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「私たちは家族。仲間、それが分かるでしょう?」
大きく手を広げるカサノヴァ。そのスケール感はまったくもって違う。始祖の龍は大きく、カサノヴァはそれこそ普通の人間サイズだし? いや女性のサイズにしてはでかいが……それでも人の範疇に収まる大きさだ。別に大きすぎても不便でしかないからね。
神の体なんてのはただの入れ物であるだけなんだから、周囲に合わせて作るかえることができる。ならば一番平均的なサイズで周囲に溶け込んだ方がいい。だから神で極端にサイズが違う……なんて奴らはいない。
まあ多少大きい、小さいはあるけど、それでも大体は作られてる建物に皆さん入れるサイズだ。異様な姿をしててもだ。普通は宇宙は千差万別なんだから、そのサイズ感だってかなり違っておかしくない。
事実、本来の姿……ということではきっともっと色々なスケール感なんだと思う。でもそこらへん皆さん過ごしやすい、接しやすいように人前に出るときはしてるってことなんだろう。そしてそれはいうなれば相手に合わせることもできるってことで……カサノヴァの姿が大きくなっていく。それでも始祖の龍よりもこじんまりとはしてる。
でも始祖の龍の頭を抱きとめるくらいはできるようになった。その豊満な胸に押し付けるようにしてカサノヴァは始祖の龍を抱きしめる。
「うわー」
――である。え? 私にしてはおっぱいに包まれてうらやましい! とかがない? 仕方ないじゃないか。だって別にうらやましくないし? むしろ始祖の龍が心配だ。始祖の龍、野生児みたいなものじゃん? きっと匂いにも敏感だと思うんだ。
そんな始祖の龍にはカサノヴァの匂いはきついんじゃないかな? 体臭ってことじゃないよ? さすがに一応女神なカサノヴァにそんなことは言わない。「あんたの体臭酷いよ」って、女性なら一発で心おられる言葉だろう。
まあけどさすがに体臭は知らないし? でもその匂いはしってる。フローランスで刺々しくオーラルであり鼻孔にこびりつくようなさ……その何種類もの香水を混ぜてしまったようなにおい。はっきり言って建物内ではその匂いで気持ち悪くなる人だっているだろうってレベルだったからね。
匂いハラスメントだよ。神だから皆、何も言わないだろう。だってどうにでも出来るからね。けどそれって臭くないわけ……じゃないからね。ただ誰もがスルースキルを極めてるだけだ。つまりはカサノヴァは香水臭いのだ。
けど始祖の龍はそんな配慮? なんてしないだろう。いつもならね。始祖の龍こそいつもなら「お前くせーんだよ!」――という勢いでいうはずだ。いや始祖の龍とは会話できないんだけど。きっとアーミュラは会話できてるんだと思うんだけど……私たちでは始祖の龍とは会話できない。でも態度で分かるじゃん? 始祖の龍はアーミュラには柔らかいというか? 配慮をしてる。でも他には全部暴力的だ。その力を直接的に使ってくるのが始祖の龍だ。なのにその始祖の龍がカサノヴァの抱擁をうけいれ……ると思ってたら、大きくなったカサノヴァの体をかみついた。
やっぱりね……と私は思った。いけー! やれー! って感じ。




