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&542

「メイクが進むごとに、カサノヴァに都合のいい結果になってるというか? そんな気がする」

「相手は始祖の龍ですよ? そんなことが……」


 私もそうおもう。相手は始祖の龍だ。この宇宙の存在が始祖の龍を操る? それは現実的じゃない。あり得ないといってもいい。それだけ始祖の龍は別格。天井の本当のてっぺん。

 この宇宙で始祖の龍よりも上の存在はなんていない。けど……そんな始祖の龍を操れる? としたらそれはとんでもないことだ。その鍵があのメイク?


 今の始祖の龍は元の真っ黒な見た目とはかわってる。いや変わり果ててる……といっておかしくない。だって……ね。メイクといえば基本的には顔にするもの……だとおもうかもしれないが、どうやらそういうわけじゃないみたい。


 今や始祖の龍はカサノヴァのてによってまるで別物……に変貌してるといっていい顔は言わずもがな口紅やらチークやら、目元にはキラキラとしたデコレーションまでされてる。目立つ牙はカラフルに様々な色……12色? いや24色? いやいやもっともっとの色で塗り分けられてる。

 そして頭にはカツラなのか、なんかカサノヴァと同じような3つの山があるし……体にはシールなのかそれともスプレーで書いたのかって感じのストリートの壁みたいになってるよ? もういたずらレベル。爪も綺麗にデコられてて。翼の被覆? の部分は虹色に光っててどこのゲーミングデバイスだって感じになってる。尻尾はなんか鯉のぼりみたいなのがいっぱいついてた。はっきりいってごちゃごちゃだ。でも……カサノヴァっぽくはある。


 あいつはどうやら盛れば盛るほどいい……みたいな感覚みたいだからね。引き算の美学って奴をしらないらしい。大体神も龍ももう盛りまくったような存在だよ? それに更に継ぎ足していくとかセンスがないよ。

 シンプルだけど派手……矛盾したように思えるその2つの言葉も、私なら両立できたりする。そういうのを「美」っていってほしい。だから私基準ではあれは美ではなく盛り……なんだよ。


「私の作品になりなさい。これで貴方も私の同胞よ」


 そういって最期にカサノヴァがその唇を近づける。なぜか大人しくしてる始祖の龍。そしてその唇が触れた時……私が「うえー」っていってるのは秘密だ。きっとそれがあの儀式には大事なんだろう。

 カサノヴァは作品といった。あれで完成と言う事は、始祖の龍がカサノヴァの「作品」に収まった? そんな風に思った時、宇宙を砕くような咆哮を始祖の龍が吠えた。流石に怒ったか?

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