですよ。今日は兄さんの体に今日の調教をするのはここまでにしてあげます。私がやってるのは、純粋に、兄さんが苦しそうだからですよ?」
耳元で囁かれる度に、僕は気を失いそうになる。・・・・・すでに僕の人間としての尊厳を保てるかの闘いになってきていたのだ。あとちょっと。・・・・あとちょっとのはずなのだ。
「・・・・・十分イタズラもしたし、私、幸せです・・」
僕は半ば修行僧のように、お経を一心不乱に唱えていた。映画も見ない。何も感じない。僕の精神は、すでにここには無かった。宇宙だ。アニバーサリーだ。無の境地へと、僕は到達していたのだ。
「映画も終わりですね。なかなか良かったですね」
僕は、映画館で観た映画はエンドクレジットまでキッチリ観るという自分ルールを課していたので、終わるまで、僕はまだまだお経を唱え続ける。
「・・・終わりましたね。・・・・結構おもしろかったですよね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
僕は無言で席を立ち、勢いを無くしたジャガージャッカーをズボンにしまって、チャックを閉めて、トイレへと向かった。
「・・・・・・・」
ちょっとだけ見た鏡に映った僕の目は、確かに白目を剥いていた。




