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第一話 ジョセフ・ホフマン

雨にも負けず、風にも負けず。鍬の音がリズムよく畑に響く。のぼりたての朝日が、青年の汗を照らしていた。

彼の名はジョセフ・ホフマン。幼い頃に両親を魔族に殺され、一人で生活することを余儀なくされた孤児だった。

農家だった両親の遺した技術と本があったとはいえ、その生活は苦しい…はずだったのだが。


見渡す限りの広大な農地。彼の所有する土地の内には水田すらある。もちろん水路を引き、護岸をしたのは彼自身である。

家のすぐ隣にはリンゴの果樹が並び、春になれば麦が揺れ、夏にはトウモロコシが生い茂り、秋には稲穂がこうべを垂れ、冬にはホウレンソウが耐え忍ぶ。


いつしかついたあだ名は <<グリーンフィンガー>> 。彼には、およそ70年に及ぶ日本農業の記憶があった。



本日の作業もひと段落、昼過ぎに村へ顔を出す。

宿屋のそばに見慣れない荷車が止まっているのが目についた。


「ああ、やっと来たねジョセフ」


宿屋の向かいの武器屋の亭主が言う。


「なんだ?俺?」

「奴隷商だってよ。お前さんに労働力を売りたいそうだ」

「はぁ…そういうのはいらねぇって何度言ったら…」


ため息をついたジョセフの目線の先、荷車から顔をのぞかせていたのは、絶世の美女エルフだった。



――――――――――――――

【ジョセフ・ホフマン】


年齢:19歳

種族:人間

職業:農民


技能:

【農業】

【料理】

【生活魔法】

【主人公補正】


称号:

【転生者】

【グリーンフィンガー】


前世:田中洋典 農家

享年:76歳

晩年は認知症を患うも、妻子に見守られて天寿を全うした。


――――――――――――――

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