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「まさか……」
私はびっくりである。ただの言葉で始祖の龍の行動を取りやめさせた。カサノヴァがそれをやった。ちょっと信じられない。始祖の龍が実はそういう風に見せた? その可能性もなくはない。けど……十中八九ない……よね。だってそんな小細工をするような奴では始祖の龍はない。
これまででそれは証明されてるよ。だって始祖の龍は小細工なんて使う必要がないからだ。こいつの圧倒的な力の前ではそんなの使うよりもその暴ですべてをねじ伏せることができるんだから。でも……そんな始祖の龍だからこそ、今のは信じられないというか?
あの始祖の龍に介入した? でもそれだけじゃ終わらないらしい。まずは水をぶっかけたわけだけど、なんかそれによって……
「きれいになった?」
そんな風に見える。始祖の龍の黒光りしてたうろこ。それがさらにきらきらとしてるような? 汚れが落ちて、そのうろこの輝きが戻ってきたように見える。まさか掃除してあげたとかじゃないよね? ても確かカサノヴァは最初に「メイクアップ」とかいってた。
それを考えるにもしかしてまずは汚れを落としてメイクの準備してたとかないよ……ね?
そんなことを思ってるとスチャッと何かをその指に取り出したカサノヴァ。普通ならこういう場面で出てくる武器となったら刃物的な物だろう。ナイフとかさ……でもカサノヴァが持ってるそれは違う。それぞれの指からブラシやら細いペンやら小さな箱とか……なんかいろいろともってる。
うん、なんか見覚えあるな。てか女の子ならみんなちょっとはその道具を見たことあるだろう。そうまさにメイク道具である。それを両手に携えたカサノヴァはその巨体で暴れまわるようにしてる始祖の龍へカサノヴァに迫った。でもそれをカサノヴァはうまく受け流しながら、踊るように動いてる。暴の始祖の龍をうまく扱うかのようなそのダンス。
けどそこで私は気付く。
「ん? あいつマジか?」
踊ってるように舞ってるカサノヴァ。そのダンスが進むたびに、変化が起こってる。始祖の龍への変化だ。その暴が鳴りを潜める……とかじゃない。寧ろ外側。それに変化が起きてるのだ。まずは目に赤いアイラインがはいった。
全身黒いからアクセントが欲しかったのかもしれない。それからまつげが付け足されて……頬には赤みを出すチーク。恐ろしいはずの口には青い口紅。さらにはその牙が金色にそまってる。
うん……完璧にカサノヴァのセンスによって始祖の龍はデコレーション……いやメイクされて行ってる。始祖の龍は怒っていい。これにはね。




