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009バカでよかった

009バカでよかった


 こいつらを生かして帰すわけにはいかない!

 

 と、息巻いてみたものの、特に方法も思いつかない。

 必死に黄金樽に群がっている今ならサクサクと後ろから刺したら殺せそうなんだけど。でも武器持ってないしな。そこまではさすがに見逃してくれんだろう。

 

 こんな事なら早く魔法憶えておけばよかった。

 俺のゴールドフィンガーは、魔力を消費量しない。どういう理屈かわからん。

 しかし、魔力の器だけは結構な量が最初から用意されていた。

 さすが異世界転生である。

 女魔法士の何倍もあって嫉妬されたが、しかし、魔法が使えない。

 教えを受けたけど、まず魔力の流れというのがわからない。

 ゴ◯ウの体に乗り移ったギニ◯ーもこんな気持ちだったんだろうか。

 膨大な力がある事はわかるんだが、それをどう使ったらいいのかわからない。

 

 まずは体力からと投擲の練習と筋トレばかりしていた。

 

 筋トレの方はステータス力の変な補正のせいで自重トレーニングができない。

 ここでゴールドフィンガーで作った黄金が役に立っていた。

 

 そんなこんなで結構からだ鍛えたつもりだけど、この強盗DQN5人はそれなりに手練れっぽい。

 レベルはいくつかしらないけど、ガタイはいいのだ。

 皆ダガー装備しているし、素手て戦うのは無理。

 

「っせー、んあもっりじゃねー」

 と服を破ってしまったDQNが言っている。周りに笑われての言葉だが、やはり何を言っているのかわからない。

 翻訳機能付いてるみたいだから外国人でも問題無いはずなんだが。

 

 結局持てるだけ持ったDQN連中は、持ちきれなかった分を放置して、

「まっからー、げひひひひ」

 と笑ってよたよたと歩きながら家を出ようとしてコケた。

 玉突き事故の様に5人ともコケた。

 金塊が重くて起き上がるのに難儀している。

 

「あ」

 俺はDQN達が漁っていた5リットル樽群の所にいった。

 まだ残っている金塊を拾い上げる。

 出来上がった金塊はおおむね容器の形を縮小した感じになる。

 手元には、缶飲料みたいな金塊。

 ずっしり重い。

 さて、中身の詰まった缶を投げた事があるだろうか。

 この形は結構投げやすいのだ。

 

 俺はステータス補正のかかった腕力で金塊をぶん投げた。

 

 重さが同じなら威力も同じ、ではない。

 衝撃の当たる面積が狭く、モノが硬ければ全体の威力は同じでも直撃点が受けるダメージはでかくなる。

 釘が木に刺さったり、千枚通しが紙束を貫通するようなものだ。

 

 ごしゃり、と嫌な音が鳴った。

 

 手斧で鍛えた投擲能力が発揮され、狙い通り地面に倒れているDQNの頭に直撃した。

 倒れているから重力も加算された5kgの金塊に頭を潰されて絶命。

 何か飛び散っているが、暗くてよく見えない。良かった。

 

 

 そんな感じで、5人始末した。

 

 バカだから強盗に入ってきたわけだし、バカだから俺も殺さずに逃げようとした。

 そんで、やっぱりバカだから簡単に始末できた。

 

 しかし、次に来るのはバカじゃないかもしれない。

 

 俺は持ち家に早くも限界を感じた。

 

 

 ◯

 


 


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