異世界合コンと本音しか話せないピザ【後編】
異世界に行ったら最高の引きこもり生活!
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続・異世界に行ったら最高の引きこもり生活!
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短編から続いております良ければどうぞ
ローレンスは執務室で聖女様からの手紙を読んで嬉々としながら万年筆を手に取った。
聖女様からのお手紙はいつもとてもぶっきらぼうで要点しか書いていない。それが今回は少しだけ違った。
『ローレンスさんへ
柚花の合コンの参加者
柚花
ジェシカ
ローレンスさん
ファルなんとか公爵
もう1人男性を呼んで下さい。
ジェシカの婚約者とその幼馴染みを呼ぶこと。
私は出席しないので段取りよろしく。
セッティングしてくれたら向こう3日間カフェラテもしくはキャラメルラテのどちらか無料進呈紙袋つき。
彩音』
私は他の仕事なんかよりも最優先で聖女様の依頼を遂行することにした。
お茶会。柚花様は合コンと仰って恋人や結婚相手を探すものだと説明された。男女が同席するお茶会も、社交界も夜会も大差無いではないか。小さな問題といえば、ファルエール公爵家とエヴァーデン侯爵家、そして我が家門のアシュフォード侯爵家と敵対していなく婚約者のいない者を探すこと。そんなことはいつもの執務に比べたら造作もない。
私はエリオット・ウェストコットに手紙を書いた。ウェストコット伯爵家の次男で今は家業の内の商会で頭角を現している。何より誠実であり優しい男だ。エリオットは私の同級生なので身元の保証も確かだ。
♢♢♢
ジェシカは婚約者のヴァルの家へ向かっていた。聖女様には脈なしだ別れろと言われ柚花様にも捨てろと言われたが好きな気持ちは抑えきれない。
「ジェシカお嬢様、こちらでお待ちください」
見慣れた応接室で紅茶を飲んでヴァルが来るのを待っていた。
上の階が慌ただしくなりバタバタと音が近づいてきた。
「ジェシカ!突然どうしたんだ。来るなら来ると知らせてくれないと」
「先触れなら出しましたわ。その服装はなんですの? 隣にいらっしゃるのはどちら様かしら?」
2人とも乱れた服装で髪も乱れたまま顔を上気させていた。
「あ、ああ、幼馴染みのクラリッサだ」
「随分と仲がよろしく見えますわ」
「それは幼馴染みだから当然だろ。クラリッサは小さい頃から一緒にいるんだ」
「そうですよジェシカ様。ジェシカ様よりも前からずーっと一緒なんです」
「ヴァル聖女様とのお茶会があるわ。もちろんエスコートしてくれるわよね」
「ああ、それなんだがクラリッサもその日招待を受けててクラリッサは俺がいないとダメだろ? ジェシカは王宮は慣れてるから1人で行けるだろ?」
「ヴァル! 嬉しい!」
私は何も言わず席を立ち馬車に乗って王宮へ向かった。
♢♢♢
ガンガンガンガンガンガン
惰眠を貪っていた私はビックリして飛び起きた。
『シャッ』
「うっうっうっうわーーん」
『ピシャ』
「開けてぐだざいいい!ヴァルがああ絶対信じたくないけど浮気じででひっく」
「お茶会も1人でいげっでいわれだんでず」
戻ってきてた柚花が窓を開けた。
「だから言ったじゃん。ダメ男だから別れろって」
「でもずぎなんでずうう」
「別れなければ来るなって言いましたよね。迷惑なんですけど」
「聖女様どうずればいいですか? ずぎなんでず」
しょうがないな。バカ男とバカ女には呆れるけど、こっちも相当アホだな。
「ジェシカ、御神託を授けたのにその通りにしないから。別の御神託を特別に、いい、特別によ授けます」
私は用意しておいたオラクルカードを3枚引いた。現在の状況、原因、解決策になるように。
……ChatGPTに聞くまでもなかった。
「先ずは現在の状況です。あなたは自分たちが愛し合ってると思っていますが愛し合っているのは、ジェシカの婚約者とその幼馴染み。そして幼馴染みは妊娠してるんじゃないかな」
「いやああああ」
「チッうるさいな」
「そういえば彩音占い出来るもんね」
「シッ占いは禁句」
「原因はあなたの価値観を押し付け束縛しあなたの檻の中に閉じ込めようとしていたこと」
「そんなごどないもんん」
「黙って聞け」
「解決策は生まれ変わったような新境地で自分の殻を破り自立すること以上。あ、御神託なので寄付お願いしまーす」
「ここまではっきり言われてるんだから覚悟決めて別れなよ。浮気もしてたんでしょ」
「うぇうぇうわーん」
『ピシャ』
「柚花どしたの? 王宮生活飽きたわけじゃないでしょ?」
「炭酸とさポテチ買って。私のアプリじゃ無理なんだよね。動画も写真もさ」
「そうなの?」
♢♢♢
お茶会当日、朝から窓の外は騒がしく色々とセッティングがされていた。
私もアプリで時間指定で色々と注文をしていた。
時間になるまで今日は動画を見ていた。
お昼前に柚花が部屋に入ってきてお腹空いたけど合コンあるから食べない方がいいよねって言ってソファに転がった。
「ドレスシワになるんじゃないの?」
「ちょっとくらい平気っしょ」
「男探しに全振りなんじゃないの?」
「それがさ、頑張らなくても聖女様のご友人でかなりいけている。ありがたや」
「それは、どうなの?」
「とっかかりは何だっていいんだって」
お茶会が始まる時間が近づいて柚花が出ていった。
私は皆が窓しか注目していないので、ベランダに置いてある椅子に腰かけて様子を見ていた。
それぞれ1人でお茶会に来ていた。ジェシカの婚約者とその幼馴染みを除いて。
皆が席に着いたところで何と柚花が仕切ってお茶会が始まった。
多分この世界の常識とかけはなれた紹介の仕方や話し方に面食らっているのだろう。
そんなんで、よく私のところに来てたな。
自己紹介も終わり歓談となったころ私は部屋に戻った。
タイミングよくデリバリーが届いたのでキッチンに持っていって牛刀を取り出す。
「ステータス!」
!!!!!
これは当たりが来た。既に切れているが更に小さく切る。何でも美味しくなるからね。
私は窓を開けて差し入れをした。
「王宮で用意されたお菓子は大変美味しいと思いますが、皆さんから見た異世界のお料理食べたくありませんか? どうぞ」
そう言って私はピザを渡した。
ピザマルゲリータ【本音炸裂】
本音しか話せない
牛刀の効果付与
とっても美味しい
「この丸いのは初めて見ますね」
「食欲をそそる香りだ」
「早く食べよー」
「ヴァル取って」
「ああ、いいよ」
「……」
「私も早速いただこう」
みんな夢中で食べている。
「いやー異世界とかまじ楽勝生活でいいよね!!」
「私は宝剣を早く使いたいのだが」
「ヴァル早く私たちの赤ちゃんのこと話さないと結婚も」
「ああそうだな。ジェシカとの婚約はなかったことにするからさ」
「2人とも子供が? 地獄に落ちればいいのよ!!」
「あー仕事したくない。毎日聖女様のカフェオレとキャラメルラテがあれば」
「これはぴざというのか。美味しいな」
私は追加の差し入れをした。
「こちらは口の中で弾けて爽やかな飲み物です。是非お試しください!」
レモンソーダ【腕力アップ】
腕力が1時間飛躍的に向上する
他に頼んだものは出さずに私が小皿にだしてつまんでいた。
「ヴァル!信じてたのにどういうことなの!浮気をするなんて! 私のこと好きだって言ったじゃない!」
「ジェシカいい加減にしてくれよ!もううんざりなんだよ!俺は家格が釣り合わなかろうがクラリッサが好きなんだよ!お前の事なんて好きになったこともない!」
「うわーくず男だ!すごいな!」
「希に見るクズですね」
「これは酷いな」
「この炭酸おいしいですね」
「ヴァル!嬉しい!大好き!ジェシカなんて早くいなくなってよ!」
そろそろかな。
窓を開けてファルなんとか公爵を呼んだ。
「あの、これなんでも切り裂けるじゃないですか。手紙に書いた通りジェシカとくず男の関係をバッサリすっぱり切り裂いて」
「お安いご用だ」
ジェシカとくず男は向かい合ってくず男はジェシカを睨み、ジェシカは目にいっぱい涙を溜めていた。くず男の後ろには幼馴染みがくっついていた。
ファルなんとか公爵が孫の手を持つとそれはまた大剣に変わった。
公爵は2人に近づくと2人の間にその大剣を振り下ろした。
爆風と轟音そして静寂。
最初に口を開いたのはジェシカだった。
「婚約は破棄しましょう。浮気して子供までいるんですものね。どうぞお幸せに。慰謝料はいただきますわ!」
そう言ってジェシカは婚約者の顔を平手打ちしたのだが婚約者は壁まで飛んでいってしまった。
怪力のジェシカとこのお茶会に出席していたメンバーからは呼ばれるようになった。
後日、ジェシカの婚約者のヴァルター・ベンブルックは廃嫡となりベンブルック伯爵家からは慰謝料が支払われた。
幼馴染みのクラリッサ・ハーコートは男爵家から除籍され男爵家からも慰謝料が支払われた。
ヴァルとクラリッサは平民として生活しているが仕事も続かず何度も実家の前で泣き叫んでいるそうだ。
コンコンコン
「どっちですか?」
「キャラメルラテを」
ゴンゴンゴン
「優しくノックして下さい」
「聖女の手紙の頼みをきいてあげた見返りがほしくてな」
「木を切るだけですよ。実害をださないで下さいね」
コンコンコンコンコン
「叩きすぎなんだけど!!!」
「エリオット様がいいなって思うの」
「ちょっと待てジェシカ!!!」
「え!?柚花様はローレンスさま狙いでは?」
『ピシャ』
孫の手【宝剣エルディオン神話級】
どんなものでも切り裂く
背中もかける
最後までお読みいただきありがとうございます!
引きこもり生活はまだ続きます!




