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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
一章 アヤメ登場編

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散々突っ込まれたんで説明したいと思います。太陽が。

はい、タイトル通り。

 あの狼野郎……《紅魔狼》ディセクトゥムとの激戦から一夜明けた今日。


 

「ふぁ……ん……。眠い……」



 俺は、気を抜けば閉じてしまいそうな目を気力と根性で支えながら、いつものように朝食を作っていた。


 いやぁ、昨日ログアウトしたのが午前二時。それで、起きたのはいつも通りの六時。睡眠時間四時間は中々に厳しいものがある。

 それでも、俺が二度寝なり寝坊をしてしまうと、太陽と蒼が朝食を食べれなくなってしまうので、眠いのぐらい我慢しよう。

 

 少し寝ぼけていても失敗することなく作り上げた朝食を食卓に並べ、いまだに寝コケている二人を叩き起こす。



「………………おはよぅ……」


「………………おは……くぅ……」



 また夜遅くまでゲームをやっていたのだろう二人は、俺以上に眠そうだった。ふらふらとした足取りで階段を下りる蒼とか、見ててハラハラする。

 それでも、顔を洗ってくれば幾分か目も覚めたようで、洗面所から戻ってくる足取りはしっかりしていた。

 食卓のそれぞれの席に着き、声をそろえて「いただきます」。昨日炊いたご飯が残っていたので、今日の朝食は和風となっております。うん、今日の焼き鮭は会心の出来だな。白飯がよく進むぜ。


 はぐはぐと箸を進め、あっという間に朝食を平らげる。二人も同じくらいに食べ終わったようだ。



「ごちそうさまでした。今日もうまかったぜ、流」


「ん。美味しかった。ごちそうさま」


「はいよ、ありがとさん」



 完全に目が覚めた二人からの賞賛を軽く受け流し、三人分の食器をてきぱきとシンクに運ぶ。

 食器用洗剤をスポンジに付けて、軽く泡立たせてから食器を洗い始める。こういうのは早めにやらないと、すぐに変な臭いを発したりする。夏場は特に、だ。



「なぁ、太陽」


「ん~? どうした~?」


「昨日の夜、FEOで変なボスモンスターと戦ったんだが。あれが何か知ってるか?」


「……やっぱり、あの動画は本当だったのか。いや、確信はあったんだが、こうして本人から言われるとまた……」


「ん。やっぱり流にぃはすごい」


「……何の話だ?」



 俺が昨日ディセクトゥムと戦ったことを話そうとすると、二人から妙な反応が返って来た。なんか、俺が戦ったことを知っていたような口ぶりだけど……。それに、動画ってなんだ? 



「流。そのボスってのは、やたらめったら強くて、紅い三日月のボスエリアに出てきたやつで間違いないな?」


「ああ、お前の言う通りだけど……。なんでそれを?」


「あー、説明すると長くなるんだが……。まず、お前が倒したボスは、『紅月の試練』って言う月に二回しか現れない特殊なボスモンスター。倒せればものすごい報酬があるけど、負けるとレベルが10も下がるっていうペナルティが科せられるっている鬼畜な仕様になってる」


「レベルが10下がるって……。大丈夫なのか、それ?」


「まぁ、その代わり報酬が本当にすごいからなー。流も、いろいろと貰ったんだろ?」


「あの狼型モンスターは魔法型だったから、報酬のスキルブックも魔法系があったはず。うらやま」



 報酬……。ああ、狼野郎を殺った後に流れたアナウンスでごちゃごちゃ言ってたやつか。確か……何だったっけ? スキルブックとかがあったのは覚えてるんだけど……。

 まぁ、アナウンスが流れた時は勝ってやたらテンションが上がってたし、そのあとも全く確認せずにログアウトしたせいで、いまいち詳細な説明を思い出せない。

 負けると大変なことになるが、勝った時の報酬は破格。ハイリスクハイリターンなイベントってことか。

 

 ……それはいいんだが、気になることが一つ。



「太陽も蒼も、なんで俺が勝ったことを知ってるんだ? まだ、戦ったとしか言ってないと思うんだけど? 蒼に至っては、戦ったモンスターについても知ってるみたいだし……何で?」


「あー、えっと……。気を悪くして欲しくないんだがよ……」


「ん、流にぃが戦ってる動画が、FEOの掲示板に上がってる。みんなすごいって言ってた」


「……はい?」



 ぴたり、と食器を洗っていた手が止まり、スポンジが手から滑り落ちる。


 俺の、動画が、掲示板に?

 それを、誰か知らない、皆が見てる?


 …………何それ怖い。



「つ、通報……。通報しなくちゃ……」


「だーッ! 待て待て落ち着け!」


「いや落ち着けったってお前、勝手に撮影されて勝手に晒されてんだぞ!? 落ち着くとか無理だろ普通!」


「違うから! いや、確かに普通に考えたらおかしいって思うのは分かるけど、FEOではおかしくないの!」



 慌てふためいてどこに掛ければいいかもわからずにスマホを操作し始めた俺を、太陽が羽交い絞めにして止めた。

 何とか落ち着いた俺は、とりあえず食器洗いをすべて終わらせてから、リビングに移動。蒼が座っているソファに身体を沈め、ふぅ、とため息を一つ。太陽も、ため息を吐きながら机を挟んで反対側のソファに腰掛ける。

 改めて対面に座る太陽に視線を向けた。



「……で? どういうことなんだ?」


「ん。FEOでは動画晒しも顔晒しもOKになってる」


「俺もうこのゲームやめるーーッ!!」


「だーッ! だから落ち着けって! 蒼も端折って説明するのヤメロッ!」


 

 しばしお待ちください。



「……ふぅ。よし、落ち着いたぞ。説明してくれ」


「はぁ……。えっとな、まず、FEO内の掲示板について説明するぞ?」


「掲示板か。俺はまだ見たことがないな」


「結構役に立つ情報もあるし、オススメだぜ? って、今はそうじゃねぇな。FEOの掲示板はな、閲覧も書き込みも、ゲームの中でしかできない仕様になってる。しかも、掲示板の記事はゲームの外には持ち出せない。これは、ゲーム内で撮ったスクショや動画も同じだ」 


「……つまり、ゲーム内の情報がゲームの外に漏れることは無いってことか?」


「ああ、そうなっている。だから、FEOでは掲示板にスクショや動画を乗せることはOKになってる。……けど、一般のプレイヤーが乗せることができるのはスクショだけで、動画を乗せることはできない。それを許されているのは副業に『記者』を持つプレイヤーだけなんだ」


「ということは、俺の動画もその『記者』持ちプレイヤーとやらが撮ったものってことか?」


「おう。そうなるな」


「けど、FEOの運営は、どうしてまたそんな仕様にしたんだ?」


「うーん。いろいろな説がプレイヤーの間で飛び交ってるけど……。たぶん、『その方が盛り上がるから』じゃないか?」


「そんな理由なのかよ……」


「ま、あれだ。実況プレイってやつがあるだろ? それを本人の手でやるか他人の手でやるかの違い……みたいな? すごいプレイヤーのすごいプレイを見て、他のプレイヤーを触発する……的な」


「曖昧だな……。けど、動画を撮られるのが嫌だって言うプレイヤーもいるはずだろ? そういう人から苦情が来たらどうするんだよ」


「動画を撮られるのが嫌なプレイヤーは、設定で撮影防止をオンにすればいい。そうすると、仮に撮影されても、スクショにも動画に映らなくなる。掲示板で名前を晒されたくないときは、情報隠蔽をオンすればいい。この辺の設定は、キャラメイキングの前に説明があったはずだぞ? 流、見てないのか?」


「ん、流にぃ。うっかり?」



 ……キャラクターメイキング前の説明? それって確か……。



「お前らが、『俺らがちゃんと教えてやるから、説明とかはスキップしていいぜ!』って言ったから、飛ばしてすぐにキャラメイキングに入ったように記憶してるんだが……?」


「……あれ? そ、そうだって……っけ?」


「……流にぃ、勘違いじゃ、ない?」


「俺の記憶力の良さを知らないとは言わせんぞ。……正直に答えてくれ。説明、忘れてただろ?」


「「………………はい」」



 なるほどなるほど、そういうことか。


 はぁ……。つまり、スクショも動画も、ゲーム内で許された行為で、それを嫌がるプレイヤーに対しての処置は、当たり前だけどちゃんとしてあった。

 それを、こいつらは一切説明しなかったわけだ。うん、このパターン。何度目だったっけ?



「……えっと、そのぉ……。流、怒ってるか?」


「流にぃ、ごめんなさい」



 俺に叱られると思ったのか、すでに正座待機してる二人を見て、再度ため息を吐く。



「まぁ、お前らの言葉を過信して、自分で調べることを放棄してた俺も悪いか……」


「「……(ごくり)」」


「いや、そんな緊張した顔されても……。別に、怒ってるわけじゃない。よくよく考えれば、お前らに一から十まで、もれなく全部説明するなんて芸当、無理に決まってるもんな」


「それはそれで酷くねッ!?」


「……ぷっ」


「蒼! 何笑ってんだお前!」


「……太陽、しっかりしなきゃダメ」


「忘れてたのはお前も一緒だからな!」



 ギャーギャーと兄妹喧嘩を始めた二人に、思わず笑ってしまった。すると、二人は双子特有のそっくりなジト目で俺を睨む。


 二人に悪い、と謝りながら、俺は考えを巡らせる。



 ――――さて、動画の件。どうしようか?

 

 

 

ということです! 

感想でいろいろとご指摘くださり、ありがとうございます。まだツッコミどころが多いような気がしますが、とりあえずはこれでお許しを。


感想、評価、ブックマを付けてくださっている方々、本当にありがとうございます。

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