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外れスキル『文字喰い』から始める禁書の魔導師〜魔導書から誰も読めない禁書も喰らい最強へ〜  作者: 月影光貴


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第6話 教団の襲撃

 深夜に起きてしまったソラリスは彼の寝顔を見て自然と微笑んでいた。

 普段からは想像できない柔らかな表情を独占できるのがヴィヴィベル、ただ1人だけだ。だが当の本人は眠っているので見れないが。


 そして早朝、柔らかい感触と良い香りに包まれて熟睡したヴィヴィベルは目を覚ます。


「んん〜、よく寝……っ!?」


 目を覚まし目の当たりにしたのはソラリスの爆乳だった。それも抱きしめられていて全身が密着していた。


「……」


 なんでこうなったー!! とにかく起こさない様に……

 と体を縮めてするりと抜け出し本を読んでいると7時頃に目を覚ますソラリス。


「おはよう、相変わらず早起きね。寝ないと身長は伸びないわよ」


「うっ! そうだけど目が覚めちゃうんだよ〜……」


 昔にソラリスより大きくなると言ったけど幅は広まるばかり……

 まあ考えても僕の自業自得な部分もある、運動も嫌いだし食べないし寝ないし……


 そんなこんなで準備をして宿から出る2人。

 一方で教団も動き始めていた。


——————————————————

 教団支部


 黒衣達が整列し跪く。その先には身長たったの139しかない金髪の女が立っていた。


 回収部隊隊長、アレーティア=ユーゼンハルト。

 彼女はゆっくりと口を開く。


「今回は赤髪の少女から禁書を奪還するため、回収部隊を編成する。もう彼女は禁書を読み解きその力は有している為、慎重に事を進める」


 それに全員が頭を下げた。


「ハッ!!」


 それに対して突然ふにゃふにゃに緩く発言するアレーティア。


「ふぅ。じゃあ、今日も頑張って行こ〜〜!! 固いのは性に合わないねぇ〜」


 ニコニコで片腕を上げて宣言。


「……はい! ユーゼンハルト様!」


 部下からの人気が高い新人の幹部。

 教団の理念に共感して加入し、わずか数ヶ月で教団の12使徒、つまり幹部に成り上がった18歳の女。


 部下とは別行動し、ヴィヴィベルのいる町に先に侵入する。

 だが1人になった途端に彼女の顔から笑みが消えた。


「……禁書の継承者、ね」


 何か思うところがあるのか、少し暗い顔をする。



————————————————


 戻って、ヴィヴィベル達は町を観光していた。


「これ珍しいよ! 植木鉢の製法が……」


「はいはい、目的の古物市場に着いたわよ」


 それを聞き前を見ると古本から、よくわからない壺にガラス細工が並んでいた。

 ヴィヴィベルが駆け出そうとしたところで、ソラリスが呼び止めた。


「私は武具屋に行く、すぐ戻るから移動しないで」


「寧ろ、ここから移動するなんて勿体無い!」


 この古い物の独特な香り〜! 古びてこそ価値のある物はあるからね。


「金が無くなったら終わりだから財布は預かる」


 そうして1人で物珍しそうに熊の木彫りの像を持って眺めたり、哲学が書かれた古本を見ている。


「これは削り出して作ったのか!? こっちは色んな砂を溶かして作って……」

 

 そうして興奮している後ろから誰かに声をかけられるヴィヴィベル。


「君、本好きなの?」


 黒いローブを着た金髪の女は、一人だけ目を輝かせていた彼に話しかけた。


「えぇ! この哲学書は有名な事ばかり書いてありますが初心を思い出させてくれますね! 無知の知とか!」


 丁度、この熱量をぶつけたかったから話しかけられてラッキー!

 悪いけど僕の話し相手になってもらおうかな!


「ソクラテスが好きなの?」


「ソクラテスの弟子のプラトン! そしてその弟子のアリストテレス! 大御所から近代の哲学も好きです! とにかく本が大好きで、知識を吸収する時の快感が……」


 と金髪の女に熱弁するヴィヴィベル、彼女は楽しそうに相槌を打つ。両者共に緩く幸せな時が流れた。


「物知りだね〜! 面白い話を聞けたよ!」


「いえ、こちらも話し過ぎてすみません、お姉さん」


「!? 私お姉さんに見える!?」


「えぇ! 身長は失礼ですがかなり低い。しかし、話し方に仕草、雰囲気からして18歳前後くらいですよね?」


「そうそう! よく子供と間違えられて舐められるから困るんだよ〜」


「雰囲気を見ればわかりますよ! あ! 雰囲気で思い出したのですが禁書ってあると思いますか? 怪しげな雰囲気の本を見た事があって」


 濁しつつも何となく、この女性から情報がないか聞き出そうとするヴィヴィベル。

 彼女は固まり、数秒後に一言呟く。


「……絶対あるよ」


 そう言うと彼女の後ろに黒衣の者達が突然現れ集結する。


「見つけましたよ、ユーゼンハルト様。魔導通信機でご連絡したのに」


「あら、ごめんね。それに早いねぇ〜、まだこの子と話したかったのに」


 その姿を見てヴィヴィベルは町を襲撃した黒衣の男を思い出し距離を取った。


「ッ!? 貴女達は……」


「流石に気づくよね〜、隠す理由もないしね。……女の子に乱暴はしたくないけど君が禁書の伝承者だね」


 ローブを脱ぎ全身を見せた。胸の真ん中にはローマ数字で12と書かれた紋章が刻まれていた。

 黒衣の者達は跪き言う。


「命令を! アレーティア=ユーゼンハルト様!」


「にゅふふ! 勿論、生け取りだよぉ〜」


 その刹那、ナイフや剣を構え飛びかかる彼女の部下。

 だがそれと同時にソラリスも駆けつけて部下達は弾かれ後方に後退りする。

 辺りは悲鳴に包まれ、人々は逃げ惑う。


「大丈夫か?」


「ありがとう! どうやら教団のお出ましみたいだよ」


「はぁ……片付けるぞ」


 うんざりそうに頭に手を当ててからソルナハルバードを構えた。


アレーティアも腰の武器へ手を伸ばした。

 

「それじゃあ、私もお仕事開始だね〜」


 二人の視線が交差し、町の空気が張り詰めた。

次回バトル

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