狂戦士ん官
悩んだ。めっちゃ悩んだ。
メニューを開き転職部屋で頭を抱えること早十分。俺はいくつものウィンドウを開いたり閉じたりしながら、唸り声を上げていた。
ふざけた称号【神官(爆笑)】のおかげ(というのにものすごい抵抗があるが)で選べることができる上位職、『狂戦士ん官』。
ふざけた名前と説明文を持つ職業ではあるものの、職業効果や職業スキルは他の職業と比べ物にならない。自分限定ではあるが回復と強化の効果が上昇し、ステータスだって俺が重点的に上げてきたものがほとんど上昇する。『知力低下』は馬鹿にされている気がするが……まぁ、デメリットにもなってないので問題なし。
そう、選ばない理由が無いのだ。無いのだが……。
「名前がネックすぎる……ッ!!」
まぁ、狂戦士と付いていることに関してはこの際目をつぶろう。何度も言うが、そう思われても仕方がないことをしている自覚はある。
でもこれ、普通に『狂戦神官』じゃダメだったのか? なんでわざわざ『狂戦士ん官』にしたんだよ!? あれか? 素直に神官って入れるには俺の神官要素が少なすぎたってか? それをわざわざ分かりやすくしてくれたと? 余計なお世話だよ今畜生!
……うん、まぁでも。強くなれることは良いことだし、名前にさえ目をつぶれば利点しかないんだから……。
そう自分に言い聞かせながら、ウィンドウをポチポチ操作して、狂戦士ん官へと転職する。
最後に『OK』と書かれたボタンを押す。すると、転職の間の中心にある結晶体が発光し、そこから漏れ出た燐光が身体にまとわりついてくる。
その燐光が渦を巻きながら徐々に体の中に吸い込まれていく。しばらくして最後の一粒が吸い込まれて…………転職完了だ。
ああ……。なんだか取り返しのつかないことをしてしまったような気もするけど……。うん、考えないようにしよう。さてと、ステータスを確認してっと……。
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PN:リュー
RACE:人族
JOB:狂戦士ん官(new)
SJOB:錬闘士(new)
Lv50(3UP)
HP 1290(30UP)/1290(30UP)
MP 1660(90UP)/1660(90UP)
STR 107(6UP)
DEF 80
INT 15
MIND 117(6UP)
AGI 71(6UP)
DEX 10
LUK 20
SP 0
SKILL:《治癒魔法LvMAX(進化可能)》《付与魔法LvMAX(進化可能)》《メイス使いLvMAX(進化可能)》《格闘LvMAX(進化可能)》《剛力Lv6(5UP)》《昇心Lv7(2UP)》《強身LvMAX》《強速LvMAX》《増命Lv4(3UP)》《増魔Lv6(5UP)》《信仰の剣Lv82(7UP)》《信仰の盾Lv72(6UP)》《夜目Lv54》《召喚魔法Lv35(10UP)》《飛行Lv8(7UP)》
JOBSKILL:《血濡れの信仰心》《猛り狂え神の子よ》
TITLE:【紅月の単独征伐者】【頭蓋砕き】【神官(爆笑)】【鱗砕き】【ユニークジョブ】
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あ、副業もランクアップしてる。効果は闘士が純粋に強化されただけか。
称号に生えてる【ユニークジョブ】は……特別な効果は無し。ただ、全プレイヤーの中でも俺しかもっていない職業についた証みたいなものらしい。
そして、職業スキルである《血濡れの信仰心》と《猛り狂え神の子よ》の二つ。
前者はパッシブスキルで、戦闘中にダメージを受けるたびにMINDが少しずつ強化されていき、戦闘終了まで効果が続く。
後者はアクティブスキル。戦闘中に合計で一万ダメージうけた場合のみ発動できるスキルらしい。
さて、転職とステータスチェックが終わったな。後は……この際だ。スキルの進化もしてしまおう。
ステータスをポチポチ操作して、進化可能と書かれたスキルをどんどん進化させていく。
その結果……。
《治癒魔法》→《生命魔法・限》
《付与魔法》→《付与魔法・決戦式》
《メイス使い》→《戦棍士・砕》
《格闘》→《蹴闘》
と、なった。
詳細検索をしてみたところ、どれも面白い進化の仕方をしている。
まず、《生命魔法・限》。これは回復魔法だけでなく、身体強化魔法なども内包しているらしい。付与魔法以外の強化魔法の存在は素直にありがたい。限と付いてるのは回復魔法と強化魔法を自分にしか使えないかららしい。
《付与魔法・決戦式》はより戦闘に特化した付与魔法を使えるらしい。属性攻撃を付与したりできるようになるのだろうか?
《戦棍士・砕》は粉砕系のアーツを多く覚えるメイススキル。まぁ、アレだけぼこぼこぐしゃぐしゃしてたらそうなるか。納得。
《蹴闘》は、足技に特化した格闘スキル。メイスを装備してる関係上、足技をよく使っていたので、こうなったのだろう。蹴り技だけでなく、回避系や跳躍系のアーツも増えているらしい。
「よし! 十分すぎるくらいのパワーアップ! うん、名前が変なことくらい多めに見ようじゃないか!」
メニューを閉じた俺は、そう無理やり気味な明るさで転職の間を後にした。この後、後輩にどんな反応されるんだろうなぁ……なんてことを考えながら。
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