&629
神と龍たちの力が始祖の龍へと降り注ぐ。それをアクロバットな動きと、生み出し無数の黒い力を放ち逆に食い荒らしていく始祖の龍。でもそれでも絶え間なく神達は攻撃を止めることはない。
攻撃が不得意な神は、防御を任されたり、回避の為に複数の神の分身を作ったりしてる。それに空間と時間、そして次元と、運命に干渉してどうにかこうにか始祖の龍への攻撃の道筋を立ててる。
「そこです。無数の攻撃のたった一つだけを私の占いで無の確立にしてみせます!」
それは占いを得意とするククール神の言葉だ。彼女の占いは不確定だからこその可能性があった。確定よりも不確定の可能性を彼女は信じてる。だからこそ、彼女は一つの攻撃を自身の占いで無という可能性にすることで、始祖の龍の圧倒的かつ支配的な力をくぐり抜ける攻撃を作り出してる。
彼女の干渉した無の可能性には当然ながら「当たる」可能性だって含まれてるはずだけど、他の大多数の攻撃がその確立を持っていくことによって、彼女が干渉するメインの攻撃。それこそ他の下位の神達の沢山の攻撃よりもゼーファスとか、古龍、それに神竜改達の強力な攻撃が始祖の龍へと届くようにしてるのだ。
無数にあるからこそ出来る戦法だ。無数の多数に確立を押し付けて限りない0を引き寄せる。それによって、流石の始祖の龍でも当たる攻撃がある。絶対的だと思ってた始祖の龍。それに自分たちが攻撃を当てて、そしてその血を流させる事ができてるのだ。
神たちだって「行ける!」「通じてる!」と思ってる。でも始祖の龍だってそんな甘い相手じゃない。なにせ神も古龍も宇宙だって生み出せるのが始祖の龍だ。この宇宙は転生によって始祖の龍から離れた。今や始祖の龍が定めたルールに縛られてなんてない。
だからこそ、神たちも古龍たちもその攻撃が通じてるわけだ。けどその気になればそのルールを書き換えることだって始祖の龍ならできるだろう。でもあいつはどうやらそんな小難しい事はしないようだ。まあそう思ってたけど……
奴は戦いを楽しんでる。いや、求めてたと言ったほうがいいかもしれない。絶対的だと思ってた自身にダメージを与えるほどの攻撃。これまでの戦いはこちらからしたら戦いだったけど、始祖の龍からしたら本当の意味での「戦い」ではなかった。
なにせこちら側からの攻撃は向こうには効かないんだからな。例外的に私の力が乗った攻撃やらカサノヴァの概念の攻撃、ゼーファスの自身を変換しての攻撃は通じてたけど、それでも一回限りの攻撃で始祖の龍が落ちるなんてありえない。
だって明確に始祖の龍は生物としても存在とても神やら古龍よりも上の存在だ。死という概念さえも、始祖の前では裸足で逃げ出す。終わりなんてなく、始まりを与える側の存在が『始祖』だとするのなら、その存在に『終わり』を告げるには……




