030最終回 そして俺のチート物語は終わった。
030最終回 そして俺のチート物語は終わった。
王城どころか王都そのものが無いので、近くの街で叙勲式が行われ、俺は勲章を賜った。
龍撃勲章というやつで、龍撃隊が、隊としてもっているものを、俺は個人で受章した。
ドラゴンの姿を模った、カッコイイ勲章だった。
「これからもよろしく頼む。神の御子よ」
という王様の言葉に、詰めかけていた民衆が歓声を上げた。
俺が神の御子であるというお披露目もここで行われた。
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そんなわけで、俺はこの世界を巡ることになった。
モンスターの大量発生はおよそ500年周期で全世界に起こるものらしい。
そんなんだから人類が滅びそうになるんだよ。この世界の管理神様は何考えてこんな設定にしたんだ。
今の所、この国のモンスターの大量発生が一番早かったらしい。
これから大量発生した国、大量発生の兆しがある国を回って、モンスターの掃討をしながら世界を巡る。
冒険ッ! って感じで良い。
そして、俺はもうこの黄金化の能力を使わないと決めた。
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「確かに、使わない方が良いな」
と王様もわかってくれた。
やはりあの猫神様はこっちの管理神に迷惑を掛けようとしていた。
まぁ、ちょっとしたイタズラ程度なもんなんだろうけど、神の感覚でやられても人間の身としては困る。
最初は右って言っていたんだよやっぱり。それが突然左って変更したし。
水魔法は空気中の水分を集めているらしい。
俺はそれを黄金に変えた。
それだけではない。
数百万トンの水分を黄金に変えてしまった。
それらの水分は本来自然の中を循環していくものである。
つまり、この世界から数百万トンの水が失われたのだ。
世界規模でみれば大した事がないのかもしれないが、この数百万トンでどれだけの動植物が生きられたのか。
間接的に未来の命を奪った事にもなる。
食べるわけでも、自らを守るためでもない。ただの黄金に変えてしまった。
また黄金化の能力を使う事は多分あるだろう。
だけど、なるべく使わない様にしていきたい。
とりあえず、さらば『ゴールドフィンガー』
□
叙勲式から1ヶ月後、俺はワイバーンの背にまたがっていた。
練習はしているが、まだ自分1人では難しく、女騎士にしがみついているけど。
俺達は西の国に向かっている。
モンスターの大量発生が報告されたからだ。
体高60m級のギガントが大量に出たという。
国が平らになっちゃうよ。
ドラゴンゾンビといい、西のギガントといい、モンスターの大量発生は数だけじゃなくて厄介なモンスターも発生するらしい。
それだけ群がっていたら、単体を囲んでボコるってのも難しそうだ。
デカイだけでも厄介なのに、群れているとか。
つまり、必要なのは『一撃で大ダメージを与えられる』武器だ。
「ギガントの皮膚って硬いんですか?」
「いや。だが厚い。それに、やはり魔力が吸収されてしまって魔法が効かん。巨体ほどそうだから、西の国に出た奴は魔法じゃまず無理だろうな」
大きなモンスターというのは、もしかすると肉体だけではなくステータス的な何かや魔法的な何かで動いているのかもしれない。
あと、女騎士の言う事は信用できない。この人ステータス高いし。どのレベルで『硬く無い』のかわからん。
「で、その、もんろー、のいまん効果? とやらで巨人は倒せるのか?」
「やってみないと分かりません。 まずは道具と職人さん集めて実験しないと」
魔法で作った火球は魔力を失うと消えてしまう。
だが、加熱された金属ジェットは物理だ。消せない。
地球のと完全に同じものは作れないだろうけど、金属ジェットを作り出せれば良い。分厚いとはいえただの皮膚に耐えらえるものではない。
「そうか。 で、その武器は私に使わせてくれるんだろうな?」
「え…… あ、はい」
女騎士が嬉しそうに笑い、手綱を引く。
ワイバーンは雲を突き抜け、雲海の上に出た。
遠くに渡り鳥の群れが見える。
「ここはいつ来ても気持ちいい」
女騎士はそう言って、大きく息を吸った。
俺のチート能力主人公としての話はこれで終わりだ。
ここからは能無し御子としての物語。
女騎士と2人で異世界を巡る旅が始まった。
◯ おしまい




