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存/在を真ッ二つに断つアリアドネ
糸を失する2LDK
夢名残 幕をおろせりワンルーム
櫂の無き舟 アガルマの澱
聖骸布ゆるやかに思う刻一秒
コンクリートの外の青空
禅語にて自己疎外をば鑢せり
されど肉腫に似たりドレスは
智慧の実を汝がこんじきの淵に擲げて
吾が赤色の体液を吐く
仮面劇 デカルトによる 口づけを
脳髄に浴み 石化せり冬
オッドアイ 灰被りせるファルス哉
二重にみゆる形而下の靴
皮下の影 蕭々と交う ハイヒール
下位概念のヴェネツィアに死す
ぬばたまの瞳孔が祝うアブジェクシォン
時は対なり 無は定かなり
ゆらめけり 月も地も身も 不定点
かそけきカフカ なべて夢寐かな
三葉虫 吾が構造の 遠心を
外套へ沈む フィギュールにみゆ
肉擦れを心臓部へとつるませて
アンドロギュヌスのあやめきを識る
黒髪の職業婦人の歯牙に領る
sacrifice の 張り詰めし箍
アルカホリック 或いは不在 土左衛門
天使の股の 内海に賦す
覚醒を 外皮にきざみ 鏤骨せり
蝋人形の おのれを冒す
ノスフェラトゥ 経済と夜 唾と花
面罵と檜皮 海鷂魚と恍惚
みずかねに 高下する気宇 昨夢とて
サロメの君に すすらるる殻
犬の臍 吾に対せり 従善者
ローアンバーに翳む悪徳
細胞にミニマリズムの仏あり
月はべたべた 闇はどろどろ
苺の死 映像的なトロウマの
切断面は はなさきにあり
残照の枯れ木に映ゆるガスカール
失語と死すら芋より軽く
前髪をつかねる指のしわの数
髑髏杯をすなどる鏡よ
しらうおの指を刈り取るネオンライト
隔てられるや 愛とバベルと
屍蝋より肉蛆よりも菌糸類
吾が匿う輪廻を超えて
妄想と暗礁をにじるアスファルト
硝子細工の現前のかばね
モルモット ぬるぬる泥む 夕まぐれ
外部を持たぬドアの内側
カウスキン 蛻を吊るす皮よ革
内部に見ゆる肉の面影
汚名せりカネノナルキの樹海に沈む
資本主義者はみちを鎖ざして
mille plateau 閉じ輪を捻る下垂線
メビウスに似たり吾の吊り首
オフビートいたずらに過ぎし万年床
褥瘡にきざむ 薔薇のかんばせ
iPhone の にびいろのうつろ 鏡らよ
デスマスクらよ 花よ 蝶よ
アルトーの分水嶺をしかと嗅ぐ
アンダーラインのつきせぬ仮現
色彩をただ蒙昧にぬりたくりて
はらわたを裂く形而上学
Bluetooth ポップスを流す断種者や
紛失されし弔鐘を聴く
無知と鞭 ゴロと冷笑 超自我と蝶
さいはての先にマゾッホの書
暁のラボにしたたる血のしずく
げにシネクドキのさきは闇なり
帝政をゆるやかに食む齧歯類
われと我が身を養しなえる格子
暗雲を静脈に嗅ぐ爼上の人
メルクマールのあわき訪れ




