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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
三章 蒼の嫉妬と長い一日編

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終わりの夜 其の二

 アッシュのことを、どう思ってるか……ね。


 アッシュは……FEOで、蒼や太陽以外で初めてフレンドになった、ちょっとそんじょそこらではお目にかかれないレベルの美少女。

 人見知りなのに、初対面の俺を助けてくれた優しい女の子。清純ということばがよく似合う、家庭的な雰囲気を持っている。自分に自信がないところが玉に瑕。後、人間関係の類での地雷を大量に抱えている。


 けど、今の自分を変えようと努力できる、とても強い子だ。そう言うところは素直に賞賛できる。また、生産のことになると一転、目をキラキラさせて語りだすのだ。それが好きなんだってことを、目いっぱい全身で表して元気よく微笑む姿は、無垢な童女のよう。


 出会ってから間もないけど、それなりに仲良くできてるんじゃないかな、と思う。少なくとも、俺はアッシュのことを友人だと思っているし、向こうが俺のことをそう思ってくれていれば嬉しい。


 細かいニュアンスは違えど、俺がアッシュをどう思っているかという質問への問は、これで間違っていないはずだ。

 俺は、思ったそれをそのまま言葉にして蒼に伝えた。


 すると、



「………………はぁ」



 深い、マリアナ海溝レベルで深いため息を吐かれた。


 ちらり、と蒼の方を見てみると………うわ、何そのジト目。多分な呆れをこれでもかと詰め込んで、さらに責め立てるような色さえ含んだ視線が、俺の横顔をじりじりと焼いていた。



「はぁ…………。まじではぁ…………。略してはまじ……」


「うわ、なんかすっげぇ腹立つ」


「……それはこっちのセリフ。流にぃって勉強はできるけど、こういうこと(,,,,,,)に関しては太陽レベルでおバカ」


「こういうことってなんだよ……。あと、その太陽レベルって言うの、他の人に使っちゃダメだぞ? 使われた人が可哀想でしょうがないから」


「……それもそう」



 太陽が聞いたら憤慨するか体操座りで凹みそうなことを二人で言う。うん、でも太陽レベルって言われるはちょっと心外だなぁ。


 あと、『こういうこと』ってどういうことだ?



「……それが分からないから、流にぃはダメ」



 あ、そうですか。ごめんなさい。


 そう、内心で素直に謝ってしまうほど、今の蒼の目は鋭く、威圧感があった。普通にビビった。



「まったく、アッシュが可哀想……。わたしが言えたことじゃ、ないけど」


「うん? どうして可哀想なんて話に?」


「うるさい、超絶鈍感唐変木マン」


「超絶鈍感唐変木マン!?」



 なんだろう、すさまじく不本意なあだ名をつけられてしまったんだが。なんだそれ、ドンダケ鈍感を強調したいんだよ。


 俺がうろたえていると、蒼はもう一度ため息を吐くと、「……心配して損した」と責めるようにつぶやいた。うん、なんのこっちゃよくわかりませんね。けど迂闊なことを言うと蒼の視線がさらに鋭いものになりそうで怖いので何も言わないでおこう。


 

「…………じゃあ、流にぃ。流にぃは、好きな人とか、いる?」


「ん? 好きな人?」



 好きな人……? うん、えらく曖昧な聞き方だな。どういう意味で好きな人なのだろうか?


 よく分からなかったので、俺は無難な答えを返しておくことにした。


 ちらり、と視線を蒼に向け、

 


「そうだな……。蒼のことは、もちろん好きだぞ?」


「…………むぅ、意味は違うと分かっても、嬉しいから困る」


「ん? なんか言ったか?」


「んーん、なんにも。あと、そういうことじゃない。好きな人って言うのは、委員長が太陽に向けてるやつのこと」


「委員長って……。ああ、恋愛感情ってことか」



 ふむ、本当にコイバナがしたかったのか、蒼は。俺の恋愛話なんぞ聞いて何になるというのか。というか、恋愛的に好きな人なんてそもそもいないしな。


 と、言うことを蒼に伝えると、またしても微妙そうな表情なり、ジト目光線を喰らった。背筋に悪寒が走った。ジト目光線はこおりタイプの技に違いない。



「…………はまじ」


「うん、それホントに腹立つな!?」


「ネットゲーマーなら、らんらん語の習得は嗜み」


「らんらん語ってなんだよ……。訳が分からないよ……」


「えっと……豚の言語?」


「何それ怖い」



 らんらん語……うん、未知の世界すぎて、脚を踏み入れる気もしねぇわ。



「…………って、そんなことはどうでもいい」



 そう言って蒼は、またしてもあの、真剣で不安そうな視線を向けてきた。……この視線の意味が、分からない。何をそんなに不安がっているのだろうか。


 そして……。どうして、その視線を受けると、こんなにも心がざわつくのだろう?


 何か……何か、大きな何かが起こるような、そんな予感が頭をちらついて離れない。けれども、それを言葉にするのは叶わない。全体像の分からない、靄のかかったものをぼんやりと眺めている気分で、蒼の次の言葉を待つ。



「……例えば、マオとかは?」


「さっきの好きな人って言う話の続きか? うーん、後輩は……後輩だな、うん」


「…………アヤメちゃん?」


「おう、好きだぞ。親子的な意味でな」


「…………と、いいつつ?」


「スルーしたんだ話を蒸し返すな。というか、人をロリコン扱いするんじゃない」


「…………じゃあ、ナナホシ?」


「アイツ、男な。見た目に惑わされてるぞ~」


「…………リアル男の娘キタコレ?」


「太陽みたいなこと言うな。俺はあんなに残念じゃない」


「…………シル?」


「……えっと、蒼? 何? 俺ってそんなに女に飢えてるように見えるのか?」


「んーん。そう言うわけじゃない。……けど、枯れてる疑惑はアリ」



 か、枯れてるって……。いやまぁ、確かに彼女いない歴=年齢で初恋もまだだけど、枯れてる訳ではないぞ? うん。



「もしくは……男色?」



 もっとねぇよ。


 ふざけたことを言う蒼の額にデコピンを食らわせる。「いたっ」と額を抑える蒼を見て、ため息を一つ。


 

 うん、さっきから蒼は何を言いたんだろうか?

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