まごうことなきデートです16(終)
帰り道、前を歩く恵茉に恨みがましく呟いてしまう。
「今日の目的は弟さんのデートの監視?」
「いや違います。恵茉は別に監視なんてしてないですもん。そんなことするはずないじゃないですか」
振り返ることなく恵茉が大声で否定する。まだ人通りもあるのに憚らずに騒ぐ彼女は。もしかしたら少しだけ罪悪感があるからかもしれない。
進もうと思って出した足を止めて、こっちを向き直る。ジトっとにらむ彼女だったが怒ってはいなさそうだった。
「というかなんで話しかけに行っちゃったんですか。意味わかんないですよ。高瀬君のアレが無ければつつがなく終わったはずなんですよ」
「いや、それは……」
「それは、なんですか?ちゃんと説明してくれないと恵茉はちょっと怒りますよ」
「それは、その、恵茉が……」
自分の早合点がいまさら恥ずかしくなってどうしても口ごもってしまう。
「聞こえないんですけど」
恵茉が俺との距離を縮めた。そういえば、この子は学年でもトップレベルの可愛さを誇っているんだよな。そんな子に凄まれたら自白なんて一瞬だった。
努めて冷静にそっぽを向きながらも身勝手な推理を披露する。
「恵茉がストーカー被害に当てるんじゃないかって思って……」
「……え?」
恵茉の顔が引き気味に止まった気がしてしまって、声が大きくなる。
「いや、そのね!いつもと違ってだいぶ変だったから。その格好も行動もなんか裏があるんだと思って、いや実際あったんだけど。それで、いろいろ考えてたら男の子が、ずっと視界の隅にいたから!ちゃんと見てればきっと気づいたんだろうけど!」
デートだと思って浮かれて視界が狭くなっていたなんて言い訳はしたくない。
焦る犯人に恵茉はしょうがないですね、と笑った。それが何よりの救いなんだけど。
「そうですか……最初から言えば良かったですね。でも言ったら恵茉のことちょっと引くだろうと思って。弟のデートを見るなんてちょっとブラコンだと思われちゃうじゃないですか」
結局、思ってしまうのだけど。
「そんなに心配だった?」
俺の言葉に恵茉は口をとがらせて反論する。
「違いますって。心配じゃないですもん。偶然ですもん」
「楽しそうだったし良かったじゃん」
「恵茉はハラハラしっぱなしでしたよ。もっと積極的に行っても良かったはずなのに」
「積極的……」
「例えばこうやって手をつなぐとか」
近づいた恵茉が俺の手を握った。
驚いて固まってしまう。それは恵茉も同じだった。先ほどと同じように視線が絡まってほどけなくなった。
「……」
「……」
ばッと手を離すと恵茉は何でもないように、いたって普通に、何でもなかったように、
「例えばですよ!たとえばっ!」
とまくし立てた。
「とにかく、別に監視とか尾行とか、そんなんじゃないんですから!」
「じゃぁなんなのさ」
「これは……」
恵茉がの思考が一瞬停止する。今日一日を走馬灯のように思い出しているのだろうか。
恵茉の顔が少し赤くなった気がした。
だと良いんだけど。
「これは、まごうことなきデートですね」
きっと。
「まごうことなきデートです」やっと終わりました。ここまで読んでくれた方は本当に感謝です。
いつも通りの駄文に付き合ってくれて本当にありがとうございます。もしお手数でなければ是非感想なんて頂けると幸いです。
また他に、「ココがさぁ!」とか「いやホントここ有り得ないよ!」みたいなのが散見されて見過ごせなくなったら教えてください。
一応推理モノを気取ってるため、目の肥えた皆様にとってはひどいありさまだと思っているので……。
デートなのにデートじゃないそんな考えから生まれた物語です。言い訳としては主人公は浮かれていて視野が狭くなってるからしょうがないんだよって言いたいです。きっとリアルだとそんなはずないけど。
書き出してから変な方向に進んだり迷ったりやっぱり難しいなぁと思っています。
主人公とヒロインが居て感情が足りなかったりして大変です。もっともっと考えこまなきゃいけないし、推敲しなきゃとは思うのですが、「なろうだしこの程度で良いだろ!」ってメンタルや「とにかく完成が一番優先だろ」みたいなメンタルが邪魔して上手く行ったためしがありません。
ちょっとラノベの賞に応募していきたくなったのでまたコレとも違う作品が溜まったらちょくちょく交信できればいいと思っています。
本当にありがとうございました。




